今回ご紹介する一冊は、
ジェフリー・ディーヴァー 著
『コフィン・ダンサー』です。
ジェフリー・ディーヴァーは
1950年、アメリカシカゴ出身。
ニューヨークの
大手法律事務所で、
弁護士をしながら
執筆活動を開始します。
1997年に発表された
『ボーン・コレクター』で
人気がブレイクし、
映画化もされています。
多くの作品の中でも、
特に人気なのが
リンカーン・ライムシリーズ
です。
今作はシリーズ2作品目です。
主人公は、
元ニューヨーク市警科学捜査部長。
最高の頭脳と知識の持ち主ですが、
事故で四股麻痺になって
しまいます。
しかし、その頭脳と知識を買われて、
ベッドの上から捜査を
指揮します。
本作のライムの敵は、
コフィン・ダンサー(棺の前で踊る男)
と呼ばれる殺し屋です。
彼に狙われたら絶対に
生き延びることはできないと
言われています。
この殺し屋からターゲットに
された証人たちを
ライムは守ることが出来るのか。
目次
ジェフリー・ディーヴァー『コフィンダンサー』 あらすじ
現代米国ミステリの最高峰にして、故・児玉清さんのもっとも愛した作家、J・ディーヴァー。本作は彼の代表作「リンカーン・ライム」シリーズの、『ボーン・コレクター』に続く第2弾。FBIの重要証人が殺された。四肢麻痺の科学捜査専門家リンカーン・ライムは、「棺の前で踊る男(コフィン・ダンサー)」と呼ばれる殺し屋の逮捕に協力を要請される。巧みな陽動作戦で警察を翻弄するこの男に、ライムは部下を殺された苦い経験がある。今度こそ……。ダンサーとライムの知力をつくした闘いが、今始まる。
ある日リンカーン・ライムの元に、
ニューヨーク市警刑事
ロン・セリットーが訪れ
捜査に協力してほしいと
依頼します。
それは、武器密売人である
フィリップ・ハンセンが、
裁判で自分に不利な証言をする
証人三人の殺害を、
ある殺し屋に依頼します。
すでに、一人は飛行機ごと
爆破されています。
通称「コフィン・ダンサー」と
呼ばれるその殺し屋に、
ライムは過去に同僚を二人
殺されていました。
ライムは証人を守り
殺し屋を逮捕する依頼を請けます。
ここから壮絶な戦いが
幕をあけます。
ハンセンが自分の罪を立証する
証拠物件を隠滅するために
飛行機で飛行に出た時、
それを目撃してしまった人物
がいます。
航空会社を経営する夫妻と
パイロットの三人です。
この証人の命を守り、
凄腕天才暗殺者コフィン・ダンサー
を逮捕することができる
のでしょうか?
ジェフリー・ディーヴァー『コフィンダンサー』 ライムVSダンサー
今作品の見どころは、
なんといっても二人の天才
の対決です。
微細証拠物件や
現場の状況証拠を積み重ね
犯人に迫っていくライム。
そして巧妙な偽装や変装、
爆弾の知識に狙撃の腕を
もつダンサー。
ライムが罠を仕掛けると、
ダンサーはそれにいち早く
気づき、まんまと罠を
かいくぐります。
次々とダンサーは襲撃しますが、
ライムは先を読み
それを防ぎます。
裏の裏のそのまた裏を
かく戦いが展開され、
読者に息をつく暇を
あたえません。
「最大の武器は人を欺くこと」
それがダンサーの一番手強い
ところです。
ライムたちはこの戦いに
勝利することができる
のでしょうか?
最後の最後まで
両者一歩も譲りません。
ジェフリー・ディーヴァー『コフィンダンサー』 三人目の天才パーシー・クレイ
ライムの手足となって
犯人に立ち向かう
美人警官アメリア・サックス
など
前回同様に魅力的な人物
が多い作品ですが、
もう一人パーシー・クレイ
という女性が登場します。
彼女は殺し屋ダンサーから
命を狙われる証人の一人で、
航空会社の社長であり
天才パイロットです。
けっして美人ではない
クレイですが、
一本芯の通った心を
持っています。
常に仕事に対して
プロ意識を持ち、
発する言動も力強いです。
その姿勢はライムやサックスに
対しても引けを取りません。
度々サックスと衝突しますが、
徐々にお互いを
認めていきます。
ライムとサックスの仲が
すすむキーパーソンでも
あります。
彼女が殺し屋ダンサーに
狙われる中で飛ぶ、
決死のフライトシーンは
圧巻です。
ジェフリー・ディーヴァー『コフィンダンサー』 一気読み必至
本作はまず緻密で
リアルな世界観があり、
凶悪で頭の切れる犯人と
ライムの頭脳戦という軸が
しっかりとあります。
そして登場人物は
人間味を持ち血が
通っています。
主人公のライム、
殺し屋ダンサーはもちろん
一作目からの仲間たちも
要所要所で活躍します。
さらに、
よく練られた構成や
伏線が見事です。
「えーどうなるの?」
というところで、
登場人物の視点が
切り替わることで、
物語がスピーディーに
展開していきます。
そして最終章「死の舞踏」は、
これでもかという怒涛の展開
が炸裂し読む手が止まりません。
読みどころ満載の
超一級エンターテイメント作品
です。
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