【感想】『夜景座生まれ』最果タヒの詩集レビュー!おすすめ本

 

今回ご紹介する一冊は、

最果 タヒ

『夜景座生まれ』です。

こんにちは、皆さんは

「詩」はお好きですか?

 

私は好きです。

と言いたいところですが、

大きな声で言えるほどのもの

ではありません。

 

読書が趣味で様々なジャンルの本

を読みます。

 

もちろん「詩」も読みますが、

特出して詳しいわけではないからです。

 

今回ご紹介するのは今、人気の詩人、

最果タヒさんの新作『夜景座生まれ』

という作品です。

 

今作が第8集の詩集になります。

これまでに出版された作品では

第1詩集で中原中也賞を受賞されています。

 

そして、今作が約一年ぶりの

詩集の出版になります。

ファン待望の新作だったという訳です。

 

また、2020年12月4日から12月20日まで

東京渋谷パルコで『最果タヒ展』

が行われていました。

 

今作の出版に合わせて展示会を

行ったということですね。

残念ながらこの記事を執筆している時点で

東京での展示会は終わってしまっていますが、

名古屋と大阪でも行われるので

是非興味のある方は行ってみてください。

 

名古屋では2021年2月13日から28日まで、

大阪では2021年3月5日から21日まで

行われる予定です。



最果タヒ『夜景座生まれ』 最果タヒさんのちょっとした話

 

星が見えない都会。夜景なんて誰も見ていない。でも。本当に新しいことはいつだって「夜」から始まる。中原中也賞、現代詩花椿賞の受賞を経て、詩の映画化、詩の個展、詩と建築のコラボレーションなど、詩人という枠を超え、存在が加速し続ける最果タヒ。現代のその先を切り開く、運命の第8詩集。

 

最果タヒさんといえば、

謎の多い詩人というイメージが

強いのではないでしょうか。

顔も公開されていません。

 

テレビなどで声や、顔を本などで

隠して雑誌などの写真に

写っているそうです。

 

作家の顔で作品の印象が変わるのを

避けていると本人は言っています。

 

確かに、本を読んで実際に作者の方の

写真や顔を見ると作品を見るイメージ

が変わります。

 

例えば、とても武骨で硬い、

男性が書いたような作品が実は

20代の女性の方が書いていたなんて

知ったらその作品のイメージは変わります。

 

それを避け、詩の持つ印象や作風に

作者の方の顔のイメージが付かない

というのはいいことだと私は思います。

 

感じ方は人それぞれですし、

こういう人が書いたのかという

イメージに影響を受けることもありません。

 

純粋に作品を読んだままに

感じることができるでしょう。

 

そう言ったところが最果タヒさんの

ミステリアスで注目される理由にも

なっていると思います。

 

また、ネットで囁かれている噂?

の一つとして「タヒ」が「死」という意味

なのではないかという噂です。

 

これはネットスラングで「タヒ」と書いて

「死」と意味するところからきています。

「死」の下の部分が「タヒ」になるからですね。

 

これについては否定されています。

そもそも最果タヒさんがこの名前を

付けた時点でこのネットスラングは

存在していませんでした。

 

また、他にも「タヒチからきている」などなど

噂はたくさんありますが、どれも違うそうです。

 

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最果タヒ『夜景座生まれ』 詩人だけど「詩」だけじゃない!?

 

最果タヒさんは詩人として

「詩」が注目されていますが、

最果タヒさんは「詩」だけじゃないんです。

 

例えば、公式ホームページは

とても独特です。

 

文字がバン! と大きく出てきて、

Twitterのツイートが文字として

表示されています。

なんとも不思議なホームページです。

これもメディアアートの一種なのでしょうか。

 

そして、右上のメニュー欄には

GAMEという表記があります。

遂、興味本位で押したらなんと

シューティングゲームでした。

 

詩とシューティングゲームの融合

というまったく新しいメディアアートですね。

 

ホームページには他にも、

HACKというところには

言葉遊び的な詩の紹介ページがあります。

 

詩くはっく、いまなん詩゛など、

言葉遊びと詩を組み合わせています。

是非見てください。

 

他には詩とホテルの融合の話もあります。

2019年12月9日~2021年3月8日の期間に、

「最果タヒさんの言葉の海に泊まる」、

「最果ての地のオアシス」

というコンセプトの期間限定で

京都のホテルで宿泊できるホテルの一室

が出来ました。

 

部屋の至るところに詩が書かれていて

詩に囲まれながら部屋で過ごすこと

ができるそうです。

 

このプロジェクトに際して、

最果タヒさんが下記のような言葉

を寄せています。

 

帰るということが、大人になるたびに難しくなる。
家の鍵を持ったって、帰り道を覚えたって、鍵も持たなかった、
道もわからなかった子どもの頃よりずっと、『帰る』ことがわからない。
自分で選んだ家具や家電で部屋を作っていったところで、
どうしてか、そこに収まるだけが「帰る」ではないように思う。
自分が、ちょうどよく作った場所が、
私の本当の「ちょうどいい場所」ではないのかもしれないと思うたび、
すこし、遠出がしたくなります。

 

私も泊まりたかったのですが、

知ったのが終わってしまってからだった

ので残念です。

次の機会には、是非泊まってみたいです。

 

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最果タヒ『夜景座生まれ』 誰かの心のモヤモヤ『夜景座生まれ』ってどんな作品?

 

私は詩を読んでいると心に響きます。

有り体な言い方になってしまいますけど、

この言い方が一番しっくりきます。

 

例えば、一番初めの『流れ星』という詩では、

初めに「孤独」、そして「水の流れ」、

そして「愛」で終わります。

 

このキーワードの繋がりと短い文章の中で

最大限伝えたいことを伝えようとすること

それが詩であるのだなと読んでいて感じました。

 

また、そこが最果タヒさんのすごいところ

でもあると思います。

分からないと感じる作品もあるけれど、

分かる気がするところが面白さに繋がります。

 

タイトルに『生まれ』と付いているためか、

この詩集では肉体的で生々しい詩が

多いように感じます。

 

そして、

やはり毎回面白いと感じるあとがき。

様々な本を読んでいますが、

面白い本は大抵あとがきも面白いものです。

 

 

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