門田隆将『疫病2020』本の要約と書評!コロナ対応の現実と未来への教訓「重厚なノンフィクション」

 

今回ご紹介する一冊は、

門田 隆将(かどた りゅうしょう)

『疫病2020』です。

 

昨年末から話題に上がり、

今年4月から5月にわたって

日本において猛威を振るった新型コロナウィルス

一度落ち着いたかなと思ったら、

7月に入ってまた感染者が都内で100名以上

出てくるような事態になっていますね。

元々は中国湖北省武漢市から始まった新型コロナ。

毎日感染者数ばかりが取り上げられ、

既に発生源が中国であることなど

忘れてしまっている人も

少なからずいるのではないでしょうか。

今回紹介する『疫病2020』は、

コロナの発生から2020年5月末現在まで、

コロナをめぐって異なる立場の人々が

如何にその問題に対応してきたかを

綴っている本です。

結構な分厚い本ですが、

テーマがタイムリーであることと、

その場にいるような臨場感

あっという間に読めてしまいました。

疫病をテーマにした本に対する形容として

いいのか分かりませんが、

非常に読んでいて面白い本でした。

 

 

 

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私の前にはウィルス、後ろには当局の権力がある

 

この"怪物"がすべてを暴いた――。

本書は「この星を支配し続ける人類を脅かす最大の敵はウイルスである」というノーベル生理学・医学賞受賞者ジョシュア・レダーバーグの言葉から始まる。

その時々の筆者自身のツイッターを散りばめ、読者を同じ時間にいざないながら謎を解いていく新しい形のノンフィクション。日本人はなぜこれほどの政策失敗の中でも生き抜くことができたのか。コロナ襲来の「現実」と未来への「教訓」にまで踏み込んだコロナ本の決定版。

 

『疫病2020』は、

コロナウィルスに対する現場と指導部の

対応・処理の仕方を大きく取り上げています。

中国当局と現場の中国人医師、

日本の厚労省と現場で働く自衛隊や医師など

の対応の違いにスポットライトが当てられます。

 

「私の前にはウィルス、後ろには当局の権力がある」

 

というのは、

この本の副題にしてもいいくらい

コロナに対する民(現場)と官の対応

表した言葉だと思います。

この言葉を言ったのは、

中国の医療現場の悲惨さを伝えた

中国人弁護士でジャーナリストの陳秋実

徹底した情報統制を行った中国共産党

により拘束と釈放を繰り返され、

2020年5月末現在彼の行方は

分からなくなっているとのこと。

中国を牛耳る中国共産党は、

コロナウィルスに対して

当初情報統制を敷きました。

それによりコロナによる防疫が遅れ、

ここまで世界的な流行になったともいわれています。

これは丁度、SARS流行当初にも見られた現象でした。

コロナの情報を病院内で共有した

艾芬女史、SNSを通じコロナの危険性を訴

えながら治療に当たり、

自らもコロナに感染してしまった李文亮氏。

彼らは程度の違いこそあれば、

当局から追求を受けました。

しかも李文亮氏は後に亡くなっています。

自らの統治に不利な情報は

徹底的に抑え込む中国共産党。

コロナの爆発的流行には、

中国当局の情報隠蔽に依るところも

多大にあるでしょう。

では日本は?中国当局のようなことはない?

いえ、決してそんなことはありません。

世界から心配されるほど対応が後手後手

回ってしまった日本と、

SARSの教訓を活かした台湾を比較しながら、

日本が如何に国民の命を蔑ろにしたのか

を教えてくれます。

 

 

 

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日本と台湾、コロナへの対応の違い

 

コロナの世界的大流行が始まったころ、

日本のワイドショーでも各国が

コロナに対してどのような対応を

取っているのかが話題になりました。

韓国のドライブスルー形式の

PCR検査は連日取りだたされていましたね。

『疫病2020』では、

台湾と日本が対照的な対応を取った

として多く取り上げられています。

台湾は兎に角手が早かった

対する日本は後手後手です。

2019年12月8日に中国武漢で

初めてのコロナ感染者が出てくるのですが、

台湾はいち早く中国国内で

原因不明の肺炎が流行り始めたという情報を掴み、

2020年1月にはヒトヒト感染を前提に動き出します。

そして同月22日には台湾~武漢間の団体旅行を一時停止。

24日に中国大陸への団体旅行を中止させ、

2月6日には中国全土からの入国を拒否しました。

そして3月19日で全ての外国人の入国を原則禁止とします。

この先手先手の対応で、

台湾は5月8日から観客を入れての

プロ野球開幕を実現させたのです。

対する日本は?

一言でいうならば、完全なる危機感の欠如

無観客のプロ野球が始まったのが

ついこの間という事を考えても、

いかに遅くなってしまったのかが分かります。

感染症専門家、厚労省の役人のコロナに対する

危機感のなさを知ると、

彼らのやっていることは

憲法違反のような気がしてなりません。

憲法第25条には、

すべての国民は健康で文化的な

最低限度の生活を営む権利を有する、

とあります。

今回のコロナの件だけではありません、

薬害エイズ問題なども取り上げられており、

「国」がいかに国民の命を蔑ろにしている

のかが分かってしまい、

恐ろしくさえなってきますよ。

台湾はSARSの経験もあっての、

今回の迅速な対応に至ったわけですが、

それを鑑みても日本は遅すぎる。

筆者のツイッターの投稿文も

随所に出てくるのですが、

その文面には怒りが見て取れます。

 

 

 

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重厚なノンフィクション~現代日本人必読の書だ!~

 

現場にいた中国人医師と、

それを隠蔽しようとした中国当局。

台湾と日本の対応の差。

中国病毒研究所の、

今回のコロナ騒動へのかかわり。

この3点が『疫病2020』のハイライトとなると思います。

この中で、やはり日本人としては、

日本の対応の悪さが目についてしまいます。

現に、7月9日現在、

日本での東京における新規感染者は224人になりました。

対する台湾は、ゼロです。

初動がいかにその後の結果に

影響を与えるのかといういいお手本ですね。

しかし、それでも尚日本には希望があると思います。

各国が不思議がったのは、

あまりにお粗末な対応ではありながらも、

日本のコロナによる死亡率が非常に低いということ。

これはなぜなのか。それはつまり、

日本人が培ってきた衛生面への高い意識でした。

帰ったらうがい・手洗い。

マスクも日常的にする習慣的浄土があります。

今電車に乗ったらマスクをしてない人は珍しいですね。

握手のような密着する挨拶もありませんし、

何より「お上」の言う事は聞くという文化が強い国です。

国が三密を避けろと言えば、

その通りになりました。

ソーシャルディスタンスも守られています。

読了後、厚労省官僚への怒りとともに、

日本人の現場力の強さを強く感じる事が出来ました。

『疫病2020是非読んで頂きたい一冊です。

今日本人が直面している最大の問題が、

どのような過程で我々にもたらされたのか、

そしてそこからどのような教訓を学べるのか。

非常に重厚なノンフィクションです。

 

 

 

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