伊坂幸太郎『陽気なギャングの日常と襲撃』あらすじと感想!伏線は?名言集も

 

今回ご紹介する一冊は、

伊坂幸太郎

『陽気なギャングの日常と襲撃』

です。

 

本作は、

【陽気なギャングシリーズ】

の第2弾になります。

 

第1弾のあいつらが帰ってきた!

とちょっと嬉しくなりました。

そして、相変わらず面白い!

 

彼らも相変わらず、珍名言が飛び出したり

流れるようなどうでも良い会話が

楽しいんですよね。

 

今回はどんな事件に巻き込まれるのやら。

独特な世界観に笑っちゃいましょう。

 

ちなみに、

【陽気なギャングシリーズ】

の全3部作はこちらです↓

 

 

 

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伊坂幸太郎『陽気なギャングの日常と襲撃』あらすじ

 

<伊坂幸太郎ブームは彼らが作った――史上最強の天才強盗 あの4人組が帰って来た! 4つの奇妙な事件と銀行襲撃の裏に…… 文庫化記念ボーナス短編付き!>
嘘を見抜く名人は刃物男騒動に、演説の達人は「幻の女」探し、正確な体内時計を持つ女は謎の招待券の真意を追う。そして天才スリは殴打される中年男に遭遇――天才強盗四人組が巻き込まれた四つの奇妙な事件。しかも、華麗な銀行襲撃の裏に「社長令嬢誘拐」がなぜか連鎖する。知的で小粋で贅沢な軽快サスペンス! 文庫化記念ボーナス短編付き!

 

 

陽気なギャング4人衆のそれぞれの

日常の場面が登場します。

 

成瀬

 

普段の職場は、

神奈川県の市役所・地域生活課の係長です。

 

マンションの屋上で人質に

刃物を突き付けられている男を

部下の大久保と共に目撃します。

 

その人質は以前、市役所に文句を言いに来た

初老の門馬という男。

 

門馬が犯人の隙を見て落とした紙には、

『3-二』と書かれた、何やら暗号めいたものが。

 

成瀬はこの謎を解読し、

隣のマンションの部屋を訪ねます。

 

そこには、なんと押し込み強盗が・・・

 

響野

 

店のお客・藤井の「幻の女」の謎解きを

手伝うことになります。

 

「幻の女」とは名作である、

ウイリアム・アイリッシュ著の「幻の女」という

作品と掛けています。

 

藤井はお酒で記憶をなくし、

朝起きるとノゾミという女性からの書き置きが

あったもののまったく記憶にありません。

 

その後、一緒に飲んでいた藤井の同僚・桃井が

人身事故を起こします。

 

響野は、藤井の立ち寄ったお店で

幻の女「ノゾミ」の情報の聞き込みをするも

全員が「桃井と藤井の二人だった」と証言。

 

しかし、実際は「幻の女」さながらの

事態が起こっていたのです。

桃井の事件とどう

関わっていたのでしょうか。

 

雪子

 

雪子は職場である派遣先の同僚社員・鮎子

から相談を受けます。

 

鮎子は内緒でアルバイトをしており、

見知らぬ男から舞台の観劇チケットを

貰ったのです。

 

そのチケットは人気俳優が出演しており、

入手困難な人気作品のものでした。

 

鮎子は舞台開始の時間には

仕事で間に合わないと諦めますが、

雪子の持ち前の運転テクニックで

舞台開始までに間に合わせるのです。

 

「誰がチケットをくれたか興味がある」から。

 

チケットをくれた人物が鮎子の席の隣に

座るのではないかと予想したのです。

 

でも、当日は隣はずっと空席。

もっと驚くべき人物でした。

ちょっと良い恋のお話です。

 

 

久遠

 

和田倉という男が夜の公園で殴られ、

久遠が介抱します。

和田倉には多額の借金があり、

その関係者では?と予想。

 

久遠は和田倉を殴った男に

ぶつかった拍子に

得意のスリで男の財布を摺りました。

 

歯医者のカードからその男が

誰なのかを特定。

和田倉は紹介制のカジノの会員で、

ふくらんだ借金返済のために、

犯罪の片棒を担がされていました。

 

和田倉がその仕事で向かおうとしていた

マンションは、

成瀬たちが押し込み強盗で通報した

マンションで・・・

何やら雲行きが怪しく

なってきたのでした。

 

 

 

 

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伊坂幸太郎『陽気なギャングの日常と襲撃』伏線は?

 

いつものように銀行強盗に入った

4人組。

 

そこで客の1人に成瀬の部下・大久保の

彼女である筒井良子を発見します。

 

筒井良子は筒井ドラッグを

経営する父親の娘で

身代金目的の誘拐事件に巻き込まれます。

 

久遠が誘拐犯に発信機をつけることに成功。

 

場所を特定し、響野と久遠で向かうと・・

そこで良子を発見するも、

響野と久遠は男につかまってしまいます!

 

ピンチ!

ですが、誘拐された良子はお人好しなんです。

 

世間知らずのお嬢様で、

父親が誘拐犯たちにひどい仕打ちをしたと

わかってから、身代金を犯人たちに

あげたいと言い出します。

 

成瀬たちも響野と久遠たちを助けに向かうも

あぁ!!ニアミス!

 

 

すべての伏線は回収へ

 

実は筒井ドラッグの社長(良子の父親)は、

和田倉が通うカジノの主である鬼怒川と

交友がありました。

 

カジノのは紹介制のため、

誰かに紹介してもらわないと入れません。

 

成瀬と雪子はそれぞれ別の

人物に頼むことに。

 

そして、ギャングたちは

筒井良子救出大作戦へと

挑みます。

 

カジノでは、映画さながらの

大パニック状態に。

最初に良子を誘拐した人物たちではなく、

真の計画を企てた黒幕が明らかになります!

 

そして、4人組ギャングたちによる

スカッとする成敗も炸裂しますよ。

 

この結末は作品を読んで、

楽しんでください。

 

 

 

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伊坂幸太郎『陽気なギャングの日常と襲撃』名言集

 

1作目『陽気なギャングが地球を回す』の書評でも

ご紹介しましたが、

2作目の本作でも名言?迷言?を

集めてみました。

意外と深いことを

言ってたりするんですよね。

 

「巨人に昇れば、巨人より遠くが見える」(by 成瀬)

「朝、(会社に)電話をして休むことにしたんです。何だか行く気がなくなっちゃって」

(by 藤井)

「欠点がある人間を友人とするのも善行の一つだ」(by 祥子)

「わたしの言う通りにやれ。わたしのやる通りにではなく」(by 響野)

「ガラスに家に住む者は、石を投げてはいけない」(by 響野)

「何もしなければ何も起きない。卵を割らなければ、オムレツを作ることはできない」(by 雪子)

「毛を刈った羊には、神も風をやわらげる」(by 久遠)

「僕みたいな若者はどんなところにでも行くべきなんだよ」(by 久遠)

「『敵の敵は味方』理論だよ。これは効果があるんだ」(by 久遠)

「何でもある筒井ドラッグなんだから、一人娘くらいいてもおかしくないな」(by 響野)

「木は森に隠せ、って言うだろ。失敗は大失敗に隠すんだ」(by 響野)

「どの仕事も大変で、つまらないんだ」(by 響野)

「私の夫以外はすべて良い夫に見える」(by 祥子)

「私の尿意は、わが道を行くんだよ」(by 響野)

「いい人というのは、意外に、嫌な人なんだよ」(by 成瀬)

「海には、逃がしたのと同じだけのよい魚がいる」(by 磯原)

 

どうですか?

どれも理屈は通っているような、

でもしっくり来ないような絶妙さが

面白いんですよね。

 

これが伊坂幸太郎ワールド

独特な世界観にきっとツボりますよ。

 

 

 

 

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