宇山圭祐『桜のような僕の恋人』あらすじと感想!儚く美しく泣ける恋愛物語

 

今回ご紹介する一冊は、

宇山圭祐(うやまけいすけ)

『桜のような僕の恋人』です。

 

『桜のような僕の恋人』

恋愛小説です。

宇山圭祐は他に映画化もされた小説

『ガールズ・ステップ』や

テレビドラマ『信長協奏曲』の脚本、

映画『今夜ロマンス劇場で』の脚本

などで知られています。

 

『信長協奏曲』は小栗旬主演で

月9初の歴史ものとして放送され、

『今夜ロマンス劇場で』は

綾瀬はるかと坂口健太郎が

共演するなどして

いずれもも大人気を博した

作品なので、

ご存じの方も多いでしょう。

 

宇山の手掛ける作品は

ほとんどが恋愛や青春ものですが、

読者や視聴者が思わず涙せずには

いられない感動的なストーリー

が特徴的です。

 

この作品も、

読了後には涙すること間違いなし、

感動的な結末が読者を待ち受けます。

 

恋愛小説や感動ものが

好きな方はもちろん、

読みやすい文章なので、

読書で泣いたことがない

いう方にもおすすめの一作です。

 

 

 

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宇山圭祐『桜のような僕の恋人』のあらすじ

 

美容師の美咲に恋をした晴人。彼女に認めてもらいたい一心で、一度は諦めたカメラマンの夢を再び目指すことに。そんな晴人に美咲も惹かれ、やがて二人は恋人同士になる。しかし、幸せな時間は長くは続かなかった。美咲は、人の何十倍もの早さで年老いる難病を発症してしまったのだった。老婆になっていく姿を晴人にだけは見せたくないと悩む美咲は……。桜のように儚く美しい恋の物語。

 

主人公朝倉晴人は

行きつけの美容室の美容師、

美咲に恋をします。

季節は春、晴人は美咲を

お花見デートへと誘おうとしますが、

なかなか切り出せません。

 

意を決して口に出そうと

振り向いた瞬間、

美咲の手に握られた散髪用のハサミ

がなんと晴人の耳たぶを

切り落としてしまうのです。

 

お詫びに何でもすると

口にした美咲に、

晴人はデートしてほしいと

もちかけます。

 

断れない状況でデートの話を

口にした晴人に、

美咲は当初疑念すら

抱いていますが、

仕方なく交際を始めるのです。

 

晴人は諦めかけていた

カメラマンという夢を、

美咲に認められたい一心で

再び目指し始めます。

 

すると今度は美咲も、

晴人のそんな一途な姿や、

優しい心に惹かれていくのです。

 

しかし、二人の幸せは

長くは続きませんでした。

 

何と美咲は、

人の数十倍も速く老いていき、

一年ほどで死に至ってしまう難病

「ファストフォワード」症候群

発症するのです。

 

医師からは治療法は無いと告げられ、

自らの運命を呪いながらも、

老婆になる姿を晴人に

見られたくない美咲は

とある決断をします。

 

果たして二人を待ち受ける結末とは

……美しくも儚い物語です。

 

 

 

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宇山圭祐『桜のような僕の恋人』の魅力

 

繊細で、悲しく、

そして何よりも美しい純愛、

これこそがこの作品をはじめと

した宇山の作品の最大の魅力です。

 

愛し合った二人が、

難病の発症という理不尽な運命

のせいで引き裂かれ、

幸せを奪われてしまう。

 

そう聞いただけでは

救いようのない、

可哀そうな物語にさえ

思えてしまいます。

 

しかし、荒野に咲く一輪の花こそが

美しいように、

そんな境遇に置かれたからこそ、

純愛は輝くものです。

 

互いが互いを思うからこその苦悩、

愛し合っているからこその悲しみ、

そういった感情をこの作品は

見事に描ききっています。

 

『桜のような僕の恋人』という題名は、

正にこの物語を端的に言い表しています。

 

人とは比べ物にならないほど、

あっという間に老いていってしまう

美咲の姿は、

その名前も相まって、

美しく咲いてもほんの数日で

儚く散っていく桜そのものです。

 

「花は散るからこそに美しい」

といいますが、

一人の若い女性にとって

それは悲劇でしかありません。

 

しかし、だからこそ美しくあろう

とする美咲の姿には、

胸を強く打つものがあるのです。

 

 

 

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宇山圭祐『桜のような僕の恋人』と私たち

 

この物語はとても突飛な設定で、

私たちの日常とは

重ねる余地も無いように思えます。

 

しかし、深く考えてみると、

私たちの実生活にも通ずる教訓を

与えてくれるのです。

 

例えば、美咲に残された時間は

ほんのわずかなものでした。

 

私たちはそれを

可哀そうだと思いますが、

しかし、私たちは彼女とは違って

十分に時間が残されていると、

どうして言うことが

できるでしょうか。

 

いつ自分が、大切な人が病や事故で

死んでしまうか分からない。

 

一日一日、一瞬一瞬を

大切に生きようと

思わせてくれる、

そんな作品がこの物語なのです。

 

さらに、美咲の生き様はもちろん、

晴人をはじめとした周囲の人々の生き方

も私たちに様々なことを

学ばせてくれます。

 

限りある時間の中で、

常に相手を思い続ける。

 

人と人との関わりが希薄になっている

と言われる現代の私たちに、

その姿は強く響くのでは

ないでしょうか。

 

この物語の美しいストーリーは

私たちを感動させるだけでなく、

人間としても成長させてくれる

かもしれません。

 

 

 

 

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