【感想】『かくしごと(新潮文庫)』住野よる著あらすじと考察

 

今回ご紹介する一冊は、

住野よる

『か「」く「」し「」ご「」と「』

です。

 

著者は『君の膵臓を食べたい』

と一度聴いたら内容はどんなのだろう?と

必ず考えさせられる作品の書き手で、

その後も『青くて脆くて痛い』という

なんとも繊細な印象を与える作品

のまた書き手でもあります。

 

本作品も例にもれず

10代の打てば響く反応の良さをもちながら

あまりにもデリケートな心情を

丁寧に描いた力作です。

 

年齢を重ねた身には少しくすぐったく

優しすぎるお話ですが、

痛くて新鮮な内容を少しでも

伝えられたらと思います。

 

読後感想がかぶるところがあると

嬉しいです。

 

住野よる『かくしごと』

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住野よる『かくしごと』 あらすじ

 

5人の男女、それぞれの秘密。知っているようで知らない、お互いの想い。
みんなには隠している、少しだけ特別な力を持った高校生5人。別に何の役にも立たないけれど、そのせいで、クラスメイトのあの子のことが気になって仕方ない――。彼女がシャンプーを変えたのはなぜ? 彼が持っていた"恋の鈴"は誰のもの? それぞれの「かくしごと」が照らし出す、お互いへのもどかしい想い。甘酸っぱくも爽やかな男女5人の日常を鮮やかに切り取った、共感必至の青春小説。

 

好みや趣味があうなど

単純なきっかけから男女問わず仲良くする

5人にはそれぞれ言えない能力があります。

 

人の感情が、感嘆符、ベクトル、マーク等

で見えてしまうのです。

 

知りながら言えないこと、

知らないふりをしたりよい方向へ

もっていこうとしたり、

自身の感情もないまぜに

普通に誰にもあるイベントをこなして

やはり誰にでもやってくる進路を考えたり

将来を見据える時間を意識しながら

恋愛や友情も考える青春小説です。

 

 

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住野よる『かくしごと』 読みどころ

 

全体的に言葉が優しいです。

 

少しだけでもわけてほしい。と思ったけど~魅力を減らしてしまうわけにはいかないもの

 

性格に憧れをもったりしますが

それを取り上げるわけではありませんし

思う必要もなく際限なく誰にでも起こる

可能性のあるものでもあります。

 

この感情が伝わってしまったら

相手はなくなることなどお構いなしに

差し出すと思っていることが読めますよね。

 

当事者意識の強さ

 

強い魅力を持った相手を単に思いやりがある、

人の立場にたって考える、

と表現せずにこう書いています。

 

本当は相手の立場のさらに上、

その人だったらという最上級の立場

を考えるには当事者という言葉が

当てはまるなと思うのです。

 

いけてる子達と同じものを身に着けるのを恥ずかしがるように

 

当事者意識が弱い私はここまで

思うことができません。

当時もできなかったと思います。

 

一見卑屈にも思える言葉を実に巧みに

優しく書かれています。

 

冷静さを長所だという人間もいるだろう。

だが、違う。ただ、冷たい人間というだけだ。

 

当事者意識が強いと思われている友人も

こんなことを思っています。

ただ、やはりどことなくそれを

悲しんでいるように思えるのです。

 

自分と、それから誰かの涙を止められる能力を貰えていたら

 

あふれ出る感情を留めることは

誰にもできないし人は決して思い通り

になどなりません。

 

一見傲慢にみえるこの思いも、

強くありたいという感情の裏返しで

悲しませたくない優しさが見えます。

 

本当に青春という時を過ごす人の当事者意識が

ないとできない脆い表現に感動しました。

 

平熱の優しさ

 

やはり締めに素敵な言葉がでてきました。

暑苦しくもなくクールでもない平熱の優しさ。

 

大した熱でもないけれどどこまでも

静かな思いやりにこそ優しさ

がある気がします。

 

 

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住野よる『かくしごと』 恋愛絡み

 

救いは思いを寄せる相手が

かぶらなかったことです。

 

三角関係とか感情がわかりあっていたら

どうしようもなく修羅場でしょうね。

 

俺には理解できなかったからだ

 

ここには半分同感で半分わかりません。

 

俺が年齢や性別をも超えた憧れに似た好意を

意識したことがないからだと思います。

 

まだ青いということですね。

 

確信してるんだろう。

 

簡単に思い込みなのですが、

全く別のことかもしれませんが登場人物たちは

これから何度も何度も色々なことを

選択して決断していかなければならない

と思います。

他の誰もがそうであるように。

 

その時に最終的に何を軸にするかというと

結局自分なわけで

そういう意味では大人なのだと理解しました。

 

 

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住野よる『かくしごと』 読後感想

 

ずっと懐かしいなとそうなのか!?

のくり返しの中読み進めていきました。

 

タイトルから結論的に言いたかったことは

これだという一文を紹介します。

 

それぞれが各仕事を与えられて

おそらく人には与えられた役目というか使命

があるということが言いたかったのでは

ないかと思います。

 

10代で繰り返しが殆どない時を

生きている時はありかなと思います。

 

しかしこの考え方は好きではありません。

 

この世代だからこそ何にでもなれるし

自由に考え、変わることができる。

 

役割があれば居場所がみつかり

楽で何にも囚われずに済むこともあります。

 

でも初めから枠がなくても

作ってもいいのではないか

周りをその枠にはめてみることもないし

しなくなるのではないか

 

それが本物の自由で。

ととりとめもなく思いながら、

一般的に人は若さを羨み無敵なものいいをしますが、

こんなにも脆弱で儚いではないか

と思い当たりました。

 

だからくすぐったくて切ないのだとも。

 

内容的にはハッピーエンドで

自分や周りの人間に真っ向から向き合おう

とする姿がただただ純粋で輝いて見えました。

 

 

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