青い波、白い砂浜、
さざめく波音・・・
そう!夏と言えば!
「海」です。
いいですよね~海って。
爽快な気分になります。
しかし!
今年は新型コロナウイルスが猛威を
奮っていて、海水浴は危険かもしれません。
そんなときは、
小説の中でも「海」を感じることが
できるんですよ。
そこで、
「海」がテーマのおすすめ小説を
集めてみました。
今年はおうちで、読書の海を楽しんで
みてはいかがでしょうか?
目次
『海底二万里』(著者:ジュール・ヴェルヌ)
ときは1866年、大西洋に謎の巨大生物が現れた! 異形の〈怪物〉の目撃譚に人々はおののき噂した。白鯨か? 伝説の怪異か? はたまた超自然現象か? 議論が沸騰するなか、アロナクス教授はその正体を暴くため、使用人のコンセイユとともに高速フリゲート艦に乗り込む。それが、驚くべき旅の始まりになるとも知らずに──。少年から大人までをも魅了する海洋冒険ロマンの傑作、新訳。
フランスの作家・ジュール・ヴェルヌ
の冒険小説です。
ヴェルヌはSF小説の祖と呼ばれています。
本作は東京ディズニーシーの
アトラクション「海底2万マイル」の
原作でもあります。
船舶が巨大な角のようなものに
穴を開けられるという事故が
連続して起きていました。
海洋学者のアロナックス教授は、
大きな角を持つ生物の存在を確かめるため、
助手のコンセイユと、銛打ちの名人、
ネッド・ランドとともに
アメリカの軍艦に乗り込みます。
が、その生物によって、
乗っていた軍艦が破壊されてしまいます。
3人は甲板から投げ出されたところを、
生物の正体である潜水艦・ノーチラス号
に拾われました。
ノーチラス号の船長・ネモとともに、
驚くべき深海の世界を旅する
こととなるのでした。
『月と六ペンス』(著者:サマセット・モーム)
新進作家の「私」は、知り合いのストリックランド夫人が催した晩餐会で株式仲買人をしている彼女の夫を紹介される。特別な印象のない人物だったが、ある日突然、女とパリへ出奔したという噂を聞く。夫人の依頼により、海を渡って彼を見つけ出しはしたのだが……。創造の悪魔に憑かれた男ゴーギャンをモデルに、最期まで絵筆を手放さなかった男の執念と情熱を描く、20世紀の大ベストセラー小説を決定訳で。
イギリスの作家・サマセット・モーム
の歴史的ベストセラー小説です。
画家であるポール・ゴーギャンを
モデルに書かれました。
主人公で作家の「私」は、
ストリックランド夫人にパーティに
誘われたことがきっかけで、
ストリックランドに出会います。
彼は冴えない男でしたが、
仕事にも家庭にも何不自由ない
生活を送っていました。
が、ある日、彼は忽然と
姿を消してしまいます。
ストリックランドの死後、
「私」は偶然にもタヒチを訪れ、
彼が南の島でどのような暮らしを
営んでいたか知ることとなるのですが……。
天才的な画家の狂気を描き、
人間の本質に迫った作品です。
モデルとなった画家・ゴーギャン
の作品や生涯と照らし合わせながら
読んでみるのもおすすめです。
『瓶詰めの地獄』(著者:夢野久作)
海難事故により遭難し、南国の小島に流れ着いた可愛らしい二人の兄妹。彼らがどれほど恐ろしい地獄で生きねばならなかったのか。読者を幻魔境へと誘い込む、夢野ワールド7編。
『ドグラ・マグラ』で知られる
夢野久作の短編小説です。
幻想小説や、
少しゾッとする話が好きな方に
おすすめしたい作品です。
海難事故に遭った幼い兄妹は、
南の島に流れ着きます。
極楽鳥が舞ってはいますが、
危険な動物はおらず、
食べ物もふんだんにあります。
2人は助けを求める手紙を書き、
ビール瓶に詰めて海へと流したのでした。
実は、2人は他にもあと2つの瓶に
手紙を詰めて流していました。
兄妹たちは10年近くを島で
過ごしていたのです。
瓶に入れられた手紙には、
兄妹が犯した取り返しのつかない罪
がつづられていたのですが……。
南の島の明るい色彩と、
兄妹の「罪」のコントラストが
鮮やかかつグロテスクな作品です。
夢野久作の入門としてもおすすめなので、
この機会に読んでみてはいかがでしょうか?
『真鶴』(著者:川上弘美)
12年前に夫の礼は失踪した、「真鶴」という言葉を日記に残して。
京は、母親、一人娘の百と三人で暮らしを営む。不在の夫に思いをはせつつ、新しい恋人と逢瀬を重ねている京は何かに惹かれるように、東京と真鶴の間を往還する。
夫は死にたいと思ったのだろうか。それとも、生きたいと思ったから失踪したのだろうか。遙か下の海では、いくつもの波頭が白くくだけていた。 そして歩いているとついてくる、〝目に見えない女〟は、京に何を伝えようとしているのか――。遙かな視線の物語。
2007年に、芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。
解説 「私という幽霊――距離にさわる言葉」 三浦雅士
主人公である京の夫は、
12年前に失踪してしまいました。
京は青茲という男と逢瀬を
重ねてはいますが、
夫のことを忘れることができません。
あるとき、夫の日記に
「真鶴」という地名を見つけます。
京は、誘われるように、
東京と真鶴をたびたび行き来
するようになります。
半島を歩いて回ったり、
宿に泊まったりしては、
夫や娘の百(もも)、
母とのことなどについて
思いを巡らせます。
京は、常にある女につけられています。
といっても、姿が見えたり、
声が聞こえたりするのは
京だけなのでした。
百と一緒に真鶴に出かけたときも、
女は現れます。
やがて、女は「もうすぐ舟が出る」
といって、
京を真鶴へとしきりに誘うようになります。
女は何を伝えようとしているのか、
夫はどこに消えてしまったのか。
不気味でありながらも、美しい物語です。
続きの5選~7選をご覧になる方は次のページへどうぞ