今回ご紹介する一冊は、
原田マハ 著
『アノニム』です。
『アノニム』は、
ジャクソン・ポロック
の幻の絵画「ナンバーゼロ」
を巡って、
怪盗団が大活躍する話
になります。
物語の中心は怪盗団の活躍と
アーティスト志望の高校生で、
一見何も関係ない様な両者
が混じり合い、
物語が進行していきます。
『アノニム』は、
ジャクソン・ポロックに
関する細やかな解説などが
充実しており、
美術がそんなに詳しくない方から、
美術が好きな方まで
幅広く楽しめる作品です。
原田マハさんの作品は、
元ニューヨーク近代美術館で
キュレーターを務めていた経験から、
美術関係にまつわる作品が
多くあります。
『アノニム』の様に怪盗団が
登場するという展開の、
わくわくする小説や、
思わずクスッと笑ってしまう様な
コメディーの作品まで、
様々な表現方法で、
読者を楽しませてくれます。
それでは、歴史的絵画を巡る
ワクワクする作品である
『アノニム』を書評していきます。
目次
原田マハ『アノニム』 現代アートが好きな人はとても楽しめる
ジャクソン・ポロック幻の傑作が香港でオークションにかけられることになり、美里は仲間とある計画に挑む。一方アーティスト志望の高校生・張英才のもとには謎の集団「アノニム」からコンタクトがあり!?
原田マハさんの作品の多くは、
有名な芸術作品や偉大な画家
が物語の中心となること
が多いです。
そのため、
美術に興味がある人にとっては、
普段あまり小説を
読み慣れていなくても
楽しめる作品が多くあると思います。
さらに、芸術作品にまつわる
詳しいエピソードや、
原田ハマさんの芸術に関する
独自の考察も読むことができるので、
より楽しめると思います。
そんな原田マハ作品ですが、
『アノニム』では、
ジャクソン・ポロックの作品が
物語の中心となります。
ジャクソン・ポロックは、
現代アートでも有名な芸術家で、
その画法はアクションペインティング
と呼ばれており、
『アノニム』の表紙にある様な、
絵の具をぶちまけた作品が有名です。
『アノニム』は、
このジャクソン・ポロックの
幻の作品である「ナンバーゼロ」を
巡る話になります。
ジャクソン・ポロックの
詳しい描写がされているので、
ジャクソン・ポロックに関しての、
今まで知らなかった側面を
知ることができ、
『アノニム』を読みながら、
より美術作品が好きになり、
興味を持つようになりました。
原田マハ『アノニム』 芸術の才能に目覚める高校生
『アノニム』では、
アーティスト志望の高校生の、
張英才の芸術の才能が
物語のカギとなります。
英才は、先ほど説明した、
ジャクソン・ポロックの画風と
同じような作品を生み出します。
この英才の作品が物語にとって
とても重要な位置をしめてきます。
この英才がジャクソン・ポロックの様な
画風を生み出し、
芸術作品として残すという場面がくれば、
多くの読者がジャクソン・ポロックの
「ナンバーゼロ」と英才の作品を
入れ替えて、
怪盗団が盗み出すということは
すぐにわかると思います。
しかし、なかなかその才能が認められず、
自分に自信が持てなかった英才が、
ジャクソン・ポロックと
同じ様な画風の絵を書くことが
できると分かって、
無我夢中で絵に向き合う姿勢は、
とても応援したい気持ち
になりました。
なんだか、
何にも長所がないって思う人でも、
隠れている才能があるかも
しれないと思い、
ちょっと元気にもなりますね。
原田マハ『アノニム』 ハラハラする盗賊団の活躍
怪盗団がジャクソン・ポロックの
作品やその他の絵画を盗む
という描写は、
読んでいる時とても
ハラハラしました。
実際に怪盗団の作戦通りに
行っているにもかかわらず、
所々、なんとかギリギリ成功
したというような場面が登場するので、
読んでいて飽きずに、
ずっと緊張しっぱなしでした。
さすが、多くの作品で高い評価を
得ている原田ハマさんだな
と感じました。
怪盗団のメンバーの能力の高さにも、
読んでいて
とてもワクワクしました。
怪盗団それぞれが
特定の分野で秀でていて、
その技術を惜しみなく使って、
怪盗を行なっている描写は
ワクワクしながら
読むことができました。
自分にもこんな才能が
あるといいなと、
読んでいて何度も思いました。
『アノニム』全体を通して、
話のテンポが早く、
怪盗している描写は
とても緊張感があり、
思わずのめり込んでしまう
様な小説で、
とても楽しめます。
ぜひ、読んでみてはいかがでしょうか。
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