今回ご紹介する一冊は、
佐島勤（さとう つとむ） 著
『魔法科高校の劣等生(2) 入学編<下> 』
です。
『魔法科』はライトノベル好きなら
誰でも知っていると言っても
過言ではないほどの人気作です。
その人気シリーズが今年の9月に
発売される32巻で完結します。
これを機に『魔法科』を知ったという方も
少なくないかもしれません。
全32巻とがっつり読めるので、
最近知ったという方もぜひ読んでみてください。
また、今年の10月にアニメ第2期が
放送される予定なので、
アニメと一緒に原作も追いかけたいと
いう方にもおすすめの作品です。
目次
佐島勤『魔法科高校の劣等生(2)』あらすじと見どころ
どこか達観したような面持ちを見せる劣等生の兄と、彼に肉親以上の想いを抱える優等生の妹。一組の血の繋がった兄妹が、魔法科高校へ入学した。 成績優秀、才色兼備な妹・深雪が、主席入学生の慣例として魔法科高校の生徒会にスカウトされた。そして兄・達也も、とあるトラブルを払いのけた事件をきっかけに、違反行為を取り締まる風紀委員にスカウトされる。 劣等生《ウィード》にもかかわらず、風紀委員メンバーとなった達也。その活動中に、この学校を人知れず侵食する、謎の組織の存在を感じ取る。
2巻は1巻に引き続き入学編となっています。
実際入学して間もないですが、
入学編とは名ばかりで達也たちは
怒涛の日々を過ごしていきます。
入学そうそう風紀委員へ加入した達也は、
部活動の勧誘週間に次々と起こる騒動
を収拾していきます。
その中でも重要となってくるのは、
1巻の最後に起こった剣道部と剣術部の騒動です。
この騒動を完璧におさめたのをきっかけに、
達也は多くの人に目をつけられてしまいます。
中にはよくない目のつけ方をしている人もいて、
達也は学内だけにはとどまらない問題へと
巻き込まれてしまいます。
達也やその周りのキャラクターたちは
この問題をどのように解決するのか、
これらが2巻の見どころとなっています。
佐島勤『魔法科高校の劣等生(2)』魔法を使った戦闘
2巻では魔法を用いた戦闘が
ちゃんと出てきます。
というのも、1巻における達也と
服部副会長の戦いは一瞬すぎて
戦闘ともいえないようなものでした。
しかし今回は達也だけでなく、
いろんなキャラクターが戦闘を行います。
中でも注目となるのは、
剣道部の壬生先輩と、
達也のクラスメイトである千葉エリカの戦いです。
二人は武道を得意としていて似た戦い方をします。
そんな二人がどんな決着をつけるのか、
重要なシーンの一つでもあります。
個人的に印象に残っている戦闘は
西城レオンハルトの脳筋的な戦いです。
レオは見るからに力でごり押すタイプですよね。
その期待を裏切らない戦いぶりはとても好きです。
もちろん、達也や深雪の圧倒的な力
による戦闘も『魔法科』の醍醐味ですので、
お楽しみに。
1年生の劣等生とは思えない達也の行動
本作の主人公である司波達也は、
その達観した性格や圧倒的な実力により、
常に物事を回しているような節があります。
今回も同様に生徒会長の七草先輩や、
見るからに強そうな十文字先輩らと
一緒に事件解決をしているにもかかわらず、
1年生の２科生でかつ
入学したての達也の発言が、
自然と力を持っていて、
その判断に先輩を含めたみんなが
ついてきたりします。
一般的な高校１年生を想像してみると、
この現象の異常さがさらに際立つと思います。
実際、作者の佐島勤先生も魔法科高校に
通っている人はみんなイレギュラーな人たちだ
と言及していますが、
達也は群を抜いてイレギュラーだと感じます。
そのイレギュラーな主人公が
正当を押しのけて活躍する姿もまた、
本作の魅力だと言えます。
タイトルから外れないストーリー展開
今回の一通りの事件は、魔法適性の強さ、
ひいては優等生や劣等生という生徒たち
の認識が大きくかかわってきます。
それは作品のタイトルにもある通り、
本作のキーワードとも言えます。
その大事な部分を序盤からストーリーに
しっかりと絡めてくるあたり、
作者の腕として素晴らしいなと思いました。
最近のライトノベルは、
やむなくタイトルがあらすじのようになっていますが、
本作は読み進めるほどたしかに
『魔法科高校の劣等生』だなと思います。
そんなタイトルとストーリーが
とても噛み合っている作品だと、
2巻をもってして既に感じました。
最終巻の発売や、テレビアニメの放送が
間近にさし迫った作品です。
いいタイミングですので、
1巻だけでなく2巻以降も
お手に取ってみてはいかがでしょうか。
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