柏井壽『鴨川食堂』本のあらすじと感想!京都が舞台の心があたたまる思い出料理

 

今回ご紹介する一冊は、

柏井 壽(かしわい ひさし)

『鴨川食堂』です。

 

『鴨川食堂』は2013年に発表された

連作短編集シリーズです。

作者柏井壽は映像化されることを念頭において、

俳優もイメージされていたということです。

2016年にはテレビドラマ化もされており

8回シリーズで放送されたので

記憶にある方も多いのではないでしょうか。

ドラマを観て気になり原作を読み始める人や、

ドラマ化されてイメージ通り、

イメージと違うなど様々ですが、

ほっこりして、ちょっぴりの謎解きは、

原作でもドラマでも健在です。

この『鴨川食堂』は柏木圭一郎のペンネームで

小説を執筆していた著者がかつて

東本願寺近くに実在した食堂を

モデルに描かれたとされています。

実際の建物をモデルに書かれているので、

町並みにとけるようにある『鴨川食堂』の様子が

リアルに浮かんできます。

店主『鴨川流』のおいしそうな数々の料理と

推理に身を任せてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

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さまざまな思い出の料理を元警察官の店主が再現する

 

読むとお腹が空く、ハートフルストーリー!

京都・東本願寺の近くにあるというその食堂には看板がない。食堂を切り盛りするのは、鴨川流とこいしの親子二人。この食堂では、もう一度食したい食べ物の味を少ない手がかりから再現してくれるという。店に辿り着く手がかりはただひとつ、料理雑誌に掲載される<“食”捜します>の一行広告のみ。
「鯖寿司」「ビーフシチュー」「鍋焼きうどん」「とんかつ」「肉じゃが」「ナポリタン」の思い出と味を求めて、六人の客が訪れる。

 

舞台は京都。

東本願寺のそばにある『鴨川食堂』

鴨川流とこいしという父娘2人で

店を切り盛りしています。

この店は看板が存在せず知る人が知るお店で、

料理雑誌に1行広告『食、捜します』と

雑誌掲載しているように普通の食堂であり、

思い出の味を探してほしい人の依頼を受ける

食堂兼探偵事務所でもあります。

依頼者はこの一行の広告だけを

頼りに店にたどり着きます。

一行だけの広告に首をかしげる人たちに

「ご縁があれば、たどり着ける」という

店主の流は元警察官で、

昔取った杵柄のごとく依頼者の探している味

を捜し出してきます。

それとその味を再現してしまう料理の腕前

には感服してしまいます。

今回依頼される捜してほしい『食』は

『鍋焼きうどん』『ビーフシチュー』

『鯖寿司』『とんかつ』

『ナポリタン』『肉じゃが』です。

亡き妻が作ってくれた鍋焼きうどんの味。

プロポーズのビーフシチュー。

小さい頃に食べた鯖寿司、離婚した夫のとんかつ、

おじいちゃんと旅行した時に食べたナポリタン、

実母が肉じゃがと今回も依頼者の

記憶の中の料理を流が捜し出し再現していきます。

 

 

 

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都の四季の彩と料理の彩が美しい

 

依頼者が鴨川食堂を訪れた際に出される

「おまかせ」は四季折々の京都の食と彩が

盛り付けられていて、

思わず『食べてみたい~』と思ってしまいます。

金額は依頼の報酬とともに支払うことになりますが

果たして金額はいくら支払えばよいのか迷います。

鴨川食堂は東本願寺のそばにあるとされていて、

訪れたことがある人は『あぁ。あそこかな?』

想像できるのも物語にさらに色をつけてくれます。

『鯖寿司』では依頼者が幼い頃の思い出

とともに語られますが、

依頼者の職業などは謎に包まれたまま

物語は終わりを迎えます。

物語中でスケジュールが分刻みであるような様子と、

迫力のある口調や物腰などから想像すると

政治家や総理大臣を想像してしまいます。

店主が新聞を読んいて消費税増税に関して

渋い顔をしているので、

やはり政治家なのかもしれません。

鯖寿司が依頼者にどのように関連するか、

再現された鯖寿司を食べた後で依頼者は

今後どのような日々を送るのか、

そのようなことを想像しながら

読み進めることも

『鴨川食堂』の楽しみ方になる

のではないでしょうか。

 

 

 

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思い出の料理は愛と優しさに包まれている

 

『第五話 ナポリタン』では、

おじいさんと旅先で食べたナポリタンを

もう一度食べたいという依頼者が鴨川食堂を訪れ、

普段私たちが目にするナポリタンとは違い

鉄板に盛られて黄色ぽかったと依頼者は言います。

再現されたナポリタンを依頼者にだして

店主は口にします。

 

「おいしいものを食べたら涙がでるようになった。それも同じ理由やと思います。おそらく、旨いもんを食う楽しみだけやのうて、感謝する気持ちやとか、大切なことをお祖父さんが教えはったんやないですかな。それが無意識にあなたの記憶の片隅に残ってたんでしょう」

 

その店主の言葉に頷かずには

いられないものがあります。

『第6話 肉じゃが』では継母に対して

よい感情を持っていない少しだけ高慢な

青年のお話です。

実母と継母の青年を思う愛にあふれた

肉じゃがの話を店主から聞いて、

青年は継母に今度は優しくすることが

できるといいなぁと願ってしまいます。

料理には食べた人や背景やその時の思い

宿り記憶となるのだと

『鴨川食堂』を読んで気づかされます。

もし鴨川食堂で思い出の料理を再現出来たら、

あなたはどんな料理を選びますか?

 

 

 

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