北森鴻『共犯マジック』あらすじと感想!一気読み必至のおすすめ作品

 

今回ご紹介する一冊は、

北森 鴻(きたもり こう)

『共犯マジック』です。

 

著者「北森鴻」は

数々の推理小説を世に送り出し、

各シリーズにはファンも

多い推理小説家です。

 

1995年には『狂乱廿四考』で

鮎川哲也賞を受賞、

『花の下にて春死なむ』では

第52回日本推理作家協会賞・短編

および短編連作部門を

受賞しています。

 

骨董や民俗学などの分野を

得意としていて民俗学を

舞台にした

「蓮杖那智フィールドリサーチシリーズ」

また骨董を舞台にした

「旗師・冬狐堂シリーズ」

などがあります。

 

他にも人気シリーズに

「香菜里屋シリーズ」

「テッキ&キュータシリーズ」

「裏京都シリーズ」

「佐月恭壱シリーズ」などがあり

たくさんのファンを

獲得しています。

 

残念なことに著者は

2010年に心不全で

亡くなっています。

48歳という若さでした。

 

これから益々活躍しただろう

著者の新作を読むことが

できなくなりとても残念ですが、

今まで著者の発表した作品は

時が経っても私たちを

魅了し楽しませてくれています。

 

 

 

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北森鴻『共犯マジック』 結末まで一気に読ませる!まさに『マジック』

 

 

人の不幸のみを予言する謎の占い書《フォーチュンブック》。偶然入手した七人の男女は、運命の黒い糸に絡めとられたかのように、それぞれの犯罪に手を染める。錯綜する物語は、やがて驚愕の最終話へ。連作ミステリーの到達点を示す傑作長篇。

 

 

今回紹介する『共犯マジック』

2001年に発表された連作短編集

でベストセラーに

なっています。

 

舞台は昭和の時代。

 

「フォーチューンブック」が

若者たちの間で

爆発的にヒットします。

 

このフォーチューンブックは

人の不幸ばかりを予言し、

瞬く間に自殺者が多発する

という社会現象に発展し、

発売禁止になりました。

 

売れ残りの

フォーチューンブックを、

ある書店で同じ日に

たまたま偶然に入手した男女7人が、

運命の黒い糸で紡がれるように

不幸な出来事や犯罪に

手を染めていきます。

 

ひとりひとりの物語が

短編形式で綴られていき

そのそれぞれの出来事が

「昭和に残る大事件」

にも繋がります。

 

この昭和に起きた事件は

誰でも一度は耳にしたこと

がある事件で、

事件内容を改めて

知りたくなります。

 

最後には個々の出来事が

一本の線でつながるので、

登場人物の名前を記憶して

プロローグをしっかり読んで、

読み進めていくことを

お勧めします。

 

各箇所に散りばめられた伏線を

見事に回収しながら

驚愕してしまうラスト

に持っていく著者の手腕は

見事としかいえません。

 

 

 

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北森鴻『共犯マジック』 人生を狂わせるフォーチューンブック

 

たまたま発売禁止に

なっている

「フォーチューンブック」

をある書店で見つけて

偶然手に取る登場人物たち。

 

軽い気持ちで手に取った者、

目的があって手にした者

それぞれなのですが、

手に取ってしまったら最後、

不幸なことだけを予言する

「フォーチューンブック」

の威力が発動します。

 

そして何も関係していない、

つながりのない登場人物が

黒い糸でつながれて行く様

は何とも暗い気分に

させられます。

 

そして登場人物の運命を

昭和に残る大事件と

とも絡み合い、

大きく狂わせ始めます。

 

連作の形式を取っていますが、

少しずつ読み進めるよりも

一息に読み終えたほうが

登場人物の関係図や

時代の流れがよくわかる

と思います。

 

時代は昭和、

昭和に起きた歴史にも

残るであろう大事件は

記憶にあり、

その事件がどのように

絡んでくるかも

この本の魅力のひとつ

ではないでしょうか。

 

実際の事件を著者の巧みな

筆さばきで描かれるさま

はまさに、

稀代のストーリーテラー

北森鴻といった

ところでしょうか。

 

 

 

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北森鴻『共犯マジック』 絡み合う歴史に残る事件と登場人物

 

この物語には昭和の歴史に

残る大事件が、

不幸だけを予言する

フォーチューンブック

によって引き起こされて

いきます。

 

犯罪に手を染める登場人物

たちは

フォーチューンブックの

影響で悪に手を染めたのか、

それとも

もともと心に潜んでいる悪が

発動してしまったのか

どこか薄暗くぞくっとします。

 

プロローグ・原点から

怒涛のように不幸と事件が

連鎖し

最後の『共犯マジック』

たどり着く様子は

まさにマジックを

みているような感覚です。

 

ラストで見事に伏線が回収され、

一本につながった時は

思わず「あぁ!」と

声をあげてしまいそうに

なります。

 

もし現代に不幸ばかりを

予言する

「フォーチューンブック」が

あったらどうしますか?

 

手に取る勇気はありますか?

そう考えると予言という魔力

に吸い込まれそうになるような、

いやいや、不幸になるのは

勘弁してほしいから、

手に入れるのを寸前で

踏みとどまるような

不思議な心持になります。

 

昭和の出来事、

大事件を絡めた

『共犯マジック』を

登場する出来事を

思い出しながら

是非読み進めてください。

 

最後に・・・

500円がお札から硬貨に

変わった時のこと

覚えてますか?

 

 

 

 

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