吉本ばなな『吹上奇譚(ふきあげきたん)第一話』あらすじと感想!おすすめ文庫本

 

今回ご紹介する一冊は、

吉本ばなな

『吹上奇譚 第一話 ミミとこだち』

です。

 

著者「吉本ばなな」は

一度は誰でも名前を

聞いたことがある

というくらい

有名な人気作家です。

 

名前がわからなくても

『キッチン』や

『TUGUMI』という

作品名は聞いたことが

あるでしょう。

 

映像化、翻訳化も

されています。

 

『TUGUMI』は

1989年の年間ベストセラー

の総合1位になっており、

 

『キッチン』は同年の

年間ベストセラー総合2位

を記録しました。

 

これだけでも

大変な人気作家と

いうことがわかります。

 

また著者の父は

批評家・詩人の

「吉本隆明」氏、

姉が漫画家の

「ハルノ宵子」です。

 

以前は「よしもとばなな」と

ペンネームが

ひらがなだったのを

記憶していますが、

 

ひらがなでの表記は

2015年まででそれ以降は

「吉本ばなな」と

なったようです。

 

今までの作品を

読み続けている人も

初読みの人も

ぜひ作者が

「ファンタジー」

と評する

『吹上奇譚 第一話 ミミとこだち』

を読んでみては

いかがでしょうか。

 

 

 

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吉本ばなな『吹上奇譚 第一話 ミミとこだち』 主人公とともに心の旅をする

 

双子のミミとこだちは、何があっても互いの味方。交通事故で父を失い母が寝たきりになってから、二人で支え合いながら生きてきた。しかしある日、こだちが突然失踪してしまう。交通事故の原因、異世界人、屍人、夢見の才能、そしてこだちの行方……。故郷吹上町で明かされる真実が、ミミの生来の魅力を目覚めさせていく。唯一無二の哲学ホラー、開幕。

 

 

今回紹介する

『吹上奇譚 第一話 ミミとこだち』

はある歌詞が冒頭に

書かれています。

 

そこから読者を不思議な

世界へ誘います。

 

遠い昔異世界とつながりを

持っていた「吹上町」。

 

異世界の血を引き継ぐ

主人公の「ミミ」と「こだち」。

 

両親が事故に遭い、

父は亡くなり、

母は命は助かりますが

眠り病に陥り眠ったままです。

 

姉妹は東京に移り住み

そこで平穏な日々を

過ごしていましたが、

 

育ての親の元に帰省した

妹こだちが行方不明に

なります。

 

眠り病からママを救うと

姿をけしたこだち。

 

姉ミミは行方不明になった

こだちを探し始めます。

 

ミミはこだちを探しながら

様々な人と会い、

心の内と向き合いながら、

自分らしさを

取り戻していきます。

 

育ての親でアイス屋さんの

コダマさんや素敵な花束

を作る墓守くん。

 

もさもさの野獣のような

勇など優しくて

あたたかい人たち

とミミはかかわりながら

物語は進んでいきます。

 

異世界とつながっていた通路

が閉ざされてもまだ残り、

風土病がまだあり、

 

不思議な伝承な残る

「吹上町」でミミは無事に

こだちを救い出すことが

できるのか、

母を救うことができるのか、

 

まるでミミと行動を

共にしているかのように

読み進めることが出来ます。

 

 

 

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吉本ばなな『吹上奇譚 第一話 ミミとこだち』 甘いだけのファンタジーではない

 

ミミはまず

「吹上町」に戻り、

占いの館に妹こだちの消息

を占ってもらうため訪れます。

 

そこでミミが言われる

言葉に読者も

何かを気づかされる

ようなものがふくまれていて、

ハッとさせられる人も

いるのではないでしょうか。

 

著者は生涯追及する

大きなモチーフとして

「死」を何度も取り上げ、

テーマとしてこの世の

神秘全体を

扱っているそうです。

 

その世界観がこの

『吹上町奇譚』でも

取り上げられている

と思います。

 

姉妹の母の

「眠り病」「父の死」

などです。

 

「哲学ホラー」と

本書は呼んだほうがよい

と言われていましたが、

 

どちらかといえば

「哲学ファンタジー」

のほうが

ふさわしい印象を

持ちました。

 

ホラー要素や

ドロドロしたものは

感じられず、

 

もしかしたら

この吹上町はどこかに

存在しているのでは?

と思わせてくれます。

 

そしてどこかに現実感が

漂っていて決して甘いだけの

ファンタジーではないと

思わせるところが

「吉本ばななのファンタジー」

といったところ

でしょうか。

 

 

 

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吉本ばなな『吹上奇譚 第一話 ミミとこだち』 あたたかく優しい人々たち

 

主人公のミミは

妹こだちを探すうちに、

自分の胸の内と

向き合うように

なります。

 

不安と罪悪感から

町を逃げ出し都会で

忘れたふりをして

日々を過ごしてきたこと、

 

そのことに

気づき受け入れて、

少しずつ自己を解放

していくミミの変化や、

 

その中で気づいた幸せなど、

ミミの気持ちが

解放されて明るい未来に

向かって歩みはじめる

につれて、

 

こちらまで明るい気持ちに

なっていくような感じ

がしました。墓

 

守くんが作る

小さなコサージュが

ミミに光を与えたように、

 

墓守くんの祈る思い、

悼む心、

鎮める行いが読む人の心にも

届くのではないかと

思います。

 

そして町の匂い、

草の匂い、

肌や土の匂い、

見下ろす町の風景、

 

空の色など五感でも

感じることができ、

読書に彩を

そえてくれます。

 

「色褪せた世界の中でただひとつの色がついている何か新しいものの気配。それがあれば人は朝日を楽しみにできる。そういうもの。」

 

この一文が表すように

この『吹上奇譚 第一話』

読む人のタイミング、

心の状態などで響く言葉や

感じる者がそれぞれに

違ってくると思います。

 

1年後、3年後に

読み返したときに

何を感じるか、

響くか楽しみになります。

 

2019年には

『吹上奇譚 第二話 どんぶり』

も発表されていますので、

 

本書を読んで気になる方は

是非手に取ってみては

いかがでしょうか。

 

 

 

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