【書評】アルネ・ダール『時計仕掛けの歪んだ罠』あらすじと感想!スウェーデン売上1位の本

 

今回ご紹介する一冊は、

アルネ・ダール

『時計仕掛けの歪んだ罠』

です。

 

本作の著者はスウェーデンを

代表する小説家で、

犯罪小説を中心に執筆されています。

 

映像化されている人気作もあり、

日本語訳の小説も

出版されています。

 

読者を夢中にさせる完成度

の高い物語は、

スウェーデンや北欧のみならず

日本でも注目を集めています。

 

日本で販売された本作は、

田口俊樹(たぐちとしき)さん

という翻訳家によって

日本語訳されています。

 

とても読みやすい翻訳で、

主人公の心理描写や風景などの

細かな様子が丁寧に

表現されています。

 

著者が綿密に練り上げた

ストーリーがとても繊細に

訳されていて、

さらに物語の魅力が伝わってきます。

 

注目の小説のあらすじと

見どころを

ご紹介させていただきます。

 

 

 

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アルネ・ダール『時計仕掛けの歪んだ罠』 連続少女失踪事件

Arne Dahl (原著), アルネ ダール (著), 田口 俊樹 (翻訳)

 

スウェーデン売上1位の傑作犯罪サスペンス

15歳の少女3人の連続失踪事件を追うベリエル。目撃の通報を受けて急行するも、3度とも現場はもぬけの殻で、彼は苛立ちを募らせていた。事を荒立てたくない上司の警告をよそに、殺人事件だと確信し捜査に執念を見せるベリエルはやがて、それぞれの現場写真に映る不審な女に目をつける。緊迫の攻防、息を呑む逆転劇、衝撃の真相……。ここまで目を見張る取り調べシーンがかつてあっただろうか。ページをめくる手が止まらない、スウェーデンNo.1ベストセラーの傑作犯罪サスペンス!

 

物語の主人公は、

犯罪捜査課の警部サム・べリエルです。

 

彼が捜査に当たったのは、

スウェーデンで立て続けに

起きている少女の失踪事件でした。

 

1年半ほどの間に起きた失踪事件

の被害者は皆、

15才の少女たちでした。

 

物語の冒頭は、

べリエルたち警察が

犯人が住んでいると思われる

民家に突入する場面

からスタートします。

 

雨の中の緊迫した彼らの

気配がひしひしと

伝わってくるシーンで、

読者は出だしから

物語に引き込まれます。

 

ところが突入してすぐに

仕掛けられていたトラップにより、

仲間の警察官が腕を負傷します。

 

どうやらタダ者ではなさそうな犯人。

 

犯人の計画性を感じて、

べリエルたちは慎重に民家に

足を踏み入れます。

 

そして隠された部屋へと

続く場所を見つけます。

 

部屋にあったのは

息を呑むような光景です。

 

絶望的に思える光景ですが、

ともに踏み込んだべリエルの

同僚女性ディアは、

誘拐されたばかりの少女エレン

がまだ生きていると確信します。

 

べリエルはその後も部屋を訪れ、

事件に関係していると思われる

〝時計の歯車〟のような物

を発見します。

 

民家に潜入するきっかけと

なった謎の女からの通報の電話。

 

やがてこの通報が虚偽の通報

だったことがわかり、

べリエルは女の正体を

突き止めることも含め、

事件の捜査を独自の視点

から行っていきます。

 

 

 

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アルネ・ダール『時計仕掛けの歪んだ罠』 仕掛けられた多くの罠

 

3件の少女失踪事件のうち

2件は若いカップルの駆け落ち

として片付けられていました。

 

しかしべリエルは同一犯による

連続誘拐事件だと断定します。

 

自らの刑事としての勘に

自信を持って突き進もうとする

べリエルを支える仲間も

たくさんいて、

べリエルの指示に迅速に

対応してくれます。

 

とくに同僚のディアとの掛け合い

はテンポが良くて

信頼関係が伝わってきます。

 

べリエルたちの行動力から

物語はスピーディに展開していき、

気づけば夢中でページを

めくっていました。

 

少女誘拐の凄惨な事件なので、

重たい気分になってしまう

場面もあります。

 

それでも物語自体が興味深い構成

で読者を引き込む腕が

すごいと感じました。

 

やがて事件は当初の予想とは

全く違う方向へ展開していきます。

 

べリエル自身もいくつもの罠

にハメられていき、

読者も彼と同時に

裏切られていきます。

 

 

 

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アルネ・ダール『時計仕掛けの歪んだ罠』 「時計」と「歯車」に注目

 

物語の鍵を握る

「時計」や「歯車」というワード。

 

べリエル自身が異様な時計好き

という点も逃さず注目して

ほしいポイントです。

 

冒頭シーンも含めて、

雨のシーンが多く

登場するのも印象的です。

 

そして所々差し込まれる

何者かの幼少期の出来事。

 

この何者かの幼少期にも

実は深い闇が隠されていて、

事件と切っても切り離せない

重要な部分となります。

 

テンポよく様々な場面が

登場するので、

退屈することなく

読み進めていくことができます。

 

事件の真相は想像を遥かに

超えていて、

あまりの壮大なストーリーに

気持ちが追い付かなくなる

かもしれません。

 

 

ラストまで衝撃の展開が

用意されていて、

緊張感に溢れた気が抜けない

物語となっています。

 

ぜひ田口さんの翻訳にも

注目して読んでいただきたいです。

 

背筋がゾクッとしてしまう

注目のサスペンスを

ぜひ手に取ってみてください。

 

 

Arne Dahl (原著), アルネ ダール (著), 田口 俊樹 (翻訳)

 

 

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