垣谷美雨『老後の資金がありません』本のあらすじと感想！映画化(中公文庫)

 

今回ご紹介する一冊は、

垣谷 美雨（かきや みう）著

『老後の資金がありません』

です。

 

ノンフィクションか

と思うほど、

老後資金についての悩みや

出来事がリアルに

描かれた小説です。

 

あとがきでは

室井佑月さんも

「こういう本が読みたかった」

と書いていますし、

 

発行20万部突破で

映画化も決まったほど、

誰もが「早めに知っておきたい」

と思う老後のリアル。

 

老後2,000万円問題が

いまだに取り沙汰される中で、

老後に少しでも不安が

ある方はぜひ読んで

おくべき本です。

 

 

 

 

 

 

垣谷美雨『老後の資金がありません』 典型的な日本の家庭の金銭事情

 

「老後は安泰」のはずだったのに！　後藤篤子は悩んでいた。娘の派手婚、舅の葬式、姑の生活費……しっかり蓄えた老後資金はみるみる激減し、夫婦そろって失職。家族の金難に振り回されつつ、やりくりする篤子の奮闘は報われるのか？　ふりかかる金難もなんのその、生活の不安に勇気とヒントをあたえる家計応援小説。

 

 

夫婦に子供２人の４人家族。

子供たちが結婚して

家を出ていった後は

夫婦ふたりで

のんびり老後生活。

 

そんなストーリーが、

日本の典型的な

家庭のあり方かと思います。

 

本書はそんな典型的な家族

に降りかかるお金の問題を

描いた作品です。

 

娘ひとり、息子ひとりの

とある家族。

 

老後も心配なく

生きていけるようにと

それなりに貯金をしてきた嫁。

 

ところがある日、

娘が結婚資金を

援助してほしい、

 

その費用は

両家折半で300万円ずつ、

という話が出てくるところ

からストーリーが始まります。

 

老後のために貯めた

生活資金を取り崩せば

払えないことはないけれど、

 

そんなに簡単に取り崩して

後々困ることはないのか？

 

そもそも結婚式に600万円も

するのは高すぎないか？

 

そんなことに悩みながらも、

結局は娘のお願いどおり

300万円を払うことに。

 

ところがその後、

次々と物入りな出来事

が襲い掛かり、

 

老後資金はあっという間に

減っていきます。

 

旦那はお金には無関心で、

そのくせ嫁に頼めば

お金はいつでもなんとかなる

と思っています。

 

子供たちはそれぞれ独立して

家を出ていくものの、

親の心配は尽きません。

 

親族は親族で、

みんなさまざまな事情や

感情を抱えています。

 

頭の痛い問題が山積みの中、

どうやって嫁はこの状況を

切り抜けるのか。

 

その答えは明確には

描かれていませんが、

嫁が奮闘する姿は

同じ悩みを持つ人、

 

あるいは老後を

心配している人には

参考になるのではないか

と思います。

 

 

 

 

 

 

垣谷美雨『老後の資金がありません』 お金の悩みって相談しにくい

 

本作品を読んで

一番に感じたことは、

「お金が絡んだ相談や

コミュニケーションは難しい」

ということです。

 

例えばストーリーの中では

冠婚葬祭で費用がかさみ

嫁が悩むシーンが出てきます。

 

「これってこんなに

費用がかかるものなの？」

と思っても、

旦那は「そんなものだろう」と言うし、

しかも面子を守りたい人なので

少しでも安くしたいという

発想は皆無。

 

親しい友人に相談しようにも、

お金の問題なので

センシティブだし

状況や価値観が違うので難しい。

 

親族はたまにしか

顔を合わせないので

本音のやりとりにならない。

 

これって誰の身にも

よくあることではないかな、

と思います。

 

思い切って友人に

相談出来れば、

もっと節約する方法が

見つかるかもしれません。

 

親族にも遠慮せず

本音をぶつけてみれば、

主張の裏にある事情や

感情が見えるかもしれません。

 

そんなに簡単に

相談できれば苦労しない、

というケースが大半かも

しれませんが、

 

「お金の問題はつい

一人で抱え込みがち」

ということに気付けるだけでも

やりようは変わってくる

のではないかなと思います。

 

 

 

 

 

 

垣谷美雨『老後の資金がありません』 貯めるだけでなく増えるしくみを作りたい

 

本作品では、

嫁は老後のために

せっせと貯金をしていました。

 

ところが娘の結婚を期に、

予想しない出来事により

貯金はどんどん

減っていきます。

 

さらには仕事もクビになり、

貯金を増やす手段が

閉ざされてしまいます。

 

そんな様子を見ていると、

老後のために貯金は

もちろんですがそれに加え、

 

貯金を増やす方法を

いかに多く持っておくかが

大切なのかな、

と感じます。

 

ストーリーの後半では、

嫁とその義母がタッグを

組んである行動を起こします。

 

それはリスクはあるものの

報酬が期待できる行動。

 

これはある意味、お金を

増やす方法のひとつでしょう。

 

その行動が良いか悪いか

は別として、

お金を増やす方法を知っている、

 

いざというときに目先の

生活資金くらいは

なんとか生み出せる、

 

ということはかなり大きな

アドバンテージになる

のだろうと思いました。

 

アーリーリタイアを

目指そうなどとよく言われる今、

 

貯金を増やす方法の

王道は株式投資や投資信託など、

貯金そのものに働いて

もらう方法かなと思います。

 

こういった方法を含め、

労働による報酬以外にも

「お金が増えるしくみ」

を作っておきたいな、

と思います。

 

 

 

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