武田綾乃『愛されなくても別に』本あらすじと感想!表紙も印象的

 

今回ご紹介する一冊は、

武田綾乃

『愛されなくても別に』

です。

 

武田綾乃さんは

『今日、きみと息をする』で

2013年にデビューされた方です。

 

代表作に、

『響け!ユーフォニアム』シリーズ、

『君と漕ぐ』シリーズ、

等があります。

 

2019年(平成31年/令和元年)に

『その日、朱音は空を飛んだ』で

第40回吉川英治文学新人賞候補

になりました。

 

 

 

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武田綾乃『愛されなくても別に』 武田綾乃さんの新作 これまでの作品との違い

 

 

時間も金も、家族も友人も贅沢品だ。

「響け! ユーフォニアム」シリーズ著者が、息詰まる「現代」に風穴を開ける会心作!

遊ぶ時間? そんなのない。遊ぶ金? そんなの、もっとない。学費のため、家に月八万を入れるため、日夜バイトに明け暮れる大学生・宮田陽彩。浪費家の母を抱え、友達もおらず、ただひたすら精神をすり減らす――そんな宮田の日常は、傍若無人な同級生・江永雅と出会ったことで一変する!

愛情は、すべてを帳消しにできる魔法なんかじゃない――。
息詰まる「現代」に風穴を開ける、「響け! ユーフォニアム」シリーズ著者の会心作!

 

 

私は今まで

『響け!ユーフォニアム』

シリーズから

武田綾乃さんにハマって

作品を読み始めました。

 

高校を舞台に高校生の青春を

よく描いてる作風です。

 

高校生ならではの

苦悩や人間関係など、

懐かしくなるような

青春ストーリーです。

 

『響け!ユーフォニアム』では

京都の高校の吹奏楽部を

舞台にした

青春ストーリーです。

 

京都アニメーションで

アニメ化され、

そのこともあり多くの

ファンの方が多いと思います。

 

私は今まで

武田綾乃さんの作品の

イメージは青春ものの

イメージだったのですが、

 

今回紹介する作品の

『愛されなくても別に』

では大学生の女の子達が

登場人物の作品です。

 

私はなにも見ずに

書店でこの作品を

買ったのですが、

 

最初は高校の学園ものだと

思って読み始めて

衝撃を受けました。

 

キツイ口調の主人公で

重い現実感のある作品で

今までのイメージとは違う

という衝撃を受けました。

 

 

 

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武田綾乃『愛されなくても別に』 親と子供の関係

 

この作品は前文でも

紹介した通り、

大学生の少女達の絶望を

描いた作品です。

 

浪費癖のある母親を

支え続けた宮田と

母親から売春を

強要されていた江永、

母親の干渉から逃れるために

宗教にハマる木村の

3人の少女達が登場します。

 

いわゆる、彼女達の親は

「毒親」という親です。

 

当然世の中には

そういう人がいる

ということは

知っていました。

 

ですが、どこか遠くの

出来事のようには

感じてました。

 

この作品を読んで

改めてそういう人がいる

という現実を知り、

 

そして、親子との関係、

親からの愛、

について考えました。

 

少女達はそんな毒親を

渋々ながら受け入れて、

時に反発し、親だから

要求に従って

生活していました。

 

その少女達にはその

「毒親」しかいないのですから……。

 

この作品からこれまでに

親が子へ学費を払う、

食べさせる、

 

といったようなことは

当然のことではない、

ということを考えました。

 

当然、各家庭には

それぞれの事情があり

多かれ少なかれ家の手伝いを

することもあると思いますし、

 

親も一人の人間ですから

一概に言い切ることは

できない思います。

 

 

 

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武田綾乃『愛されなくても別に』 変わり始める少女達

 

そんな絶望と孤独の中で

生きる少女達も

変わっていきます。

 

宮田は江永に出会って

変わり始めます。

 

毒親からの独立など、

形はさまざまな形

があります。

 

大学生という立場は

バイトもできる年齢ですし、

もうすぐ社会人としても

独り立ちできる年齢です。

 

ですから、絶望の中でも

これから変わっていける

という少女達の現実に

噛み付いて生きる力を

感じました。

 

タイトルである通り、

『愛されなくても別に』

とあるように、

親は子供に「愛してる」

という言葉で子供の心を

揺さぶります。

 

子供は親の愛に弱いものだ

と思います。

 

誰しも少なくとも

誰かの愛があって

生きてきたと思うからです。

 

それがなくてもいい、

という強がりなタイトル。

 

「毒親」からの愛なんて

いらないということなのか、

 

強がりなタイトルからも

そういった「毒親」に

立ち向かう気持ちを感じます。

 

作中で、

「私は私の人生を生きたい」

って言葉これが最後、

タイトルと比べてみて

ジンワリときました。

 

武田綾乃さんの

これまでの作風とは

違いますが、

 

少女達の生き方や苦悩が

うまく描かれた作品

だったと思います。

 

 

 

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