石井妙子『女帝 小池百合子』感想!2020東京都知事選目前の今こそ読みたい!

 

石井妙子(いしいたえこ)

『女帝 小池百合子』

今とにかく売れに売れているらしいです。

本屋を何軒か回って探しましたが、

どこも売り切れ。

印刷が需要に追いついておらず、

入荷も数日後でその日も1日足らずで

売り切れるだろうとのこと。

紙の本の方が好きな私ですが、

この本は電子版で読みました。

読んでわかります。

恐ろしいけど、もっと知りたい

小池百合子という女。

いや、今後は女帝と言うべきでしょうか。

現在、東京都職員の頂点に立つ人物、

小池百合子。

そして東京都知事選が間近に迫る今、

再選間違いなしと言われています。

都知事選の直前というベストのタイミングで出された

『女帝 小池百合子』

東京都の頂点に立つ人物がどんな人間なのか、

我々は知っておくべきです。

 

 

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恐るべき小池百合子

 

 

コロナに脅かされる首都・東京の命運を担う政治家・小池百合子。
女性初の都知事であり、次の総理候補との呼び声も高い。
しかし、われわれは、彼女のことをどれだけ知っているのだろうか。

「芦屋令嬢」育ち、謎多きカイロ時代、キャスターから政治の道へーー
常に「風」を巻き起こしながら、権力の頂点を目指す彼女。
今まで明かされることのなかったその数奇な半生を、
四年の歳月を費やした綿密な取材のもと描き切る。

 

作者は石井妙子氏。

過去にはその著書が新潮ドキュメント賞受賞、

講談社ノンフィクション賞、

大宅壮一ノンフィクション賞の最終候補に残るなど、

ノンフィクション作品に定評のある女性作家です。

ホリエモンはその著『東京改造計画』の冒頭で、

小池百合子批判をしました。

彼女は東京都の魅力を少しも活かしきれていないと。

しかし、そんな批判が、赤子の頭をなでるほど

生易しいものであると思えるほどに、

『女帝 小池百合子』

に書かれた百合子は衝撃的な人物でした。

石井氏は、3年半の取材をもとに、

この本を書き上げたといいます。

数多くの人物の証言をもとに、

小池百合子という人物の正体を

突き詰めていくのですが、

「こんな人間本当にいるのか?」

と思ってしまうほど彼女の人間性は驚くべきものです。

一言でいえば、サイコパス

上昇志向の塊で、利用できるものは利用し、

必要ないと思ったら切り捨てる。

圧倒的に共感力が欠如している

女性だなというのが、

私の読後の率直な感想です。

こんな内容の本を書いて、

名誉棄損で石井氏は訴えられないのかなと

余計な心配もしてしまいますが、

今だ小池氏にそのような動きは見られません。

それはすなわち、

これが真実であるということなのか。

こんな人物が東京都の頂点にいる。

この事実が恐ろしくなってきます。

小池百合子の育った芦屋という土地、そして父

石井氏の取材は、

小池百合子のその出生から、

現在の都知事にいたるまでを網羅しています。

政党の力関係など、

読んでいて多少難しいなと

思う所はあったのですが、

小池百合子がキャスターになるまでの芦屋時代、

カイロ留学時代、

そして大臣時代のエピソードは驚くべきものばかり。

出身の芦屋にて彼女の基礎が作られ、

カイロ留学でその恐ろしさの片鱗を見せ、

キャスター、

そして国政参加するにて、

完全に女帝に化けていきます。

小池百合子が育った芦屋という土地は、

非常に特徴的な土地のようです。

端的に言えば、圧倒的な上と、

圧倒的な下がいる。

大金持ちもいれば、

明日の食にも困るような貧乏人もいる土地。

その中で、小池百合子が生まれた家庭は、

中の上に位置していました。

その家庭の中で、

彼女にとっては父親の存在が

最も大きかったと言われています。

彼女の父親も、かなり特徴的な人物のようでした。

名は小池勇二郎。

他人からの評は、詐欺師・山師・政治ゴロ。

要は、嫌われ者。

成功者に接近する事が得意で、

著名人・政治家が大好きな人だったようです。

結局は敵わぬ夢で終わるのですが、

自分自身も政治家を目指すような人物でした。

しかし、決して政治家として実現したい理念

があったわけではなく、

その肥大した虚栄心のためです。

成功者にはひれ伏し、おべっかを使い、

自分よりも下の立場には抑圧的な態度を取る。

下の立場からしたら一番嫌われるような人間ですね。

親戚に越後友之介という有力者がいたため、

下の人たちは逆らえなかったみたいです。

この虚栄心は、

芦屋という土地の特殊性により

勇二郎に植え付けられてしまったのでしょう。

確かに勇二郎の性格というのも

多分にあるのでしょうが、

その土地の特徴というのも大きく関係

しているはずです。

圧倒的な金持ちがいる芦屋という土地では、

常に上の立場に行きたい、

絶対に今のレベルよりも堕ちたくない

という思いが強くなるのでしょう。

一度話しただけなのに、

その政治家と懇意であると言いふらしたり、

虚勢をはるためなら

手段は問わずという人物です。

小池百合子は、こんな父親のもとで育ちました。

影響を受けないわけがありません。

 

 

 

 

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上に取り繕い、弱者を切り落とす

 

まさに父親同様、

娘の百合子にも多分にその性格は

受け継がれています。

時の有力者に次々と取り繕い、

旗向きが悪くなればそそくさと離れていき、

元居た場所を批判する。

そして自分よりも下の立場の人間は

利用するだけ利用して切り捨てる。

読んだ中で印象的なエピソードが2つありました。

印象的というよりも、

「この人、ひどすぎる。。」という感想です。

どちらも彼女が国会議員になってからの話です。

彼女が生まれた兵庫県芦屋市は、

1995年阪神大震災の被災地でした。

震災から長い時間がたっても、

被災者の生活は苦しいままです。

芦屋市の女性たちは、

その窮状を訴えようと、

議員会館に小池百合子を訪ねます。

小池自身、阪神大震災を知ったとき

真っ先に現地入りしたと言い、

当時の村山総理の後手後手の対応を批判していました。

台湾やトルコで大規模な地震が起こると、

すぐさま救援物資を送り、

震災を経験した国会議員であることを

アピールしていたのです。

何より、芦屋は彼女の出身地。

何かしらの救いの手を差し伸べてくれると

被災者も思っていたのでしょう。

しかし、窮状を訴える被災者に目もくれず、

小池はずっと俯いてマニキュア

塗り続けていたそうです。

一度として顔は上げずに、

塗り終えるとこう言いました。

 

「もうマニキュア、

塗り終わったから帰ってくれます?

私、選挙区変わったし」

 

上述したサイコパスという表現は、

この話からです。

まったくもって共感性がない。

自分に影響を与えない、

力を持たない人物が自分をどう思おうと関係ない

といった彼女の性は、

サイコパスと言わずに

何と言えばいいでしょうか。

次に、北朝鮮拉致被害者家族とのエピソード。

これは、蓮池透氏がツイッターに投稿した

ことで話題にもなりました。

当時超党派で組織された

「北朝鮮に拉致された日本人を早期に救出するため

に行動する議員連盟(拉致議連)」

に小池百合子も名を連ねていました。

当時の小泉首相が北朝鮮を訪問した際、

横田めぐみさんの死去を知らされた横田夫妻は、

記者会見場で涙に言葉を詰まらせました。

その場面を覚えている方もいるかもしれません。

そこで小池百合子は、

嫌でも目立つ黄緑色のジャケットを着て、

被害者家族の肩を抱きしめ、

涙をぬぐう姿を見せたのです。

弱者に寄り添う女性議員という印象は

メディアを通して流れましたが、

蓮池氏のツイッターが真実であれば、

その人間性を疑わざるをえません。

記者会見終了後、取材陣などが去り

その場には拉致被害者及び

その関係者のみになりました。

すると突然、

小池百合子が大急ぎで戻ってきた

というのです。

彼女は、その場に自分のバッグを

忘れてきてしまったのです。

部屋の片隅でそれを見つけると、

彼女はこう大きな声で言いました。

 

「あったー、私のバッグ。拉致されたかと思った」

 

 

 

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カイロ大卒のスーパーウーマンという小池百合子のストーリー

 

小池百合子は、

自分をカイロ大学卒であると明言しています。

しかし、この本を読む限り、

それはあり得ません。

学歴詐称は明確な公職選挙法違反となります。

いつぞやのショーンKとは比べ物にならない程の、

壮大なほら吹きです。

19歳で小池百合子はカイロに留学します。

そして、4年でカイロ大学を卒業。

一般人から見れば、普通の留学でしょうが、

カイロ大学というところは

アラビア圏随一の大学でらしく、

入るのは比較的容易ですが、

卒業は至難の業とのこと。

そして何よりネックになるのがアラビア語。

口語と文語で全く別の言葉と

言っていいくらい違うらしく、

後々大学教授になるような優秀な人でも、

最低7年はかかると言われています。

この大学を小池百合子は4年で、

しかも首席で、

卒業したというのです。

では小池百合子はアラビア語が堪能だったのか

というと決してそんなことはなく、

全く小池百合子の事を知らないアラビア出身者に、

何の先入観もなく彼女のアラビア語を聞いて

評価してもらうと、

日本でいう中一の英語レベルだそうです。

カイロ時代の小池百合子を知る重要人物として、

早川玲子という女性が何度も登場します。

カイロで小池百合子と同居していた人物なのですが、

その時小池百合子が19歳そこらであった

という事を間引いても、

あまりにも我儘で自分勝手な態度を取り続けます。

早川氏がお人好しすぎるのではと思うくらい

振り回されてしまうのですが、

彼女の証言がこの本の核となっていますので、

是非注目して読んでみてください。

早川氏の小池百合子に関する体験談は、

驚きと言うよりも恐怖すら感じます。

その彼女も、小池百合子のアラビア語は

レベルの高いものではなかったと証言しています。

日本人とばかりつるんでいたようで、

エジプトにいるにも関わらず、

エジプト人を疎ましく思うような

ふしもあったとのことですね。

しかし、小池百合子はカイロから

帰国後キャスターになるのですが、

その時売り文句だったのがアラビア語が

堪能なカイロ大卒の芦屋令嬢でした。

芦屋のお嬢様が、19歳で単身エジプトにわたり、

アラビア圏最難関と言われるカイロ大を卒業した。

しかも首席で!

メディアは飛びつきました。

小池百合子はこの時から、

メディアというものの本質を知りえた

と言われています。

メディアが好むのは、

センセーショナルで分かりやすい言葉や、

見た目だと。

まさに、今の小池百合子そのまま

ではないでしょうか。

 

 

 

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都知事選までに是非ご一読を!

 

この一冊は、

壮大なノンフィクションでした。

しかし、小池百合子自身は、

自分が作り上げたフィクションの中に生きている。

そして出生、カイロ大、キャスター時代、国会議員時代、

そして都政を振り返ると、

自分に都合のいいフィクションを利用して

底知れぬ権力欲を見せ、

弱者は切り捨て権力者に寄り添い

おこぼれに縋っています。

これは本当にノンフィクションか?

小説なんじゃないか?と思うくらいの一冊です。

匿名の証言者が多く登場するので、

多少なりとも事実とは違う点があるかもしれませんが、

小池百合子の印象がガラッと変わりますよ。

私自身、

「今まで結果を出していない、

いち東京都知事 小池百合子」

という印象だったのですが、

読後は完全に「女帝 小池百合子」です。

テレビに映る彼女が、

少し怖くなってきました。

都知事選までに、

一度この本を手に取ってみてください。

 

 

 

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