万城目学『バベル九朔』ドラマは菊池風磨主演!角川文庫あらすじと感想

 

今回ご紹介する一冊は、

万城目 学(まきめ まなぶ)

『バベル九朔(きゅうさく)』です。

 

著者「万城目学」といえば

『鴨川ホルモー』

『偉大なる、しゅららぼん』

『鹿男あをによし』

など有名な作品が多数あり、

とても多くのファンに

指示されています。

 

『鴨川ホルモー』や

『プインセス・トヨトミ』など

 

日常や歴史上の人物や

出来事に非日常性を持ち込む

ファンタジー小説と

なっており、

 

その作風は「万城目ワールド」

と呼ばれています。

 

映像化も多数されており

有名俳優がキャスティングされ

話題となりました。

 

他にも

『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』

『とっぴんぱらりの風太郎』

『パーマネント喜劇』など

多くの作品を世に

送り出しています。

 

故児玉清氏の著作

『あの作家に会いたい』では

故児玉氏とも対談しています。

 

『鴨川ホルモー』『鹿男あをによし』

『偉大なる、しゅららぼん』は

コミカライズ化も

されているので

興味のある方は映像とともに

読んでみては

いかがでしょうか。

 

 

 

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万城目学『バベル九朔』 作家志望の主人公が巻き込まれる世界

 

世界には「無駄」が必要だ。

カラス女、ヘンテコ店舗、夢の結末――雑居ビル管理人を最上階で待つものは?
全編ビルから出ずに繰り広げられる、最狭(さいきょう)かつ最高の冒険譚!

俺は5階建ての雑居ビル「バベル九朔」の管理人をしながら作家を目指している。
巨大ネズミ出没、空き巣事件発生と騒がしい毎日のなか、ついに自信作の大長編を書き上げた。
だが、タイトル決めで悩む俺を、謎の“カラス女”が付け回す。
テナントのギャラリーに逃げこんだ俺は、ある絵に触れた途端、見慣れた自分の部屋で目覚める――外には何故か遙か上へと続く階段と見知らぬテナント達が。
「バベル九朔」に隠された壮大な秘密とは?

 

 

この作品の主人公は

作家志望の27歳の男性、

九朔満大です。

 

3年前まではある

ハウスメーカーの事務職を

していました。

 

満大はある日、小説家

になりたいと退職、

祖父が残した雑居ビル

「バベル九朔」

に移り住みます。

 

この雑居ビルは

祖父から満大の母

(母たち3姉妹は祖父から

画廊などそれぞれに

相続しています)

が譲り受けたものでした。

 

ビルの管理人をしながら

小説を描く日々をおくる満大は、

 

小説家として芽が出ない日々

を過ごしています。

 

ある日ビルの階段で

すれ違った黒ずくめの女

「カラス女」と

出会った時から、

 

満大は不思議な世界へと

巻き込まれていきます。

 

カラス女の正体は、

結局何なのかと

読み終わってからも

気になりますし、

 

祖父がなぜバベルを

作ったか?

店子たちとの関係は?

満大を巻き込む思惑は?

 

とたくさんの疑問が浮かび、

夢がかなう場所や

過去に戻れる場所など

不思議ワールドも

広がっていきます。

 

以前に発表された作品とは

少し趣が違っているようで

「少々難解」などの声

がありますが、

 

この作品も

「万城目ワールド」全開の

作品となっています。

 

 

 

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万城目学『バベル九朔』 主人公のモデルは著者?リアルな作家志望の心情が描かれる

 

この作品の主人公は

3年前までは、

あるハウスメーカーに勤務、

事務職をしていました。

 

突然小説家になる、

と仕事を退職として、

祖父が残した雑居ビル

(現在は主人公の母が

相続しています)

『バベル九朔』に

移り住みます。

 

そして管理人としての

日々を送りながら

小説を書いています。

 

しかし、なかなか日の目を

浴びることは

できていません。

 

主人公の経歴は

だいたいこのような感じ

なのですが、

 

著者はこの作品を書くうえで

自身の体験も元にしたようです。

 

それは、著者は京大法学部を

卒業後に化学繊維会社へ

入社しました。

 

配置された静岡の工場で

経理を担当しながら

小説を書いていました。

 

26歳の時に東京本社への転勤

を言い渡されたのを機に、

小説を書く時間が

削られてしまうことを危惧し、

辞令が出る前に退職し

東京へと移り住みました。

 

2年という期間を決めたものの

きっかけがつかめず、

再就職準備をしていたところに

第4回ボイルドエッグ新人賞

を受賞して

2006年に『鴨川ホルモー』で

デビューしました。

 

主人公をリアルに感じること

が出来るのは、

著者の体験や心情も

多少活用されているから

かもしれません。

 

 

 

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万城目学『バベル九朔』 夢を見ることは無駄なのか否か

 

作品の中では

「過去に戻れる」

「夢がかなう」

場所の場面がでてきます。

 

登場人物のひとりも

出てきて

「もし、あのままあの道に進んでいたら」

と話します。

 

満大は

「もしあの作品を締め切りに間に合わせることができていたら」

 

と想像して

実際にその場面を

見ることが出来ます。

 

それは今一番自分自身が

叶えたいことで、

 

叶えたい夢がある人は誰でも

満大の気持ちが

わかるのではないかなと

思いました。

 

誰でも

「あの道を選んでいたら今頃は」

と一度は考えたことがある

と思います。

 

切望しても届かない

満大の気持ちに、

読んでいてなんだか切ない

気持ちになりました。

 

そして「ここにいる」と

言いさえすれば

この世界は満大のもの

になると言われます。

 

夢がかなう世界が

自分のものになる。

 

とても魅力的な提案ですが、

自分に置き換えると

どうするか。

 

思わず考え込んで

しまいました。

 

ある場面で

「バベル九朔は無駄(な夢)をみている現実世界の人間により塔は伸びてきた」

と説明されます。

 

夢を見ることは

無駄な行為なのか、違うのか、

 

今生きているこの世界も

虚無なのか。

 

満大は現実の世界に

戻れたのか。

 

すっかり「万城目ワールド」

に取り込まれて

しまいました。

 

「万城目ワールド」を

体験したい方は

万城目作品のひとつ

『バベル九朔』を

是非読んでみては

いかがでしょうか。

 

 

 

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