くろきすがや『感染領域』小説あらすじと感想!このミス優秀賞受賞作

 

今回ご紹介する一冊は、

くろきすがや

『感染領域』です。

 

著者「くろきすがや」は

「那藤紘一」と「菅谷敦夫」

の二人による

作家ユニットです。

 

『カグラ』というタイトルで

第16回「このミステリーがすごい!」

大賞の優秀賞を受賞しています。

 

タイトルを『感染領域』と

改題して

2018年にデビューしました。

 

お二人とも学部は違いますが、

那藤氏は東京大学経済学部卒、

須藤氏は東京大学文学部

美術史学科卒業です。

 

『感染領域』の作品を

作るための役割は

藤氏はプロット担当、

菅谷氏が小説家を担当しました。

 

今後は役割を交代することも

あると語っています。

 

この小説の他に

『ラストスタンド 感染領域』

も2020年8月に発表されています。

 

「このミス」で優秀賞を受賞

している作品なので

期待を裏切らない面白さ

間違いなしです。

 

特に理系の方はさらに楽しく、

興味深く読めるのでは

ないでしょうか?

 

 

 

スポンサーリンク

 

 

 

くろきすがや『感染領域』 トマトが謎の枯死 立ち上がる関係者たちと深まる謎

 

第16回(2018年度)『このミステリーがすごい! 大賞』優秀賞受賞作が、文庫版で登場!

トマトが枯死してしまう疫病が九州で流行し、調査に乗り出した植物病理学者・安藤仁。
苗が赤くなるかつてない病変。彼は、怪死した旧友が研究していた決して熟さない青いトマト“カグラ"が、
その奇病に対する特効薬になりうることを掴むが、本人にも危機が迫っていて――。
謎の植物ウイルスが、破滅の導火線に火を放つ! 弩級のバイオ・サスペンス。

 

 

九州の複数の農家で、

トマトが謎のウィルス

に侵されて、

赤現象が発生し

枯死ているので

 

調査に協力してほしいと

依頼され、

主人公たちはまずは

九州地方へ向かい実情を

確かめます。

 

そしてトマト研究者の

主人公の友人が

謎の死を遂げます。

 

主人公はトマトに枯死が

起きる原因と

友人の死の謎を解決するため

に立ち上がります。

 

トマトの枯死、

その原因となったウィルス、

友人の死、友人が

研究していた新種のトマト

をめぐる攻防など

 

少しだけ専門用語を

交えながらも、

最後まで一気に読ませる

「バイオミステリー」

となっています。

 

人がウィルスに感染し

日本中を恐怖に陥れる

という内容をタイトルを

みて想像していましたが、

 

実は感染するのは

「トマト」でした。

 

感染していくのが

人ではなく「トマト」を

選んだことが、

なかなか無い題材だと思います。

 

現実のトマトの栽培方法や

遺伝子の組み換えの方法

など解説されていて、

 

普段あまり関心を寄せること

が少ない事柄でも

わかりやすく説明

されているので

「なるほど」と

感心しながら

読みことができます。

 

 

 

スポンサーリンク

 

 

 

くろきすがや『感染領域』 ウィルスの恐怖が襲う

 

植物に関するミステリー

を読んだこともない人も

この『感染領域』は

大変興味深く読むことが

出来ると思います。

 

この物語ではトマトが

謎のウィルスに侵されて

九州から西日本へ

恐ろしくなるくらい

早い速度で感染していきます。

 

やがては日本全土まで

感染が広がり、

多大な農業被害へとなっていき、

 

他の野菜がウィルスに

感染したら野菜が

全滅してしまう、

そして日本の農業が

全滅してしまう、

 

そんな恐怖もひしひしと

感じました。

 

そうならないように

科学者や研究者たちが

切磋琢磨をします。

 

植物のウィルスによる

全滅被害は現実的にありそうで、

それゆえに身近に

感じることができて

不安が増してきます。

 

せっかく育てたトマトが

ウィルスに感染して、

その被害を食い止めるのは

焼き払うしかない。

 

そう告げられた

農家の苦悩を感じることが

できるシーンでは

胸が切なくなりました。

 

主人公の協力者として

天才バイオハッカーも

登場します。

 

さらには元カノの

農林水産省に努める女性や

その女性を猫可愛がりする、

主人公の恩師にあたる教授など、

 

個性豊かで魅力的な

人物たちも

登場するので

飽きることなく

読み進めることが出来ます。

 

 

 

スポンサーリンク

 

 

 

くろきすがや『感染領域』 世界中がウィルスでパニックにならないように

 

この物語には、

農林水産省、大学、

生産者、国内有数の

種メーカーが

登場するのですが、

 

各それぞれの立場から

どのように行動し、生き、

不安を抱えているのか

垣間見ることが出来ます。

 

加えて植物がウィルスに

感染したらどうなるか

ということを

あまり考えたこと

がない事に気づかされました。

 

人間がウィルスに

感染したらワクチンなど

接種することは可能ですが、

 

植物にはワクチンを

使うことはできないようです。

 

もし人為的または自然発症でも

遺伝子レベルで植物を

枯死させてしまうウィルスが

出現したら、

 

日本全体、もしかしたら

世界中が恐ろしく感じること

になるということを

実感しました。

 

加えて、世界中の研究者や

科学者たちが頑張って

そうならないようにしてくれる

のかもしれないぁ

とも思いました。

 

実際に畑で作物を作る農家も、

顕微鏡で日々研究している

研究者も科学者も

きっと良い作物を

作りたいと

頑張っているのかな?

と想像もできました。

 

その頑張っている人たち

のおかげで安心安全な

生産物を手に取ることが

出来るのだなと

感謝の気持ちで

いっぱいになりました。

 

トマトという題材を使った

「バイオサスペンス」を

是非堪能してみては

いかがでしょうか。

 

 

 

この記事を読んだ方はこちらもオススメです↓

 

 

 

スポンサーリンク

 

 

おすすめの記事