相場英雄『双子の悪魔』おすすめ本の感想とあらすじ!現代のマネー犯罪ミステリー

 

今回ご紹介する一冊は、

相場英雄(あいば ひでお)

『双子の悪魔』です。

 

『双子の悪魔』は、

大和新聞に務める

主人公の菊田美奈子と、

プロレスの興行団体で

働いている本条潤一郎が、

 

大手レストランチェーン

の株価の不正な操作の犯罪

に巻き込まれ、

その犯罪の真相を

究明していく物語です。

 

物語の中では、

現在の株やネットマネーに

対する犯罪についての

ミステリーだったので、

 

よくある様な殺人事件などを

テーマとするミステリー小説

とは違って、

新鮮でとても面白かったです。

 

また、展開も早く、

次々に場面が切り替わり、

事件や犯罪のヒントが出てきて、

とてもハラハラしながら

楽しめました。

 

それでは、現代のマネー犯罪

についてのミステリー小説

である『双子の悪魔』

書評していきます。

 

 

 

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相場英雄『双子の悪魔』 新聞記者の裏側についての詳しい描写

 

大和新聞の菊田美奈子が詰める東京証券取引所に、レストランチェーン・西大后に対するTOB(株式公開買い付け)情報が入った。報道により、西大后の株価は乱高下する。だが、すべては違法な仕手戦により巨万の富を得ようとした金融ブローカーの罠。魔の手はネットを通じて個人の資産にも向かう・・・・・。マネー犯罪の深部をえぐる経済ミステリー!

 

 

この『双子の悪魔』の

著者である

相場英雄さんは、

もともと時事通信社の

経済部の記者として

活躍していました。

 

そのため、新聞記者の

細かい仕事内容や、

実際に新聞の配達員に

関する描写まで本当に

詳しく書かれており、

 

私が全く知らない

新聞記者の仕事の裏側

を知ることができて、

とても面白かったです。

 

特に面白いと感じたものは、

東京証券取引所での

記者の仕事内容と、

新聞の配達員に関する

描写です。

 

東京証券取引所の

記者の仕事内容の描写

としては、

様々なメディアの記者を

代表したインタビューが

当番制でなかなか定時に

帰れないという描写や、

 

実際に他のメディアの

記者同士での騙し合いや

スクープの取り合いの様子

などが詳しく書かれており、

殺伐としたライバル関係が

とても印象的でした。

 

また、新聞の配達員に

関する描写ですが、

朝早く起きて

配達しなければいけない

だけでもすごく大変な仕事

だと思っていたのですが、

 

新聞の新規顧客の獲得や、

配達所の設備が悪いところなど、

思ってた以上に大変な仕事

だと分かり、驚きました。

 

私が実際に体験していない

仕事でも、

実際の仕事の内容や大変さ

分かることは、

小説の素晴らしいところ

だと思います。

 

 

 

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相場英雄『双子の悪魔』 犯人達の暗い過去

 

この『双子の悪魔』は、

真犯人の見当が

ついている状態で、

その犯人の目的や

次の犯罪の情報を知るために、

主人公達が行動することで

進んでいきます。

 

そのなかで、

犯人の過去の情報を

得ていくうちにどんどんと

犯人に近づいていき、

犯罪の全貌や、

犯人の目的を知ること

ができます。

 

その犯人に到達するまでの

過程では、

様々な金融や株の犯罪

についての細かい描写で、

今まで知らなかった金融や

株の仕組みを知ることができ、

 

知的好奇心がとても

満たされたうえ、

犯罪の裏側にいた

人物の取引の様子など

 

次々に明らかになっていく

スピーディーな展開で、

飽きることなく

読むことができました。

 

読んでいくうちに、

犯人や犯人の協力者の、

なぜ犯罪を犯したのかの

理由がわかる様に

なってきますが、

 

全員が暗い過去や犯罪を

やるしかない理由があり、

とても切なかったです。

 

人種差別や貧富の差、

暴力団などの策略など、

現在の闇の部分が

犯人達のバックグラウンド

として描写されており、

 

この様な問題の解決を

していかなければならない

という著者のメッセージを

感じました。

 

 

 

 

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相場英雄『双子の悪魔』 マネー犯罪への対策について深く考えさせられる

 

この小説のテーマである

『双子の悪魔』は、

作中でアマゾンなどの

ウェブサイトと全く同じ構成

のダミーサイトを通じて、

 

銀行口座などの

個人情報を抜き取り、

悪用する手段の事です。

 

この双子の悪魔の手法は

物語の中でも出てきますが、

それ以外にも多くの

ネット犯罪が出てきます。

 

その中でも特に

印象的な描写が、

主人公のパソコンに、

ウイルス対策用の

ソフトウェアが

入っているにもかかわらず、

 

多くのコンピューターウイルス

が入っていたというところです。

 

日々、スマートフォンや

パソコンを使っていく中で、

ウイルス対策ソフトがあるから

安全だろうと考えて、

 

安易にクレジットカードの情報

などをパソコンに保存

していることや、

 

使用している

オンラインサイトの

パスワードが同じものを

使っているこの現状に対して、

とても危機感を覚えました。

 

小説という形式で、

このウイルスが

どれくらい恐ろしいものなのか、

 

どのような悪事を働くのか

ということに対して、

詳しく知ることができて、

本当に良かったと

思っています。

 

 

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