【書評】葉真中顕『そして、海の泡になる』あらすじと感想!おすすめの新刊

 

今回ご紹介する一冊は、

葉真中 顕(はまなか あき)

『そして、海の泡になる』

です。

 

葉真中顕(はまなかあき)さんは

小説・児童文学・推理作家です。

 

16回日本ミステリー文学大賞新人賞を

『ロストケア』にて受賞して

作家デビューしました。

 

作品の中でも『絶叫』『Blue』

『凍てつく太陽』『沈黙の狂詩曲』等

があります。

 

『そして、海の泡になる』では、

バブルが崩壊して株価が暴落した

1990年から朝比奈ハルの人生が一変し、

殺人と詐欺の容疑で控訴されて

無期懲役の判決を受けて収監された

獄中で昨年5月に息を引き取った彼女の

生き様を小説にした作品です。

 

2020年にコロナの影響もあり

バブルの時と同じように世界は

変わってしまったと多くの人は口にします。

 

ここで世界というのは

その人が生きる半径数メートルのことで

現実と頭の仲の無限の想像のこと

をいうのです。

 

そうであれば私たちはそれに

対応していくしかないのではないか

そう思います。

 

葉真中顕『そして、海の泡になる』が

すぐにゲットできて読めますよ♪↓


葉真中顕『そして、海の泡になる』 バブル崩壊とコロナ


 

バブル期に史上最高額の負債を抱え、自己破産した朝比奈ハル。
平成が終わる年、彼女は、ひっそりと獄死した。
その生涯を小説に書こうと決めた"私"は、生前の姿を知る関係者に聞き取りを始める。
戦後、バブル、コロナ……日本社会を鋭く描く、社会派ミステリー。

 

 

バブル崩壊も

コロナウィルスパンデミックも

年明けの1月の段階では

私たちは新年を祝いどんな年になるだろうと

期待をしていたはずです。

 

でもその時点ですでに水面下で

世界の様相がガラリと変わっていて

静かに近く振動が起きているなんて

想像すらしていなかったはずです。

 

1990年はその前年末に史上最高値を付けた

日経平均株価が

年始からじわじわと下落していたけど

どうせ株価はすぐに戻るだろうと

楽観視していました。

 

それは今年の1月も中国で

新型肺炎が流行しているという

ニュースの報道をみても

SARS(サーズ)のように

日本は関係ないだろうし

すぐに終息するだろうと

今回のコロナウィルスも

楽観視していたのです。

 

30年前も今年も年が明けた時点で

災厄はすでに始まっていて

それに気づくことができない

私たち人間は成長していないのかも

しれませんね。

 

それによってこれまでの生活が

変わらず続くと疑わずにいたので

気づいたときにはもう遅く

世界はがらりと変わってしまう予測が

できていれば

こんなに生活様式が変わることも

なかったかもしれません。

 

 

 

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葉真中顕『そして、海の泡になる』 宇佐原陽菜

 

この小説の主人公の朝比奈ハルは

通称「北浜の魔女」と呼ばれた

大阪で料亭を経営する傍ら

巨額の株式投資を行った個人投資家でした。

 

その彼女の話を聞こう

と訪れたのが宇佐原陽菜です。

 

彼女はK女子刑務所でハルさんと

同じ房に入り労務として

高齢の受刑者の世話を

することになったのです。

 

その49か月の間に色々な話を

していたとのことで話を

聞くことになったのです。

 

そんな宇佐美陽菜は両親が「メギドの民」

(キリスト教をベースにした宗教)

の信者で自分もそうだと信じ、

多くの制約のある中で暮らしていました。

 

「メギトの民」の教えはいわゆる

終末思想で“信ずるものは救われる”という考えで

その教えに従って自らの欲望を律して

生活することこそ幸福であると

教えられて生活していたそうです。

 

「メギドの民」ではもちろん恋愛は

認められていませんでしたが、

陽菜にも同じ年の彼ができたのですが、

彼と駆け落ちをして教会から離れると

 

彼は凶変し常に暴力を振るうようになり

それに耐えられなくなり彼を殺してしまい

K刑務所に入所することになり

ハルさんと出会うこととなったのです。

 

彼女の話はとても興味深く共感できるもので

朝比奈ハルのことを誰よりも

理解しているようでもあったのです。

 

 

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葉真中顕『そして、海の泡になる』 うみうし様

 

朝比奈ハルは和歌山県にある

漁村で生まれました。

 

彼女の住む村の浜には

時々死んだうみうしが

上がることがあったのです。

 

そのうみうしは小さくて

手のひらくらいの大きさ(40センチくらい)

で全身カビとか苔が生えているみたいな

緑色でぬらぬらと光って

気持ち悪く好かれることのない姿

なのにハルさんは好きだったようです。

 

そんなハルさんは戦争が終わった翌月に

不思議な経験をして

うみうし様と信じるようになったようです。

 

そこからうみうし様は彼女の願いを

かなえてくれたとのことです。

 

彼女は誰にも何にも縛られずに

自由に生きるために彼女は願ったのです。

 

そのためには家族の死なども

問題ではなかったようです。

 

彼女は何も我慢せず、

運命にも世界にも抗い、

わがままにやりたいことをやって生きていく、

 

それが世界への復讐であり

この怒りを鎮める唯一の方法だと

思っていたからなのです。

 

うみうし様は八尾比丘尼(やおびくに)

という人魚の肉をもらった女が

不老長寿になるという話に

似ているように思うと

陽菜さんはそう思ったようです。

 

彼女はうみうし様の力を

借りることで生きていると

実感できたのだと思います。

 

 

 

 

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