ほしおさなえ『菓子屋横丁月光荘 文鳥の宿』菓子屋横丁月光荘シリーズ3作目あらすじと感想!

 

今回ご紹介する一冊は、

ほしおさなえ

『菓子屋横丁月光荘 文鳥の宿』

です。

『菓子屋横丁月光荘 文鳥の宿』は

『菓子屋横丁月光荘シリーズ

第三作品目です。

『活版印刷三日月堂シリーズ』

続いて舞台は川越となっています。

川越を訪れたことがある人は情景を

目に浮かべながら読むことができ、

そうでない人は魅力的な川越の町へ

行きたくなるかもしれません。

作者ほしのさなえは、

1995年『影をめぐるとき』で

群像新人文学賞小説部門優秀作品賞を

受賞しています。

『菓子屋横丁月光荘シリーズ』の他にも

『活版印刷三日月堂シリーズ』

『ものだま探偵団シリーズ』など

人気作品を世に送り出しています。

『活版印刷三日月堂シリーズ』を

読んだ人はもう一度「ほしのさなえ」の世界観を、

未読の人は『菓子屋横丁月光荘シリーズ』の

優しい世界を楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

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主人公のターニングポイントが訪れる

 

同じ造りの二軒の家の片方が焼失して十余年。残された〈二軒家〉は川越の「町づくりの会」によって、
昭和の生活を紹介する資料館として改修されることに。
片付けのボランティアに参加した守人は、家の声の導きで、天袋に収められた七段飾りのお雛さまを見つける。
しかしなぜか、三人官女のひとつが欠けていた。雛飾りの持ち主を探す守人たちは、二軒の家に暮らした家族の想いに寄りそってゆく。
過去を知り、未来に向き合う力へと変えつつある守人の歩みを描く。シリーズ第三作。

 

『菓子屋横丁月光荘シリーズ』の主人公

「守人」は家の声が聞こえます。

両親を早くに亡くし、

その後祖父の家で暮らしますが

厳格な祖父とは折り合いが悪く、

孤独な日々を送っていたという過去があります。

ひょんなことから月光荘の管理人を任されたことが

守人の日常や人間関係に変化をもたらしていきます。

本書『菓子屋横丁月光荘 文鳥の宿』では

「雛の宿」「オカイコサマ」「文鳥の宿」

の3つのお話が収められています。

「雛の家」では前作で登場した二軒屋に関するお話です。

二軒屋の整理を手伝うことになった守人は

ひな人形を見つけますが、

なぜか三人官女の一体が見つかりません。

不思議に思う守人がその後出会うひな人形に

関係する人の思いを知ることになります。

「オカイコサマ」では守人と同じように

家の声を聞くことができる人と出会います。

「文鳥の宿」では守人が大学院を卒業した後のこと

を考えることになります。

全体を通して孤独に過ごしていた守人が、

月光荘に住み、そこで出会う優しく温かい人々に

癒されて一歩を踏み出していくターニングポイント

のような1冊になっていると感じました。

 

 

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孤独の扉を開け始める主人公

 

孤独の中で守人は心を閉ざしていました。

月光荘の管理人を任され、

川越の人との関わり合いの中で、

守人の閉ざされた心の扉は

少しずつ開かれ孤独感も少しずつ消えて

いっているように感じました。

「オカイコサマ」では守人と同じように、

家の声がきこえる人との出会いがあります。

その出会いから守人の祖先とのつながりも

明らかにされていきます。

ここで守人と同じ力をもつ、

おばあさまが大変かわいらしく

ほほえましく描かれています。

おばあさまとの出会いで、

守人がひとりで抱えていた秘密が

軽くなったように感じて、

読んでいるこちらまでホッと安心してしまいます。

心を閉ざしていた守人が

 

『出会いはみんな縁になり、僕たちはつながりの中で生きている』

 

と思える守人の気持ちの変化に、

守人を取り巻く人々の優しさを

感じることができます。

 

 

 

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人との縁がつながりが新たな路をつくる

 

大学院を卒業してからのことを

守人は考えるようになります。

「文鳥の宿」では守人が親しくさせて

もらっている古書店「浮草」のスタッフから、

元料亭だった旅館のリーフレットの手伝いを頼まれます。

浮草のスタッフや宿のオーナーの美里や

べんてんちゃん達といろいろ話し合いながら、

企画やアイデアを出していきます。

この「文鳥の宿」でもそうですが、

全編を通して守人が出会った人々が、

守人をゆっくり暖かく導いていって

くれているのを感じます。

『活版印刷三日月堂シリーズ』の

登場人物も出てきて、

シリーズを読んでいる人にとっては

うれしいサプライズとなっています。

守人を優しく穏やかに見守ってくれて

いる人たちに囲まれて、

家の声が聞こえる守人が

卒業後どのような選択をするのか

とても気になります。

川越の町並みや古民家や人とのつながり、

ちょっぴりのミステリーを

『菓子屋横丁月光荘 文鳥の宿』

私たちに届けてくれています。

気になる方はぜひ、

守人たちが過ごす世界を

訪れてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

 

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