今回ご紹介する一冊は、
山口揚平 著
『知ってそうで知らなかった ほんとうの株のしくみ』
です。
この本に興味を持たれたということは、
「株式投資」にも興味がある、
ということでしょう。
新型コロナウイルス感染症の影響で
オフィスに行かず、
テレワークや在宅勤務で仕事をされる方が
多くなった影響で、
株式投資やFX投資を始めてみようという人が
ここ数ヶ月で急増しています。
もしかしたらこれを読んでいるあなたも、
ライフスタイルの変化に伴い投資を始めてみよう、
と思われた一人かもしれませんね。
この本は、株式投資をこれから始めようという方に
ピッタリの本です。
逆にある程度の投資経験がある方にとっては、
ご存じの内容ばかりかもしれません。
ですがなかなか投資がうまく行っていない方や、
他人に勧められた株ばかり買っていて
自分で買う株を選んだことがない、
といった方にも、
初心にかえるという意味でお勧めできる一冊です。
目次
株式投資の基本は「安く買って高く売る」こと
「株式投資はギャンブルのようなもの」と思っていませんか? または「株価が好調なときにしか儲からないもの」と決めつけていませんか?初心者のみならず、長年株式投資をしている人でも、実は明確な指標、「投資のモノサシ」をもたずに感情の赴くままに売買を繰り返している人は多いのです。本当の企業の価値がわかれば、もう心を乱されることはなくなります。本書では、たった5分で「企業の価値」が計算できる、簡単な方法を紹介します。これができるようになれば、その会社の株価はいったいどれくらいが妥当なのか、現在の株価が価値に対して割安なのか、割高なのかがすっきりとわかります。体系的な知識にもとづいて確実に利益を積み上げてゆくにはどうすればよいかがわかる、一生使える株式投資のバイブルと言えるでしょう。
株式の値段は一定ではありません。
いつ買うか、いつ売るか、
そのときによって値段が動きます。
これを、安いタイミングで買い高いタイミングで売る。
買った値段と売った値段の価格差で
利益を得るのが「株式投資」です。
では、その株がいま「安い」のか、
それとも「高い」のかはどう判断するのでしょうか。
株式の場合、普段のお買い物とは違い
今までの経験や知識だけで適正価格を判断する
のは難しいです。
ではどうやって適正価格を計算するかというと、
その株を発行している会社の「企業価値」つまり、
その会社を丸ごと買うとしたらいくらかかるか?
という金額から求めていくことになります。
この本では、企業価値の計算の仕方や、
そこからひと株あたりの値段の相場を
求める方法が丁寧に解説されています。
株式の値段の相場さえ分かれば、
後は安いタイミング、
高いタイミングが来るのを待って
売買するだけです。
その売買に対する考え方についても、
初心者に判るような丁寧な説明が掲載されています。
トレーダーと投資家の違い
トレーダーも投資家も、
どちらも株やFXなどの金融商品を
扱うことで利益を得る職業です。
ただし、その姿勢やスタンスが大きく異なります。
トレーダーというのは、
直近の値動きの上下から利益を生み出します。
普段のお買い物でもバーゲンセール等で異常に安くなったり、
逆に稀少価値からプレミア価格がついたりすること
があるかと思いますが、
株式の世界でもそれが起こり得ます。
極端に安い株を狙って買い適正価格で売る、
といったように、
目の前の値動きの中に価格差を見つけて
売買をするのがトレーダーです。
それに対し投資家というのは、
本来は企業のビジョンに共感したり未来に期待したりして、
出資をする人たちを指します。
エンジェル投資家という言葉がありますが、
それがまさに「投資家」のもともとの姿です。
こちらは目の前の値動きだけでなく、
時間軸を現在から未来まで
幅広く持った上で売買をします。
株式投資をする場合、
トレーダーとして稼ぐ方法もありますが、
どちらかというと投資家としての
稼ぎ方のほうが時間はかかるものの、
大きな利益を生み出せる可能性が
高くなります。
企業が今後どのくらい成長するかは未知数であり、
そこに対して出資という形でリスクを負う分
だけリターンも大きくなるからです。
とはいえ、やみくもに企業を選んで出資していても、
必ず将来大きな成長を遂げるとは限りません。
そこでこの本では、いま現在の企業価値の計り方
だけでなく将来の成長度合いを予測するための
考え方もしっかり解説されています。
企業のビジネスモデルの見方や判断基準など
が学べるので、
ゆくゆくはテンバガー(株価が10倍になる株)
に出会える、
なんて奇跡が起きるかもしれません。
この本さえ読めば株式投資ができるようになるのか?
投資経験のない人がこの本を読んで
すぐに利益を出せるようになるかというと、
それは難しいと思います。
料理本を読んだからといって
料理ができるようになる訳ではないのと同じで、
知識を身につけたらご自身で実践し練習を積む。
そうして初めて「できるようになる」。
株式投資もその類だと思います。
不思議なもので、人間というものはお金が絡むと
正常な判断ができなくなるものです。
お金に対して全く欲を持たない人なら
判断がブレることはないかもしれませんが、
「稼ぎたい」「お金たくさん欲しい」
という気持ちが少しでもあると、
目の前の数字に心を揺さぶられてしまい
感情が判断の邪魔をしてしまいます。
だからこそ、株式投資をする上では
練習や経験が必要です。
なお、練習していく上でいつも気にかけておきたい
「感情の罠」についても、
この本では詳しく記載があります。
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