美しき星月夜に読みたい『星』がテーマのおすすめ小説10選

 

夏が近づき、もうすぐ七夕ですね。

1年のうちで7月7日だけ会うことが許された織姫と彦星。

そんなロマンチックな気分に浸りながら、

読むことができる

『星』がテーマのおすすめ小説を10作品厳選して

集めてみました。

今年はコロナウイルスの影響でイベントが中止になったり、

天体観測に出かけるのが怖かったり……。

そんな時は、読書で『星』を楽しみましょう。

ついつい夜更かししてしまいそうな神秘的

素敵な作品ばかりです。

 

 

 

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『星に願いを、月に祈りを』(著者:中村航)

 

『リレキショ』で文藝賞を受賞し、

『100回泣くこと』などでも有名な

中村航さんの長編小説です。

アキオ、大介、麻里の三人を

主要人物として展開されるこの物語は、

恋愛要素を含んだ恋愛小説であり、

ミステリー小説でもあります。

小学5年生の三人はホタルを見るために

川を訪れますが、

そこで不思議な深夜放送が

ラジオから流れてくるところから

物語は始まります。

やがて三人が成長して大人になった時、

物語が動きだすのです。

それまでの物語が最終章でパズルのピースを

はめるかのようにつながっていき、

読み終えるころには、

その美しいストーリーに感動し、

涙せずにはいられません。

読後、思わず夜空を見上げたくなるような、

そんな物語です。

 

「100回泣くこと」作者の新たなる代表作!

小学生のアキオ、大介、麻里は、夏の学童キャンプで、夜、ホタルを見るため、宿を抜け出し、川に向かう。ようやく川にたどり着いた3人は、偶然ラジオから流れる謎の深夜放送を耳にする。その後、中学で野球部に入ったアキオは、一学年先輩の放送部員・里崎さんを好きになるが、告白できないまま、時間が経過する。高校生になったアキオは、夏休みに、かつてのキャンプ場を訪れ、再び謎のラジオ番組を聞き、あることに気づく。そして、さらなる時間が流れ、アキオたちは大人になった。物語は、大きく動き始める――。

 

 

『銀河鉄道の夜』(著者:宮沢賢治)

 

一度は誰でもタイトルだけは

聞いたことがあるのが

『銀河鉄道の夜』ではないでしょうか。

幼い頃は銀河鉄道の不思議さと、

主人公の貧しさやいじめられたりする切なさ

だけが心に残る感じがしましたが、

大人になって読み返してみると、

また違った視点から物語が見えてきます。

銀河鉄道で旅をする場面はとても不思議で美しく

描かれていますが、

同時に宮沢賢治の死生観がジョバンニやカムパネルラを

通して描かれているのではないかと思います。

ジョバンニは目覚めて大切な唯一の友達の、

カムパネラがもうこの世界にはいないことを知ります。

銀河鉄道で出会った人たちは

もうこの世にはいないのではないか、

ということが大人になった今だからこそ

自然に思い浮かべることができる

のではないでしょうか。

「なにがしあわせかわからないです。ほんとうにどんなつらいことでもそれがただしいみちを進む中でのできごとなら峠の上りも下りもみんなほんとうの幸福に近づく一あしずつですから。」

 

思わず夜空を仰ぎたくなる本

それが「銀河鉄道の夜」です。

 

 

 

 

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『天の光はすべて星』(著者:フレドリック・ブラウン)

フレドリック・ブラウン(著), 田中融二(翻訳)

 

人類が宇宙開発への情熱を失い、

開発計画は長い中断の時期にありました。

元宇宙飛行士であり、

星をこよなく愛する57歳のマックス・アンドリューズ

にとって、

そんな時代は退屈以外の何物でもなかったのです。

しかし、木星探査計画を公約に上院議員へと

立候補した女性の存在を知り、

彼の人生は大きく変わっていきます。

SFの古典的名作と名高い『天の光はすべて星』は、

私たちに情熱を思い出させ、

明日を生きていくための活力を与えてくれます。

原題は『The lights in the sky are stars』といいますが、

原題も訳題もどちらも宇宙好きの心をくすぐるようで、

とてもかっこいいですよね。

大の宇宙好きである主人公の姿は、

読んでいて胸に熱いものがあります。

美しく、そして力強い物語です。

 

1997年、人類は星々に対する情熱を失い、宇宙開発計画は長い中断の時期に入っていた。
星にとり憑かれた57歳のもと宇宙飛行士マックス・アンドルーズは、そんな世界で無為の日々を過ごしていた。
しかし、木星探査計画を公約に立候補した女性上院議員候補の存在を知ったとき、彼の人生の歯車は再び動き始める。
もう一度、宇宙へ――老境に差しかかりつつも夢のために奮闘する男を、奇才ブラウンが情感豊かに描く古典的名作。

 

 

『天球儀文庫』(著者:長野まゆみ)

 

『なんてオシャレできらきらしているのだろう』

とこの本を読み終えて思いました。

アビと宵里という二人の少年のお話なのですが、

移り行く季節の彩や成長がのびやかに、

美しく描かれています。

いつもいつでも同じ時間を過ごすアビと

宵里のふたりの関係に、

小さい頃このふたりのようにいつも一緒に

過ごした仲良しな友達を思い浮かべる人も

少なくはないでしょう。

しかしやがてふたりは別れていきます。

その場面が切なく、悲しく、寂しく

それでいて美しく

『何度でも新しく出会い友達になる』

という意味の言葉の通り、

いつかはふたりがまた初めましてと出会い、

友達になるという場面が浮かんでそうなることを

願わずにはいられません。

筆記帳(ノオト)洋墨(インク)露台(テラス)

紺青(プルシアン)黄水晶(シトリン)流星(ドロップ)

火毬(スパアク)紅玉色(ルビイ)など

透明感のある言葉が並んでいることも

この物語の美しさを強調していています。

長野まゆみの美しい世界感を

ぜひ体感してみてください。

 

ケンタウリ・プロキシマ。"星の名前"を教えてくれた宵里という名の少年は、いつもアビを魅了してやまない。ソォダ水のはじける音、天使の枕、流星群の観測…秋の新学期から、翌年の夏期休暇まで、二人が過ごした一年足らずの日々を描く。幻の初期作品四冊が、今一冊になって甦る。

 

 

 

 

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『流星の絆』(著者:東野圭吾)

 

東野圭吾作の

『流星の絆』は過酷な運命を背負う三兄妹の物語です。

2008年には戸田恵梨香主演でTBSで

ドラマ化されてもいます。

作者である東野圭吾は、

この作品の制作に苦痛を感じることなく、

ラストに至っては自分が書いたのではなく、

登場人物が書かせたのだ、

とすら述べています。

流星群を見ている間に、

両親を惨殺された三兄妹は生きていくために

詐欺を働くのですが、

そのターゲットとなった男性が、両親を殺し、

いまだ捕まらない犯人に酷似していました。

彼を貶めるために三兄妹は罠をしかけますが、

なんと妹の静奈が、

その男に恋心を寄せてしまうのです。

「禁断の恋」をテーマにし、

人間の内面を見事にえがいたこの作品は、

東野圭吾やミステリ小説が好きな方以外にも、

ぜひ読んでいただきたい作品です。

 

何者かに両親を惨殺された三兄妹は、流れ星に仇討ちを誓う。14年後、互いのことだけを信じ、世間を敵視しながら生きる彼らの前に、犯人を突き止める最初で最後の機会が訪れる。三人で完璧に仕掛けたはずの復讐計画。その最大の誤算は、妹の恋心だった。涙があふれる衝撃の真相。著者会心の新たな代表作。

 

 

続きの6選~10選をご覧になる方は次のページへどうぞ

 

 

 

 

 

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