今回ご紹介する一冊は、
山口恵以子(やまぐち えいこ) 著
『あなたとオムライス 食堂のおばちゃん(8)』
です。
山口恵以子さんは
食堂のおばちゃんシリーズ、
婚活食堂シリーズなどの小説
で食を通じて人との出会いや
つながりなどを描いている作品
を多数出版されています。
小説の最後にはレシピも公開
されているので
思わず作ってみたくなります。
Twitterを拝見してみて
「きくち体操」で
パソコン作業にて
身体が凝り固まってしまうのを
防止するために
努力も怠らないところ
なんかも魅力的です。
この本の最後のひと言には
「新型コロナウィルスの影響で私たちの日常は大きく変わりました。」
「今の日常を生きるしかありません。」
と書かれています。
「美味しい物を食べて、ゆっくり寝て…」
と書かれているのを
読んでいくことで
勇気と元気をもらえた
そんな感じです。
この『あなたとオムライス』を
読むとなにかしらほっこりしたり、
このレシピ試してみよう
と思ったりもします。
今だからこそ読んでもらいたい
そんな作品についてお話します。
目次
山口恵以子『あなたとオムライス 食堂のおばちゃん8』 牡蠣よ、さらば
なつかしのオムライス、うすいえんどうの豆ごはん、ロールキャベツ、アジフライ──。
佃はじめ食堂の常連客でお酒も卸している辰浪康平は四十歳すぎで気楽な独身。
両親が息子の将来を心配して、代理婚活の会に入会した。子供の代わりに親同士が見合いして結婚相手を探すという。
康平は三十三歳の女性とつき合い始めたが……。
幸福な出逢いとかけがえのない思い出。はじめ食堂に集う人々の人生模様と、季節の美味しくて庶民的なご飯を描く、
大人気シリーズ。(巻末に著者のレシピ付き)
はじめ食堂では
11月から3月は豚汁と牡蠣フライ、
ぶり大根は冬限定、
冷汁と冷やし中華は
夏限定などの
季節限定メニューがあります。
食べられない季節があると、
「期間限定」に弱い
日本人はつい流されて
注文してしまうという心理
を読まれているようでもあります。
特に3月の雛あられという
一寸したサービスが
あったりすると
欲深い私は必ず注文
してしまいます。
その期間限定の話から
そうめんの話になり
「流しそうめんの食べ放題」
でおつゆは1杯ずつ別料金
だったとの話のあと
「食べ物の恨みは怖いのよ」
は本当にそうです。
というのも、
食べ物の話だけでなく
バーゲンでもよく見ないと
これはセール品ではないと
精算時に聞かされて
ガックリしたことを
思い出したからです。
そのため、
「食べ放題」の表示にも
対象商品をしっかり見極めてから
お店に入ることをお勧めします。
はじめ食堂の夜は居酒屋で
お酒も提供しています。
「日本酒に合うスイーツ」
の話に耳を傾けてみると
日本酒の分け方が
本醸造と純米、吟醸、
大吟醸以外にも
爽酒、薫酒(くんしゅ)、
醇酒(じゅんしゅ)、
熟酒(古酒)など
あることに驚きです。
スイーツとのペアリングする
ときは日本酒の分け方から
考えたほうがよく、
餡子のお菓子は本醸造、
桜餅は薫酒、
チョコレイトは古酒、
チーズケーキには
フルボディの純米酒が
合うそうです。
お酒好きなので
近々試してみます。
山口恵以子『あなたとオムライス 食堂のおばちゃん8』 いつも心に豆ご飯
うすいえんどうは
グリーンピースに近い
実えんどうです。
和歌山の特産の
うすいえんどうは
皮が薄くて粒が大きくて
甘みがあります。
その食べ方は
グリーンピースと同じで
豆ご飯とか、
海老で炒めたりとか、
つぶしてクリームスープ
にしたりします。
和歌山で生まれ育った私は
本に書かれているように
卵とじをよく食べていました。
それはうすいえんどうと
高野豆腐を一緒に出汁で
煮てから卵でとじたもので
懐かしさも感じます
ここで紹介している
レシピの温サラダは
一度作ってみたいものです。
そのレシピは
ゆでたうすいえんどうを
ベーコンと玉ねぎと
バターで炒めて、
仕上げに温泉卵か
ポーチドエッグを載せる
というもので
比較的簡単に作れそうです。
うすいえんどうは
グリーンピース同様に
豆ご飯もお勧めです。
ご飯に混ぜ込まないで
うすいえんどうを
お塩と砂糖で煮る翡翠煮
として食べると
目でも食事を楽しめます。
月曜日は
「カレーの日」で
その日はキーマカレーでした。
その日の小鉢に
うすいえんどうの卵とじ
が登場していて
普段グリーンピースを
食べないお客さんにも
喜んでもらえたのです。
グリーンピースは
冷凍のものが多いけど
フレッシュなうすいえんどう
の味は旨みが違います。
山口恵以子『あなたとオムライス 食堂のおばちゃん8』 あなたとオムライス
最近は正統派オムライスより
半熟オムレツを載せた
オムライスをみること
のほうが多くなっています。
でも、やっぱり気持ちを
ほっこりとさせるのは
正統派オムライスだと思います。
それは、誰しも食べ物は
想い出と分かちがたく
結びついてゆくからです。
正統派オムライスも
きっと食べた時の出来事や
人の顔が次々と甦ってくる
そんな食事なのです。
その日のはじめ食堂の
オムライスは
「資生堂パーラー」で
食べたものに似た感じ
だったのか
その人は妻との思い出を
語り始めました。
上司に女性と食事をするなら
「資生堂パーラー」でと
言われて入ってみると
場違いに気づきドキドキしていたら
妻が「オムライスをいただきたい」
と言ってくれたおかげで
冷静さを取り戻して
結婚したことなどを
話してくれたのです。
まさに
「オムライスは時の氏神」
なのです。
その時の話題の中で
「地球最後の日には
誰か好きな人と
オムライスを食べたいな」
には同感しつつも、
実際はきっと他の食事を
選ぶだろうと思います。
ただ食事には色々な想い出があり、
生きていくヒントにも
なるので
今後も大切にして
いきたいものです。
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