ダン・アリエリー『予想どおりに不合理』要約と書評!「行動経済学が明かす あなたがそれを選ぶわけ」

 

今回ご紹介する一冊は、

ダン・アリエリー

『予想どおりに不合理: 行動経済学が明かす

「あなたがそれを選ぶわけ」』

です。

 

何か行動を起こすとき。

何か選択を迫られたとき。

 

人間なら誰しも

「こうしたほうがいいはず」

「こっちを選ぶのが正解だ」

と自身で考えた結果で動くはずです。

 

ところが、

それがベストの判断でなかったり、

ベストな選択でなかったりすること

が良くあります。

 

どういう条件下だとヒトは

ベストな判断ができるのか、

どういう条件下だと間違った選択

をしてしまうのか、

 

それを研究する学問を

「行動経済学」といいます。

 

本書はその「行動経済学」の

第一人者である

ダン・アリエリーさんが執筆した本です。

 

行動経済学ブームの火付け役

となった本とも言われています。

 

 

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ダン・アリエリー『予想どおりに不合理』人間は不合理な行動を起こす生き物である

 

「現金は盗まないが鉛筆なら平気で失敬する」「頼まれごとならがんばるが安い報酬ではやる気が失せる」「同じプラセボ薬でも高額なほうが効く」――。人間は、どこまでも滑稽で「不合理」。でも、そんな人間の行動を「予想」することができれば、長続きしなかったダイエットに成功するかもしれないし、次なる大ヒット商品を生み出せるかもしれない!/掲出の書影は底本のものです

 

その行動が合理的でないと

分かっていながら、

それを選ぶ人は少ないはずです。

 

ですが、第三者からみたら

明らかに不合理であるにも関わらず、

当の本人は合理的だと思って行動している、

ということは良くあります。

 

本書では、そんな不合理な行動

してしまうケースが事例と共に

数多く紹介されています。

 

例えば、何か買い物をするときに

グレード別の3つの選択肢があるとします。

 

高くて良いもの、

安くて品質もそれなりにもの、

そして値段も品質もその中間レベル

のものの3つです。

 

この3つを選択肢として提示された場合、

その人が何を必要としているか

に関わらず、

真ん中を選ぶ人が多いとされています。

 

その人が求めているものが

中間レベルのものならば

その選択は合理的と言えますが、

とにかく安いものを求めている人

にとって真ん中を選ぶのは

合理的とは言えません。

 

にも関わらず、

人は比較するものが3つあると、

相対的に真ん中に位置するものを

選択してしまう傾向があります。

 

例をもう一つご紹介しましょう。

「プラシーボ」という言葉に

関連する行動経済学の事例があります。

 

何か病気をして病院に行き、

治療薬を処方されたとします。

 

その治療薬がもし偽物の薬、

たとえばビタミン剤だったとしても、

医者から処方された薬だと思って飲むと

症状が改善することが多いです。

 

効果があると信じることで

本当に効果が表れてしまうことを

「プラシーボ効果」と言いますが、

これも行動経済学と大きな関係があります。

 

こういう条件下ではヒトは

こういう行動をする、

こういう選択をする、

ということを完全にコントロール

することはできませんが、

 

合理・不合理に関わらず、

それをパターン化することができます。

 

条件を整えることで、

不合理な行動や選択を

意図的に起こすことができる、

 

つまり「予想通りの不合理」

発生させることができる。

それがこの本全体を通して書かれています。

 

 

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ダン・アリエリー『予想どおりに不合理』腰を据えてじっくり読もう

 

本書は外書を翻訳したものです。

邦書を読みなれている方には

少し辛いかもしれませんが、

 

外書の多くはひとつの主張に対し

ひとつあるいはそれ以上の事例が

エビデンスとして添えられています。

 

そのため邦書と比べてかなり

ボリューミーとなっており、

読み応えがあります。

 

本書も例にもれずかなりの事例が

詳しく記載されており、

サラッと読めるものでは

ないかもしれません。

 

ですが、事例のひとつひとつは

難しいものではなくむしろ

 

「そういう行動とったことある」

「この条件下なら確かに

私もこう判断するかも」

 

というように自分自身を

重ねて読むことができます。

 

イメージ的には、

メンタリストDaiGoさんの

ニコニコ動画やYouTube動画、

書籍などを思い浮かべていただくと

良いでしょう。

 

DaiGoさんは何か

ひとつのルールを解説するとき

「〇〇大学の研究によると

~~~という結果が出ている」

といった事例を添えています。

 

本書も同じような流れで

書かれていますので、

ぜひ腰を据えてじっくり

読み込んでみることをオススメします。

 

 

 

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ダン・アリエリー『予想どおりに不合理』自分の行動を俯瞰してみよう

 

本書を読んでから、

あるいは行動経済学に少しでも

触れてから自分の行動を

振り返ってみると、

新しい発見がたくさんあると思います。

 

「この行動は本当に正しい行動なのか」

 

「自分で選んでいるようで

実は誰かの意図で選ばされている

のではないか」と考えてみると、

実は様々な仕掛けが施されている

ことに気付けることでしょう。

 

その仕掛けに気付ければ、

今後の時代の流れを予想することが

出来るかもしれませんし、

 

あるいはいつか自分が仕掛けを

する側になって、

新たなビジネスに繋げることが

できるかもしれません。

 

そんな風に考えてワクワクしながら、

ぜひご自身の行動や選択の

ひとつひとつを俯瞰してみると、

日々が今よりも面白く過ごせる

のではないかな、と思います。

 

 

 

 

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