百田尚樹『夏の騎士』あらすじと感想!小学生のひと夏の成長に勇気が湧いてくる

 

今回は、

百田尚樹(ひゃくたなおき)

『夏の騎士』をご紹介します。

 

勇気――それは人生を切り拓く剣だ

昭和最後の夏、ぼくは「勇気」を手に入れた。

意気地なしで臆病な小学六年生のぼくは、

強くなるために二人の友人と

騎士団を結成します。

騎士団の名前は「円卓の騎士」。

中世の騎士には、

もうひとつの大事な使命として、

愛と忠誠を誓うレディという存在がいました。

三人はクラスで最も美しい女の子を

自分たちのレディとする事に決めます。

クラスのみんなから馬鹿にされながらも、

騎士団としての名誉を守るため、

模擬試験の勉強や文化祭、

はたまた殺人事件の犯人捜しまで、

ひとつひとつ勇気を積み重ねながら

成長していきます。

稀代のストーリーテラー

百田尚樹(ひゃくたなおき)が、

初めて少年を主人公に書き下ろした

清々しい物語です。

 

 

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『夏の騎士』の魅力について

 

あの夏、僕は人生で最も大切な「勇気」を手に入れた。 新たなる感動を呼び起こす百田版「スタンド・バイ・ミー」、約3年ぶり、待望の長編小説。 勇気――それは人生を切り拓く剣だ。 あれから31年の歳月が流れたが、ぼくが今もどうにか人生の荒波を渡っていけるのは、あの頃手に入れた勇気のおかげかもしれない。 昭和最後の夏に経験した、少女殺害の謎をめぐる冒険、友情、そして小さな恋。 稀代のストーリーテラーが書き下ろした百田版「スタンド・バイ・ミー」、ついに刊行。

 

自分が小学六年生だった頃の夏を思い出し、

懐かしい気持ちになります。

秘密基地を作ったり、探偵ごっこや、

クラスの女の子に初めて恋心を抱いたりと、

まだまだ子供ながらも、

ひと夏の中で少年たちが、

自身と勇気を育んでいきます。

騎士団結成を通して少年たちの成長という軸

があります。

様々な出来事が同時並行で進んでいきますが、

それがきっちりと回収されて

いくので、すらすらと読むことができます。

登場人物も一人一人が個性的で

生き生きとしています。

家庭環境や、イジメといった内容も描かれていますが、

「勇気」というキーワードで物語は

前向きに進んでいきます。

この小説は子供時代の主人公と、

大人になった主人公の視点と、

両方で語られます。

時代は変わっても、

少年時代に誰もが一度は通る、

成長への階段を踏みしめることができます。

小中学生はもちろん、

大人が読める少年小説でもあります。

読み終えた後の爽快感が心地よいです。

 

 

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『夏の騎士』を読んだ感想

 

この作品のテーマは「勇気」です。

けれど勇気というものは、

その辺に落ちていて簡単に手に入るもの

ではありません。

自分自身が育てていかなければ

手に入れることはできません。

主人公は初め勇気がない少年だったけれど、

勇気の芽を少しずつ育てて、

やがて大きな木とします。

物語の終わりのほうで、

「人生はベストを尽くせばいい。その結果に関しては何ら恥じる
ことはないということを学んだのだ。恥じなければいけないのは、ベストを尽くさずに逃げることだ。そして自分に言い訳することだ」

 

とあります。

人は、子供でも大人でも、

笑われることが恥ずかしくて

尻込みしてしまいます。

けれど笑われても気にならないぞ

という気持ちで、

思い切って行動し続けることが

勇気をもつことだと思います。

サラリと読める作品ですが、

けっして薄っぺらではなく、

生きていくための真理がそこに詰まっています。

この本を読むことで、勇気が湧いてきます。

 

 

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『夏の騎士』の推薦

 

 「勇気こそ、人生で最も大切なもののひとつだ。ぼくが今もどうにか人生の荒波を渡っていけるのは、ほんのわずかに持ち合わせた勇気のおかげかもしれない」

 

と、大人になった主人公は言います。

小学六年生男子がひと夏に経験する

爽やかな成長物語

夏の騎士を読むと、

まるで自分が小学生の頃に戻ったかのように

最後まで一気に読んでしまいます。

そして心に勇気が溢れてきます。

さらに勇気とともに、

人として大切な真の優しさが生まれてきます。

この本には、問題を抱えて生きる人物たちが

多数登場します。

しかし物語を読んでいると、

色眼鏡で人を見ずに、

しっかりとその人の内面を見つめることで

相手に対して寛大になることができると

改めて教えられます。

自分に自信がもてず、もやもやとしている人

なんとなく日々を生きている人には

ぜひ本書を読んで勇気を持ち、

一歩前に踏み出してほしいと思います。

初夏の季節にふさわしい一冊です。

 

 

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