アーサー・コナン・ドイル『シャーロック・ホームズの冒険』あらすじと感想!色褪せない名作

 

シャーロック・ホームズの名前は、

誰でも一度は耳にしたことがある

のではないでしょうか。

コナン・ドイル作の推理小説に

登場する名探偵です。

このシリーズは推理小説というジャンルに

多大な影響を与えました。

これまでに何度も映像化され、

中には舞台を現代に移したリメイク版など、

多くの派生作品があります。

原作小説は長編が4冊、短編集が5冊あります。

今回ご紹介する「シャーロック・ホームズの冒険」は、

最初の短編集で、

長編小説「緋色の研究」「四つの署名」に続く作品です。

名探偵ホームズとその助手ワトソンが

登場することには変わりないので、

「シャーロック・ホームズの冒険」から読んでも、

十分楽しめます。

「ミステリー小説はよく読むけど、

シャーロック・ホームズは有名すぎて読んだことがない

という方は、

この機会に読んでみてはいかがでしょうか?

 

 

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ホームズの魅力的なキャラクター像

 

ミステリ史上最大にして最高の名探偵シャーロック・ホームズの推理と活躍を、忠実なる助手ワトスンが綴るシリーズ第1短編集。

ホームズの緻密な計画がひとりの女性によって破られる「ボヘミアの醜聞」、赤毛の男を求める奇妙な団体の意図をホームズが鮮やかに解き明かす「赤毛組合」、妻の眼前で夫が消え去った不思議な事件「くちびるのねじれた男」、閉ざされた部屋での怪死事件に秘められたおそるべき真相「まだらの紐」など、いずれも忘れ難き12の名品を収録する。

収録作=「ボヘミアの醜聞」「赤毛組合」「花婿の正体」「ボスコム谷の惨劇」「五つのオレンジの種」「くちびるのねじれた男」「青い柘榴石」「まだらの紐」「技師の親指」「独身の貴族」「緑柱石の宝冠」「ぶなの木屋敷の怪」

 

シャーロック・ホームズは洞察力に長けた探偵で、

依頼人をひと目見るなり、

その人の職業や近況を完璧に言い当ててしまいます。

 

シャーロック・ホームズは、彼としては注目にあたいする愛想のよさで、にこやかにその客を迎え入れ、扉をしめると、軽く会釈しながら彼女を肘かけ椅子に案内し、そのうえで独特の注意ぶかい、そのくせ放心したような目つきで、じっくり彼女を観察しはじめた。
「ずいぶん根を詰めてタイプの仕事をなさるようですが」と、いきなり言う。「近眼では疲れるのではありませんか?」
(アーサー・コナン・ドイル『シャーロック・ホームズの冒険』「花婿の正体」創元推理文庫)

 

ホームズの観察力を端的に描写している場面ですね。

ホームズは以前にコカイン常習者だったことがあったり、

化学実験が好きだったりと、

かなり個性的な人物として描かれている一方、

様々な分野に通じた人物でもあります。

たとえば、「赤毛組合」では、

クラシックのコンサートに聴き入るシーンがあります。

ワトソンいわく、ホームズ自身も

すぐれた演奏家で作曲家でもあるとのことです。

現代の小説でホームズを登場させたら現実離れしている

と言われてしまいそうですが、

現実離れしているからこそ、

長きにわたって人気の名探偵として

名を馳せているのでしょう。

 

 

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世界一有名な探偵と助手

 

推理小説の形式の一つに、

「探偵が事件を解決するところを、助手の視点から語る」

というものがあります。

ホームズとワトソンは、

世界一有名な探偵と助手のコンビと

言っても過言ではありません。

ワトソンが結婚するまで、

2人はベイカー街にあるアパートで同居していました。

ワトソンが結婚し、

別々に暮らすようになっても、

2人の信頼関係が崩れることはありませんでした。

「ボスコム谷の惨劇」では、

妻とともに朝食を食べていたワトソンのところへ、

ホームズから電報が届きます。

内容は「2日ほど時間が取れるなら、

自分と一緒にイングランド西部まで同行してほしい」

との、かなり急なものでした。

事件を解決しにいくと言うのです。

 

かつてのアフガニスタンでの軍隊経験は、すくなくともひとつだけは私にご利益をもたらしてくれていた。いつでも即応で旅支度がととのえられるということである。(アーサー・コナン・ドイル『シャーロック・ホームズの冒険』「ボスコム谷の惨劇」創元推理文庫)

 

ワトソンには、

ホームズの誘いや提案を断るという

選択肢はありません。

このように、2人の仲のよさに

注目しながら読むのも

面白いのではないでしょうか。

 

 

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事件解決のスッキリ感

 

推理小説には、

事件が解決してもあえて後味の悪さを残したり、

真犯人がわからないまま終わったりする作品もあります。

「シャーロック・ホームズの冒険」は、

依頼人が事件を持ち込み、

ホームズが事件を解決するという

鉄板の流れがあるので、

読んだあとはスッキリした気分になれます。

「ボヘミアの醜聞」は、そんな作品群の中でも

少し変わった終幕を迎える作品です。

ホームズのもとに、

仮面をつけた男が依頼人として現れます。

男はボヘミアの貴族であると名乗り、

アイリーン・アドラーという女性から

自分の写真を取り返してほしいと言います。

なんでも、アドラーは自分を破滅させる

つもりだというのです。

ホームズはアドラーを罠にかけ、

写真のありかを突き止めようと動き出します。

ワトソンにも協力をあおぎ、

準備万端でアドラーのもとを訪ねたホームズでしたが……。

「ボヘミアの醜聞」は、

「シャーロック・ホームズの冒険」

の巻頭に収録されている作品です。

ちょっと変わった終幕を迎えると書きましたが、

読後のスッキリ感は健在なので、

安心して読むことができます。

短編集はどこから読んでもいいもの

ではありますが、

「ボヘミアの醜聞」から読むと、

よりホームズの世界に

入りやすいのではないでしょうか。

 

 

 

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