村山由佳『キスまでの距離 おいしいコーヒーのいれ方1 』小説あらすじと感想!

 

今回ご紹介する一冊は、

村山由佳

『おいしいコーヒーのいれ方1 

キスまでの距離』です。

 

『天使の卵――エンジェルス・エッグ』や、

直木賞を受賞した

『星々の舟』など、

恋愛小説がとても好評な村山さん。

 

とくに、

本作「おいしいコーヒーの入れ方」シリーズは、

1994年から2013年まで、

1~2年おきに、新作が刊行され続け、

ファンの方々を夢中に

させた人気作です。

 

2013年以降、

途絶えていたシリーズの最新作が、

2020年6月に、遂に発売され、

話題となりました!

 

そして、その最新作

『ありふれた祈り』が、

26年ほど続いた

「おいしいコーヒーの入れ方」シリーズの、

完結作となります!

 

本作『キスまでの距離』は、

記念すべき人気シリーズの

第1作目です。

 

若々しくてピュアな恋模様は、

1作目にふさわしい

爽やかな物語です。

 

 

 

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村山由佳『キスまでの距離 おいしいコーヒーのいれ方1』 運命を変える共同生活

 

高校3年になる春、父の転勤のため、いとこ姉弟と同居するはめになった勝利。そんな彼を驚かせたのは、久しぶりに会う5歳年上のかれんの美しい変貌ぶりだった。しかも彼女は、彼の高校の新任美術教師。同じ屋根の下で暮らすうち、勝利はかれんの秘密を知り、その哀しい想いに気づいてしまう。守ってあげたい! いつしか一人の女性としてかれんを意識しはじめる勝利。ピュアで真摯な恋の行方は…。

 

 

これから高校3年生になろうと

している3月のことでした。

 

勝利(かつとし)は、

父の転勤をきっかけに、

近くに住むいとこ2人と

同居をすることになりました。

 

勝利より5歳年上のかれんと、

4歳年下の丈(じょう)。

 

無理矢理なスタートを切った

3人の共同生活でしたが、

乗り気でなかった勝利を

さらに落ち着かなくさせたのは、

かれんの存在でした。

 

かれんは、

数年会っていない間に、

とても美しい女性に

変貌していました。

 

美しさだけでなく、

かれんの少し抜けた、

可愛らしい性格に、

勝利はどんどん惹かれて

いきます。

 

それだけにとどまらず、

かれんが、勝利の通う高校の

美術教師として

赴任してきたものだから、

さらに勝利のこころは乱されます。

 

学生たちからも人気者の、かれん。

 

一瞬にして、勝利の心の中は、

かれん一色に染まって

しまうのでした。

 

 

 

 

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村山由佳『キスまでの距離 おいしいコーヒーのいれ方1』 おいしいコーヒーとかれんの秘密

 

勝利が常連として通う

喫茶店「風見鶏(かざみどり)」

のマスターは、偶然にも、

かれんと丈と親しい仲でした。

 

まだ若いけれど、

渋くて落ち着いたいい男なマスター。

 

そんなマスターの淹れる

コーヒーは最高に美味しい

と評判です。

 

「風見鶏」での登場人物たちの

会話が、

とても和やかな雰囲気で、

この作品の大きな軸と

なっているように感じます。

 

かれんと暮らし始めた勝利は、

ときおり行先を告げずに

数日家を空けるかれんの行動が、

気になって仕方がありません。

 

さりげなく質問してみても、

どこに外出しているのかを、

かれんは教えてくれません。

 

それに、どこか、

気まずそうな雰囲気。

 

ふわふわ舞う妖精のような、

可愛くて不思議だけれど、

どこか危なっかしいかれんの魅力。

 

勝利を唯一「ショーリ」と呼ぶ

かれんの可愛さが、

文字を読んでいるだけでも

伝わってきます。

 

 

勝利は、

かれんの秘密を暴こうと、

ちょっと引いてしまう

くらい大胆な行動にでます。

 

かれんが抱えている秘密と、

どうしても、

かれんの力になりたい勝利。

 

2人の距離は、

果たして縮まっていく

のでしょうか?

 

 

 

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村山由佳『キスまでの距離 おいしいコーヒーのいれ方1』 まっすぐな勝利の恋

 

まだ高校生の勝利の、

どこまでもストレートで

ピュアな恋心。

 

5歳年上という、

かれんとの年の差に苦しんだり、

ライバルの登場にモヤモヤしたり。

 

自分が一番かれんを

想っているはずなのに、

どうしていいのかわからない。

 

かれんに一直線な勝利を、

迷わず応援してしまいます。

 

 

こんなに人を好きに

なれるってうらやましい!

 

こんなに人から想われるって

素晴らしい!

 

物語がすすむにつれ、

心が洗われてスッキリとして、

生まれ変わっていくような

気持ちになります。

 

勝利は、小学2年生で母親を

亡くしていて、

家事をなんでもこなせます。

 

なんでも一人でやってしまえて、

頼られる存在の勝利が、

同居する2人のお世話係に

なっているのも微笑ましいです。

 

本作では、まだ若くて、

たどたどしい2人の関係。

 

長いシリーズ作品の中で、

どんなふうに2人が

変化していくのか、

2作目以降が

とても気になります。

 

20年以上続くシリーズなので、

刊行当時から愛読していた方は

きっと次の作品が出るのが、

待ち遠しかったと思います。

 

シリーズ完結作が刊行された今、

1作目から一気に物語を楽しめるのも、

とても贅沢なことですね。

 

ピュアでやさしい恋愛小説

読みたい!という方に

オススメの作品です。

 

 

 

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