末永幸歩『「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考』書評!大人も間に合う「アート思考」

 

今回ご紹介するのは、

末永幸歩(すえながゆきほ)

『「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考』

です。

「13歳からの・・・」という題名ですが、

13歳を過ぎてしまっていても決して遅くはありません。

ただ、読むならぜひできるだけ早い方

おすすめです。

「なんとなく気になっていた」や

「確かに最近話題になっているのは知っている」などと、

少しでも興味があったのであれば、

ぜひ今すぐに手に取って、

まずは読み始めることをおすすめします。

著者は作家が本業ではありません。

中学・高校の美術教師であり、

かつ東京学芸大学個人研究員という、

つまり現役で、

そしてまさに現場で、

いわゆる「美術」というものを

教えている方なのです。

そんな少し珍しい経歴を持つ著者が

はじめて書かれた本なのですが、

なぜ、現役の美術教師

「本」を書くことになったのでしょうか。

その理由もこの本の最後の解説で

明らかになります。

この本の中には数々の美術作品

エクササイズが登場します。

その作品を鑑賞したり、

エクササイズをしたりする、

つまり「体験」をしながら読み進めることで、

まるで謎解き推理小説を読んでいるような感覚で、

今までとは違った認識の

「アート思考」というものを手に入れることができます。

 

 

 

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美術作品を”鑑賞”するってどういうこと?

 

★各氏が大絶賛!!
藤原和博氏「美術は"思考力"を磨くための教科だったのか! とわかる本」
山口周氏「"考える"の前に"観る"がある。"観る"がなければ"考える"もない」
中原淳氏「爆発的に面白い!! 『図工2』の僕が、現代アートに惹かれる理由がわかった」
佐宗邦威氏「人間の"知覚"と"表現"という魔法の力を解放してくれる一冊! 」

700人超の中高生たちを熱狂させ、大人たちもいま最優先で受けたい授業が書籍化!!

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いま、論理・戦略に基づくアプローチに限界を感じた人たちのあいだで、
「知覚」「感性」「直感」などが見直されつつある。

本書は、中高生向けの「美術」の授業をベースに、
- 「自分だけのものの見方」で世界を見つめ、
- 「自分なりの答え」を生み出し、
- それによって「新たな問い」を生み出す
という、いわゆる「アート思考」のプロセスをわかりやすく解説した一冊。

論理もデータもあてにならない時代…
20世紀アートを代表する6作品で「アーティストのように考える方法」が手に入る!
「自分だけの視点」で物事を見て、「自分なりの答え」をつくりだす作法が身につく!

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「これまで担当した100冊近くの書籍のなかで、
間違いなくいちばん面白いなーと思いながらつくりました」(担当編集)

 

プロローグとして、

一番初めにクロード・モネ『睡蓮』

が取り上げられます。

それを使って美術作品を”鑑賞する”

ということを学びます。

学ぶというよりも間違った鑑賞の仕方に

気づくという方が正しいかもしれません。

また、実際に統計したグラフを使って、

美術はすべての教科の中で中学校(つまり13歳)を

起点に最も人気をなくす教科だと示します。

それも前述した間違った認識に加えて、

間違った授業方法が原因であると著者は説きます。

ではどうすれば正しい鑑賞の仕方を

身に付けることができるか、

そして中学校以降も美術が

人気のある教科でいられるか。

そのような問題と、

今よく耳にするビジネスマンの

「アート思考」の必要性をリンクさせ、

「アート的なものの考え方」とは

どのようなことなのかという観点を軸に、

13歳から大人までを広く巻き込み、

アートの世界へ引き込んでいきます。

 

 

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アート思考とは?

 

著者は「アート思考」について、

タンポポという身近な例を用いて

分かりやすく解説をしていきます。

子供だったときには、

誰もがこのアート思考を持っていたはずであり、

成長するに連れていつの間にか

失くしてしまっているといいます。

それを取り戻すことが大切であり、

そして難しくはない作業であるとも伝えています。

アート思考とは何かに興味を持ち、

そしてアート思考の必要性を感じられてきたころに、

この本の特徴でもある6つの実際にあるアート作品を基に

エクササイズをしながら、

アート思考の理解を深めていくことになります。

まずは、「やってみよう」ということで、

自画像を描いたり、

リアルなサイコロを描いたりと、

どのセクションも自分で手を動かしたり

自分の頭で考えたりといった簡単な練習問題があり、

それを基にしてアート作品を例に用いて

著者が解説していくという形式をとっています。

前述したとおり、この形式が推理小説を

読んでいるような感覚にさせてくれます。

一見、何気ない練習問題ではありますが、

最終的には全て

新しいものの見方や考え方

つながっていくところに

謎が解けたような喜びを感じ、

より楽しく理解を深めることができるのが

この本の最大の魅力であると

強く感じさせられます。

 

 

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自分もアーティストになれる?

 

6つのエクササイズが終わると、

いつも以上に頭を使っていた自分に気づかされます。

それと同時に、自分への新たな可能性

ワクワクさせられるはずです。

著者は、

「アーティストは、絵を描いている人やものを

作っている人であるとは限らない。」

と言っています。

つまり、「アート思考」を身に付け、

それに基づいて何かを生み出すことができれば、

誰でもアーティストといえるということなのです。

誰しも一度はアーティストという職業に憧れ

尊敬の念を抱いたことがあるのではないでしょうか。

そのような憧れに自分もなれるのだと思うと、

それだけで心が弾みませんか。

著者はこの本を「アート思考をめぐる冒険」

表現しています。

まさにいくつも謎を解いていく推理小説の痛快さと、

ドキドキワクワクを感じながら

最後には宝物を見つけることができる

冒険の興奮をともに味わえる、

新感覚のビジネス本です。

 

 

 

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