ミヒャエル・エンデ『モモ』あらすじと書評!名言がつまったエンデの代表作と映画版も

 

今回ご紹介する一冊は、

ミヒャエル・エンデ

『モモ』です。

 

エンデはドイツ出身の

児童文学作家です。

 

数ある作品のなかでも、

1973年に創刊された『モモ』は、

世界各国で翻訳されている

大人気作です。

 

日本ではドイツに次いで

2位の発行数で、

現代の子供たちにも

読みつがれている作品です。

 

私が最初に『モモ』

を知ったのは、

20年ほど前に見た、

ドイツ・イタリア制作の

映画版でした。

 

子供ながらに、

物語の世界観に強く

引き込まれた記憶があります。

 

物語は、人間なら誰もが

つねに意識する「時間」

テーマとなっています。

 

児童文学ですが、

大人が読んでも深く

考えさせられる内容です。

 

年を重ねるごとに読み直して、

時間との向き合い方を

考えてみたい!と

思わせてくれる作品でした。

 

『モモ』の物語の魅力を

お伝えさせていただきます。

 

 

 

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ミヒャエル・エンデ『モモ』謎の少女モモ

ミヒャエル・エンデ (著), 大島 かおり (著)
ラドスト・ボーケル (出演), ジョン・ヒューストン (出演), ヨハネス・シャーフ (監督)

 

時間どろぼうと,ぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子モモのふしぎな物語.人間本来の生き方を忘れてしまっている現代の人々に〈時間〉の真の意味を問う,エンデの名作.

 

とある大都会の町はずれ。

劇場がさびれた廃墟に、

謎の少女が、

突然姿を現しました。

 

髪の毛はボサボサ、

服は体に合っていない、

足の先まで汚れています。

 

決して清潔とはいえない

見た目をしています。

 

少女はモモと名乗りました。

それ以外はなにもわかりません。

 

得体の知れないモモですが、

廃墟の付近に住む人々は、

みんなモモのことを

慕っています。

 

モモの近くにいると、

不思議な力が

湧いてくるのです。

 

楽しい遊びや、

楽しい話が浮かんできます。

 

人々は、モモのために、

廃墟の舞台下を住みやすい

ように整えてあげました。

 

モモがみんなに好かれるのは、

きっと、モモがいつだってモモ

だからです。

 

「いくら前のことを思い出しても、いつでも私はもういたもの」

「ここがわたしのうちだもの」

 

人々はモモに

さまざまな質問をしますが、

モモは、

あっけらかんと答えます。

 

自分は自分。

なににも惑わされないモモ。

 

そんな姿が、

人々を安心させたのでしょう。

 

 

 

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ミヒャエル・エンデ『モモ』時間どろぼう

 

モモがあらわれてから、

平和で楽しい日々を

過ごしていた人々でしたが、

「時間どろぼう」の出現により、

その生活は奪われます。

 

時間どろぼうたちは

「時間貯蓄銀行の外交員」を名乗り、

人々に、

時間を貯蓄すること

をすすめます。

 

人々が、

どれほど無駄な時間を

使っているかを数字で示し、

時間を節約させ、

余った時間を奪っていくのです。

 

時間を節約すると、

どうなるでしょう。

 

丁寧に接客し、

仕事をしていた時間は、

手早く、ぶっきらぼうに

済ませてしまいます。

 

面倒を見ていた家族を、

あっさり施設に

入れてしまいます。

 

ペットの世話をする時間

をはぶくため、

ペットを売って

手放してしまいます。

 

本来なら大切なはずの時間を、

皆、無駄だと思い込み、

どんどん削っていって

しまうのです。

 

そんな時間どろぼうたち

の企みに、

唯一惑わされないのが

モモでした。

 

モモは、人々がせかせかし、

変わってしまったことに

戸惑います。

 

それでもなんとか、

モモはモモで

ありつづけたのです。

 

そんなモモを、

時間どろうぼうたちが、

ほうっておくはずが

ありませんでした。

 

どろぼうたちの追跡を逃れ、

モモは「時間の国」

へと案内されます。

 

人々の時間を取り戻すための、

モモの孤独なたたかいが

スタートします。

 

 

 

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ミヒャエル・エンデ『モモ』「時間」とはいったい何なのか?

 

時間は、だれにとっても

身近なものですが、

決して操ることはできません。

 

1日は24時間と決まっていて、

のんびり使うことも、

切りつめて使うことも

できます。

 

『モモ』では、時間を節約して

無駄をはぶくことで、

人々は皆、

不愛想で温かみのない人間

なっていきます。

 

これは、現代の生活のなかでも

当てはまることだと思います。

 

時間に追われて生活すると、

なにか大切なものを

見失っていくような気がします。

 

ゆったりと過ごすと、

ふだんは気付かなかった景色や、

身近な人の変化にも

気づけたりします。

 

自分の時間の使いかたは

これで良いのかな?

 

無駄に使っていると思う時間も、

実は大切な時間なのでは?

 

「時間」という不思議なもの

について、

立ち止まって考えるきっかけを、

『モモ』から、

あたえてもらいました。

 

現実的なテーマに思えますが、

ファンタジーや

冒険的な要素もあり、

ワクワクしながら

読み進めることができます。

 

作中に登場する挿絵も

すべて作者自身が手掛けており、

読み手の想像を豊かなもの

にしてくれます。

 

ぜひ幅広い世代の方に

『モモ』の世界を楽しんで

いただきたいです。

 

 

ミヒャエル・エンデ (著), 大島 かおり (著)
ラドスト・ボーケル (出演), ジョン・ヒューストン (出演), ヨハネス・シャーフ (監督)

 

 

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