原田マハ『さいはての彼女』あらすじと感想!読んだら旅に出たくなる作品

 

今回ご紹介する一冊は、

原田マハ

『さいはての彼女』です。

 

本作は、4人の女性たちの

人生を切り取った短編集です。

 

彼女たちの共通点は、

みんな「頑張りすぎている」

デキる女性たちだということです。

 

 

必死に頑張りすぎて、

周りが見えなくなっていた!

気づけば心も体も

ガチガチに固まっていた!

 

 

きっと頑張る女性たちは、

そんな状態に陥ったこと

があると思います。

 

彼女たちの旅の物語を

中心に巻き起こる、

旅先での見知らぬ人との出会いや、

思いがけない出来事。

 

ふと立ち止まって、

自分自身とと向き合う

ことができます。

 

最高の癒しをくれる作品で、

疲れた心をリフレッシュ

させてあげましょう!

 

 

 

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原田マハ『さいはての彼女』 行きさき違いのチケット

 

25歳で起業した敏腕若手女性社長の鈴木涼香。猛烈に頑張ったおかげで会社は順調に成長したものの結婚とは縁遠く、絶大な信頼を寄せていた秘書の高見沢さえも会社を去るという。失意のまま出かけた一人旅のチケットは行き先違いで、沖縄で優雅なヴァカンスと決め込んだつもりが、なぜか女満別!? だが、予想外の出逢いが、こわばった涼香の心をほぐしていく。人は何度でも立ち上がれる。再生をテーマにした、珠玉の短篇集。

 

 

敏腕女性社長として、

100人の社員を束ねながら

働く鈴木涼香は、

信頼していた秘書の高見沢から、

辞表を突きつけられます。

 

涼香は、高見沢の最後の仕事として、

沖縄でのバカンスを手配させます。

 

飛行機のチケットだけでなく、

旅先でのホテルやレンタカー

などすべて、

涼香の希望通りに

手配するよう命令します。

 

旅行当日、遅れて迎えに来た

高見沢の車で空港へと到着した涼香。

 

ギリギリの時刻で搭乗した飛行機は、

沖縄行きではなく、

なぜか北海道の女満別

(めまんべつ)行き?

 

乗ってしまったからには、

もう引き返せない!

 

涼香は、キレやすくて高飛車で、

社員にも高圧的な態度

をとってきました。

 

そんな涼香への、

高見沢からの最後の仕返しか?

 

女満別にて予約されていた

レンタカーは、

希望のBMWではなく、

ポンコツの軽自動車です。

 

時代遅れのレンタカーに苛立ち、

広大な道で途方に暮れる涼香

を救ったのは、

ハーレーダビッドソン

に乗る若い女の子。

 

華奢な体で大きなバイク

にまたがり、

不思議な魅力をはなつ彼女。

 

そこから涼香と彼女との、

ツーリングの旅が始まります。

 

 

 

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原田マハ『さいはての彼女』 見知らぬ土地で見つかる自分

 

ふだんは社員の前で

偉そうにしていても、

会社でどんな地位についていても、

見知らぬ土地での過ごし方

は初心者です。

 

行きあたりばったりの旅は、

たくさんのピンチにも

見舞われますが、

そこで姿を現す本当の自分

に出会うことができます。

 

東京でバリバリと働き、

時間に追われて

過ごしていたけれど、

旅先では、びっくりするほど

穏やかな時間が流れています。

 

旅での人との出会いは

不思議なもので、

そのとき限りと思うからか、

ふだんより開放的になれます。

 

初めて会ったのに、

ずっと友達だったかのように

打ち解け合うことができます。

 

ふだんは人に話せない

自分の過去まで、

なぜか聞いてほしくなる。

 

大自然の迫力を前にしては、

いつも人の上に立っている

はずの自分なんて、

成すすべもありません。

 

とてつもなく、ちっぽけで、

ダメな自分を思い知らされます。

 

そんな無防備な状態だからこそ、

人への優しさも、

自然と心の奥底から

湧き出てきます。

 

ピリピリしたり、

カリカリしたり、

どうしてそんなに苛立って

いたんだろう。

 

心の憑き物が取れた彼女たちは、

まっさらでキラキラしていて、

たちまち眩しい存在に

姿を変えていきます。

 

 

 

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原田マハ『さいはての彼女』 人生をあがく

 

今まで積み上げてきたものって、

なんだったんだろう?

 

きっと頑張っている人こそ、

なにかにつまづくと、

全てがダメになったかのように

感じてしまうのかも

しれません。

 

出世や結婚など、

組み立てていたライフプラン

を全て失った

波口喜美(はぐちよしみ)は、

 

友人からの「人生をもっとあがこう」

のメールによって、

二人で旅に出る決意をします。

 

 

自分を偽る必要のない、

信頼している人との旅で、

心が洗われていきます。

 

美しい紅葉や、

美味しい料理など、

芸術的な描写がとても

素晴らしく、

まるで自分が旅に出かけて

いるような気分を

味わうことができます。

 

著者は、幼いころから

美術に触れて過ごし、

美術館勤務や、

設立に参加していたりと、

美術に関するプロでもあります。

 

そんな感性がにじみ出た、

とても繊細で美しい描写が、

感動的でジーンときます。

 

「人生をあがく」というのは、

きっと無理をすると

いうことではないのです。

 

目先の小さな目標でもいいから、

毎日を大切に生きよう

ということだと思います。

 

突っ走るのもいいけど、

のんびり走ったって

きっと人生は明るいはず!

 

頑張る女性たちにとって、

心に残るフレーズが

必ず残る一冊だと思います。

 

疲れてしまったときは、

迷わず手に取って

いただきたい作品です。

 

 

 

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