池井戸潤『下町ロケット ヤタガラス』あらすじと感想!挫折を経験した者たちの復讐劇が始まる

 

『下町ロケット ヤタガラス』は、

池井戸潤さんの下町ロケットシリーズの

第4弾になります。

「ヤタガラス」は、

第3弾の「ゴースト」編からの続編で

3弾、4弾と続くシリーズの完結の作品になります.

「ゴースト」では、農業への参入を決めた

佃製作所が納品する予定だった、

ベンチャー企業「ギアゴースト」

裏切りで幕を閉じました。

「ギアゴースト」は特許の裁判で

窮地を救った佃製作所に対して

取引の中止を言い渡し、

佃製作所のライバル企業の「ダイダロス」と

資本提携してしまいます。

「ゴースト」では池井戸潤さんの真骨頂

の悪役の成敗が終わり、

めでたしめでたしで終了するかと

思っていたところの裏切りだったので、

「ゴースト」と読んでいた時は

とても驚きました。

そんな『下町ロケット ヤタガラス』

の書評をしていきます。

 

 

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大企業への復讐劇

 

「宇宙から大地」編、ついに激突!!

2018年10月放映、ドラマ「下町ロケット」(TBS日曜劇場)新シリーズの原作小説『下町ロケット ゴースト』に連なる、「宇宙から大地」編、クライマックスへ――!

社長・佃航平の閃きにより、トランスミッションの開発に乗り出した佃製作所。果たしてその挑戦はうまくいくのか――。
ベンチャー企業「ギアゴースト」や、ライバル企業「ダイダロス」との“戦い”の行方は――。
帝国重工の財前道生が立ち上げた新たなプロジェクトとは一体――。
そして、実家の危機に直面した番頭・殿村直弘のその後は――。

大きな挫折を経験した者たちの熱き思いとプライドが大激突!
準天頂衛星「ヤタガラス」が導く、壮大な物語の結末や如何に!?
待望の国民的人気シリーズ第4弾!!

 

「ヤタガラス」では、

帝国重工の無人農業ロボットと、

ダイダロスとギアゴースト、

その他の中小企業の集まりである

「ダーウィン・プロジェクト」

との対決が話の大部分を占めます。

帝国重工の次期社長候補である的場は、

下請けいじめをしていたため、

下請けの会社から恨まれています。

一方で、ダイダロス社長の重田は、

父親が帝国重工からの下請けいじめを

受けたことにより、

帝国重工を恨んでおり、

ギアゴースト社長の伊丹も帝国重工から

ぞんざいな扱いを受けたことで、

復讐をしようとしていました。

その他の帝国重工から下請けいじめを

受けていた企業が集まって、

帝国重工の無人農業ロボットに

対抗しようとして、

「ダーウィン・プロジェクト」に協力しています。

「ダーウィン・プロジェクト」には

マスコミも協力しており、

大企業VS中小企業という構図でニュースを出すなど、

全員で帝国重工に復讐しようとしている

様子が書かれています。

大企業のやり方が中小企業を苦しめている様子

が鮮明に書かれており、

重田や重田の父親、

伊丹のつらさが読者にも伝わってきました。

 

 

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悪役の成敗劇 ①

 

「ヤタガラス」の悪役は、

帝国重工の的場でしょう!

下請けいじめによるコストカットで

実績を作ってきた的場は、

帝国重工の財前の主導で行っている

無人農業ロボットの新規事業の担当を

横取りします。

また、トランスミッションを帝国重工に

卸している佃製作所に対しても、

横暴な態度をとり、契約を打ち切るなど

非道な行いをしていました。

この的場に対しては、

読んでいてとても腹が立ちました。

しかし、的場の横暴なやり方や態度が、

帝国重工の無人農業ロボットのプロジェクト

を悪い報告に進めていく様子が

「ヤタガラス」では多く書かれています。

最終的には、

「ダーウィン・プロジェクト」に

協力している会社に対する強引な要求に対して、

訴えられる結果となり、

社長への就任が延期になる結果となりました。

この顛末は読んでいてとてもスッキリしました。

 

 

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悪役の成敗劇 ②

 

「ヤタガラス」では、

的場の他に「ダーウィン・プロジェクト」側にも

悪役が出てきます。

佃製作所から会社を救ってもらったにも

関わらず裏切り、

裏切りに反対した副社長を

退職に追いやったギアゴースト社長の伊丹。

大学から無人農業ロボットのプログラムを盗み、

大学側に裁判を起こしたキーシンの戸川がいます。

伊丹や戸川に対し、

佃製作所やプログラムを盗まれた野木による成敗劇も

「ヤタガラス」の見どころです。

「ダーウィン・プロジェクト」は

売り上げ台数で帝国重工の無人農業ロボットを

はるかに上回り、

帝国重工への復讐ができたと思った矢先、

トラブルが発生します。

このトラブルの解決には、

佃製作所が特許を持っている技術を

使わなければいけないと分かった伊丹は

打ちひしがれてしまいます。

また、このトラブルによって、

「ダーウィン・プロジェクト」は失敗に終わり、

最終的に佃製作所や野木などを

中心としたメンバーが勝利します。

悪役の成敗が見ることができてスカッとした

気持ちになりましたが、

帝国重工への恨みから出た行動だと考えると、

少しモヤモヤした気持ちになりました。

 

 

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