とにかく話題になる男、
ホリエモンこと堀江貴文。
ロケット打ち上げに代表される宇宙事業、
WAGYUMAFIAの飲食業、
そしてtwitterの炎上などなど、
とにかく話題に事書かない人物です。
今回紹介するのは、
その堀江貴文著「東京改造計画」。
編集:箕輪厚介、著者:堀江貴文の
「多動力」から火のついたこのコンビの人気は
いまだ衰えるところを知りません。
この時期に「東京改造計画」という名の本を
出すという事は、
6月18日に告示され7月5日に開票される
東京都知事選出馬への布石なのではないか
との声も出ていますね。
内容も簡潔で1日で読めてしまう分量なのですが、
内容は濃く、そして刺激的。
個人的には、ホリエモン本の中で、
一番面白いと思える1冊でした。
それでは内容に触れていきます。
目次
いきなりの都知事ディス!まさかの出馬も?
さすが堀江貴文。
twitterでも歯に衣着せなければ、
本でも勿論着せません。
「東京改造計画」の序章は現東京都知事、
小池百合子氏への批判から始まります。
堀江氏からすれば、
小池都知事は東京のポテンシャルを
全く活かしきれていないとのこと。
彼女が打ち出した「七つのゼロ」
といった公約も実現しておらず、
築地・豊洲市場の問題の宙ぶらりんの状態。
それだからこそこの本が出来たといえるのですが、
第五章まで読み進めれば、
確かに東京はもっと輝ける都市であること
が分かります。
今度の都知事選では小池圧勝が叫ばれていますが、
この本で打ち出されている提言を公約として
堀江氏が出馬すれば、
最有力対抗馬となることは間違いなし。
「経済」「教育・社会保障」
「新型コロナウィルス」「都政」
の4ジャンルで書かれた提言は、
今の技術を以てすれば、どれも可能なものばかり。
「俺が出馬するならこのマニフェストでいく!」
と言わんばかりの、
東京改造のための37の提言がこの本で語られます。
だからこそ、彼の出馬の現実味も高まるというものです。
コロナが教えてくれた、意味のない無駄な日本の習慣
堀江氏は、「多動力」に代表されるように、
とにかく様々なことに没頭しています。
ゆえに、自分の貴重な時間を奪われる無駄を
徹底的に嫌います。
オンライン化出来ることは何でもオンライン化する、
アナログからデジタルの移行です。
2020年6月現在、日本社会は変わりつつあります。
主体的な変化ではなく、外圧による受動的な変化ですね。
ご存知の通り、コロナの影響によるものです。
テレワーク、オンライン授業、キャッシュレス化、ネット選挙。
これらはかねてより堀江氏が提言していた事項の一部ですが、
皮肉にもコロナによって彼の提言に日本社会が
近づいていっていますね。
アナログからデジタルへの移行が、
様々な場面において進んでいることは
実感できると思います。
この本の表紙ですが、写真家の蜷川実花によって撮影されました。
撮影スタジオで、
何時間もかけて撮影されたのでは決してありません。
この本の表紙からして無駄が省かれているのです。
表紙をよく見てみてください。
画素が結構荒い事が分かります。
堀江氏が映った画面を蜷川氏がスクリーンショットで撮影し、
加工がされたとのこと。
所謂テレワークで作られた、
無駄な移動などを省かれ作られた表紙なのです。
ホリエモン流「オンラインで出来ること」
この本の堀江氏の提言で面白いと思ったものを
いくつか紹介していきましょう。
まずはオンライン授業。
昔の寺子屋よろしく、
重い教科書を持って大人数が一か所に
集まる事は非常に非効率です。
授業はオンラインで良いと言います。
「今でしょ!」の林修に代表される各科目のプロ
に授業を任せ、
生徒はそれをオンラインで受けられるようにする。
自分で選んだわけでもない先生の下手な教え方によって、
その科目が嫌いになってしまっては実に勿体ないですね。
だから授業はプロに任せる。
では今までの先生はどうするのか、
存在価値を失うかというえばそうではなく、
学習の遅れている生徒のチューター的な役割を担うべき
だと提言しています。
きちんと既存の先生の役割も考えているところが、
彼の抜け目のないところだと思いますし、
何より根底には優しさがあります。
各生徒にiPadのようなデジタルデバイスを渡すなど、
重い教科書の不要論も説いています。
各教科書にお金を払い、
それを入れるランドセルにも多額のお金も払うのなら、
デジタルデバイス1つで済むのは楽でいいですね。
何よりコロナ対策としてもいいのではないでしょうか。
次にネット選挙。
ネット上での選挙運動は解禁されましたが、
投票はまだ投票所まで足を運ばねばなりません。
しかし、今はオンライン投票を実現する最大のチャンスです。
投票所は所謂三密。
そのエリアの18歳以上が短期間に同じ場所に出向き、
しかも誰が触ったか分からない鉛筆と紙に触る。
直近の選挙は、上述の通り6月18日開示、
7月5日開票の東京都知事選挙。
三密を避けろと散々言ってきた東京都が、
今までの選挙の方法を取るのか、
そして仮にネット選挙となった場合、
堀江氏の出馬もありえるのではないかともいわれ、
注目の選挙です。
教育、選挙に関する提言は、
日本全体にも言える事ですが、
東京ならではの提言にも面白いものが多かったです。
100m走などのオリンピック種目を競技場ではなく、
渋谷の国道246号で行うというのは非常に斬新でした。
混乱は予想のうえでしょうが、
実現すればかなり盛り上がる事間違いなしですね。
漫画から着想を得ている江戸城再建プロジェクトも、
現実となれば丸の内一帯が伝統と現代の融合都市となり、
海外からのインバウンドは更に盛り上がると思います。
築地市場に関する提言は、
さすがWAGYUMAFIAで飲食に精通する堀江氏です。
提言とはあまり関係ありませんが、
肉や魚が新鮮であれば美味いというわけではないとは、
この本で初めて知りました。
進化は常識を破ることから生まれる
「東京改造計画」の中で、
最も議論を呼びそうな案は、
大麻解禁でしょう。
大麻解禁により少子高齢化の解決の糸口
になると堀江氏は述べています。
また、ピルの活用法なども、
フェミニストから一定の反論は避けられません。
詳細は是非お読みいただきたいのですが、
彼自身この意見が「炎上」を呼ぶことは承知のうえ。
現にYoutubeなど動画サイトでは、
本著に対する同意意見、
反対意見がかなり多く挙がっています。
それでも彼は歯に衣着せずモノを言う。
この姿勢は一貫していますね。
この本を読んで感じることは、
堀江氏は東京が好きであるということです。
だからこそ、その魅力が様々な既得権益、
無駄な慣習によって殺されていること
を嘆いているのです。
皮肉にも、コロナによってオンライン授業、
テレワークなど、社会のオンライン化は促進されました。
しかし、コロナ収束後基に戻ってしまっては
まったく意味がありません。
これを継続しなくてはいけないのです。
政治家はポジショントークでご機嫌を取るのみで、
実行力はない。
反対に堀江氏には、批判の言葉に晒されても、
自分の意見を通す決意と、
それを実行する行動力がある。
それは、今までの炎上騒動や、
ロケット打ち上げなどの事業展開でも
垣間見ることが出来ています。
「日本、そして東京をつくるのはわたしたちなのだ。」
本著の最終章の一文ですが、
彼の出馬を大いに感じさせてくれる一文ですね。
堀江都知事、大いにありえることでしょう。
この本がそのお膳立てであれば、
非常に価値ある1冊です。