今回ご紹介する一冊は、
出口 治明(でぐち はるあき)著
『還暦からの底力―
歴史・人・旅に学ぶ生き方』
です。
著者の出口治明は現在、
立命館アジア太平洋大学
(APU)学長です。
1948年生まれ。
京都大学法学部卒業後、
日本生命保険相互会社に入社、
2006年に退職します。
訪れた世界の都市は1200以上、
読んだ本は1万札超。
著書には
『人生を面白くする本物の教養』
『「働き方」の教科書』
『哲学と宗教全史』
など多数あります。
本書はどうすれば
「還暦からの底力」を
発揮できるかについて
書かれています。
ものごとをできるだけ
フラットに、
「数字・ファクト(事実)
・ロジック(論理)」でとらえ、
「年齢フリー」で考えること
が重要だと言います。
もう一つ、
健康寿命を延ばすこと。
これらを実際に行うには、
具体的にどうすればいいのか
を豊富な見識とともに
教えてくれます。
目次
出口治明『還暦からの底力』 社会とどう向き合うか
「還暦からの」と銘打ってますが、還暦未満のあなたにもきっと役立つ。
人生100年時代をパワフルに行動するための出口流初の人生指南!!人生の楽しみは喜怒哀楽で決まります!
こんな時代だからこそ、元気にいきましょう!
本書には出口さんのように元気に生きるヒントが満載です。
「年齢フリー社会」とは、
年齢に制限を設けない
ということです。
年齢に関係なく好きなこと
にチャレンジすることが重要です。
それが「健康寿命」を
延ばすことになると言います。
「60歳になったから
そろそろ人生も終わりに近い」
と思っている人は、
定年制という歪んだ考え方
に毒されています。
働くこと、遊ぶこと、
学ぶのも自由。
年齢はまったく関係ありません。
著者は日本の働き方や社会
の仕組みが、
日本を低学歴化している
と言います。
労働時間が長く勉強する
時間もない
「飯・風呂・寝る」を
繰り返すだけの生活に
なっています。
そうではなく、
たくさんの人に会い、
たくさん本を読み、
いろんなところへ
出かけていって刺激を受けること、
「人・本・旅」を通して
自分を磨くことが
大事だと説きます。
そして、
変化が激しい社会で
必要なことは、
物事を根底から
とらえる探求力です。
なぜそうなるのかを
自分の頭で考え、
自分の言葉で意見を言える
能力を持った人を、
社会のいたるところで
つくっていくことが
急務だと言います。
出口治明『還暦からの底力』 老後の孤独を無くし、学び続ける
「老後の孤独」の原因は
本人ではなく、
日本の雇用制度に
問題があると言います。
つまり、一括採用、
終身雇用、年功序列、
定年などの労働慣行によって、
サラリーマンを一律に
働かせていることが
問題なのです。
このような労働環境では、
仕事オンリーになってしまいます。
趣味を持つことや
地域社会と関わることが
全くできない人を
大量につくりだしてしまいます。
労働慣行を改めないと、
「老後の孤独」が改善
されることはありません。
「人・本・旅」を続けていれば
チャンスはあります。
今の自分ができることに
少しずつ取り組んでいくこと
が必要です。
人とのつながりを築くのは
自分の中身次第です。
この中身を磨きながら、
「数字・ファクト・ロジック」で
整理して全体像をつかんでいく
ことが大切です。
さらには
「エピソードではなく
エビデンス(証拠)」
を駆使して意見が言える
ことも重要です。
そして教養というのは、
知識×考える力だと言います。
教養を身につけるには、
古典を読んで歴史に
学ぶことが重要です。
著者の教養は深く歴史の見方
にハッとさせられます。
今の日本がただダメだと
否定するのではなく、
歴史的な視点から何が
どうダメなのかと
説明しているのも
わかりやすいです。
読んでいて改めて
歴史を学び直したくなります。
出口治明『還暦からの底力』 持続可能性の高い社会を残すために
日本の社会を持続させるためには、
少子化問題の解決が
必要不可欠だと言います。
問題は出生率が低いことです。
それはなぜか?
男女差別があるからです。
日々、
家事や仕事に追われる女性たち。
育児はすべて私がやるのか、
こんな状況では子どもも
つくれるわけがありません。
社会全体で育児の面倒を
見ていける制度が必要です。
男女差別をなくさない限り、
少子化問題の解決も、
社会の進歩もありません。
「性別フリー」の社会の実現です。
著者は知識があるだけではなく、
本を読み知識を高めつつ、
人と話し、相手の気持ちを
理解しています。
さらに旅を通して
見聞を広めることにより、
自分の頭で考える力を養っています。
教養を積んで導き出される言葉
は非常にシンプルです。
そこから発せられる言葉には
強い説得力があります。
最後の
「人生は楽しんでなんぼです」
という著者の言葉に、
勉強や学びを
一生続けていくことが
楽しんで生きる道だと
感じました。
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