今回ご紹介する一冊は、
篠原 悠希 著
『後宮に月は満ちる 金椛国春秋』
です。
目次
篠原悠希『後宮に月は満ちる 金椛国春秋』 あらすじ
女装で後宮を生き抜け、少年!時間も忘れてのめりこむ中華風ファンタジー!
大陸の強国、金椛国(きんかこく)。
皇帝の代替わりに際し、一族郎党殉死という悲劇となった名門・星家の御曹司、遊圭(ゆうけい)は、
町娘の明々(めいめい)の救いにより、女と偽り後宮で女官として務めることに。
家事働きは全くできず、「使えない」という烙印を押された遊圭だったが、叩き込まれた教養と、生来の虚弱体質のため身についた薬膳の知識によって、
次第に後宮で必要とされる存在に。
美貌の宦官・玄月(げんげつ)に正体を疑われつつも、「使える」存在になったことで命拾いした遊圭。
今度は皇太后の娘で引きこもりのぽっちゃり姫・麗華(れいか)の心身の健康のため、公主の部屋付きを命じられることに。
そして後宮に渦巻く女達の野心と怨念が生む陰謀に巻き込まれて……。
大人の男になるまでに、遊圭は果たして後宮を出られるか?
知識と機転で切り抜けろ! 中華後宮ファンタジー第2弾!
今作は『後宮に星は宿る』の続き
の話になります。
前作で、遊圭はなんとか
外戚族滅の危機から追ってから
自分だけ逃げ出すことができました。
そして、後宮に上がる
明々に着いて女装をして
後宮に上がることになりました。
後宮では下女として
女官たちの生活を支える日々。
ある時、宦官の玄月に出会い、
女装がバレてしまいました。
そして、玄月の手駒としての
後宮生活が始まったのです。
私はこの本を書店で見つけた時、
サイン本として売られていました。
表紙の絵とあらすじから興味を持ち、
一巻から買い集めたのですが、
内容を読んでより引き込まれました。
作者様のサインが書かれた本を
持っているというのは少し自慢です。
篠原悠希『後宮に月は満ちる 金椛国春秋』 女装生活
前作から続く女装は
後宮で生活する上では必要なことです。
後宮は謂わば皇帝の懐、
男性以外は立ち入り禁止
の場所です。
男性でも男を捨てたものは
宦官として仕えます。
なぜなら女官のすべては
皇帝のものであるからです。
その中で男が見つかったとなれば
すぐに捕まり死罪を渡されます。
幸い遊圭は病弱であった為に
色白でか細く、顔も整って、
声変わり前の少年のため
女装をすることで
男だとバレるようなことは
ありませんでした。
そのため、明々の女童として
後宮に潜り込むことにしたのです。
遊圭は星家の息子として、
将来は童士試験を受け、
官人となる秀才でした。
ですが、病弱だった為に
床に臥せて寮母から漢方に
ついても学んでいました。
なので文字が読めるという点と
薬食に精通していることから、
皇帝の側近である宦官の玄月から
抜擢を受けたのです。
篠原悠希『後宮に月は満ちる 金椛国春秋』 悲劇の麗華公主
麗華公主は現皇帝・陽元の
異母妹になります。
後宮で不摂生な生活を
自分の好きなように
生活をしていました。
ですが、その改善の為に
遊圭と明々は一緒に
麗華公主の女官として
玄月に送り込まれます。
その表向きの理由は、
医生官で見習い薬食士として
麗華公主の健康を食生活から
見直すためでした。
本当の理由は、
永皇太后の不正を暴き、
皇帝に降りかかる危険を
排除するためです。
そのためにはまずは
永皇太后の娘である、
麗華公主に近づこうと考えたのです。
私は今作を読んでいて
とてもハラハラしました。
遊圭は女装をして後宮に
隠れ住むだけでなく、
様々な抜擢を受けて
目立ってしまうからです。
麗華公主はわがままな方でしたが、
実は母である永皇太后に
構って欲しいというだけの
可哀そうな少女だったのです。
遊圭は果たして皇帝に迫る危険
を暴き出すことが
できるのでしょうか。
篠原悠希『後宮に月は満ちる 金椛国春秋』 皇太后との対決
永皇太后は皇帝である
陽元の息子を操り、
自分が政治の実権を握ろうと
企んでいました。
しかし、それを察知した
陽元の側近である
宦官の玄月は永皇太后を
排除しようとします。
ですが、なんの証拠もないため、
証拠探しのために遊圭を使い、
証拠探しをするのが今作です。
永皇太后は実権を握るためには、
自分の娘である麗華公主までも
手駒に使おうとしていました。
そして、男児の代わりに
生まれてきた麗華公主のことを
酷く嫌っていたのです。
遊圭は玄月の手駒として
玄月と接している間に、
玄月の過去を知ることになります。
元々は皇帝である陽元との
幼馴染でしたが、
親戚の不正による連坐で
宦奴の身に落とされてしまいました。
ですが、そうなっても
陽元に必死に仕えています。
いつも涼しい顔をして
表情を顔に出さなかったですが、
内に秘めた思いが今作では分かります。
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