劉慈欣(りゅうじきん)『三体』小説のあらすじと感想!まさに大ヒット中の三体を読む

 

今回ご紹介する一冊は、

劉 慈欣(りゅう じきん )

『三体』です。

 

「三体」中国でベストセラーのSF小説で、

SF小説の分野において世界最高の賞の一つである、

ヒューゴー賞を受賞しています。

著者の劉慈欣(りゅう じきん)さんは、

中国でも有名な作家で、

映画化されている作品があるほどです。

「三体」は、文化大革命によって

父親が悲惨な死を遂げた女性科学者の葉文潔と、

ナノテクノロジーの研究者の汪淼が遭遇する出来事

に関する物語です。

葉文潔は、過酷な経験をした後に、

地球外生命体とコンタクトを取るための計画を実行します。

汪淼は、目に時間がカウントダウンしている数字

が見えるようになり、

その解決のためにVRゲーム「三体」の攻略に乗り出します。

物語を通じて、わくわくするような展開や

知的好奇心をくすぐる様な場面が多く、

とても楽しめる作品です。

 

 

 

 

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科学技術の描写が素晴らしい

劉 慈欣(著), 立原 透耶(監修), 大森 望(翻訳), 光吉 さくら(翻訳), ワン チャイ(翻訳)

 

中国で三部作2100万部以上を突破
アジア&翻訳もの初のヒューゴー賞受賞
現代中国最大の衝撃作、ついに日本上陸

物理学者の父を文化大革命で惨殺され、人類に絶望した中国人エリート女性科学者・葉文潔(イエ・ウェンジエ)。失意の日々を過ごす彼女は、ある日、巨大パラボラアンテナを備える謎めいた軍事基地にスカウトされる。そこでは、人類の運命を左右するかもしれないプロジェクトが、極秘裏に進行していた。
数十年後。ナノテク素材の研究者・汪淼(ワン・ミャオ)は、ある会議に招集され、世界的な科学者が次々に自殺している事実を告げられる。その陰に見え隠れする学術団体〈科学フロンティア〉への潜入を引き受けた彼を、科学的にありえない怪現象〈ゴースト・カウントダウン〉が襲う。そして汪淼が入り込む、三つの太陽を持つ異星を舞台にしたVRゲーム『三体』の驚くべき真実とは
本書に始まる《三体》三部作は、本国版が合計2100万部、英訳版が100万部以上の売上を記録。翻訳書として、またアジア圏の作品として初のヒューゴー賞長篇部門に輝いた、現代中国最大のヒット作。

 

『三体』の魅力の一つは、

高度で幅広い科学技術の描写です。

コンピューターサイエンス、ナノマテリアル技術、

天文学、量子力学などが物語の中で多用され、

著者の科学技術に対する理解の深さ

にはとても驚嘆しました。

登場人物の大半は、研究者や技術者、

専門家であるので、その人物の発言は、

技術的に高度な内容が多かったです。

技術的な発言や説明については、

内容が難しくいために分からないところもありました。

しかし、技術的に難しい発言も概要が

何となく分かるように書かれていたので、

問題なく読み進めることができるうえ、

技術の描写は物語でも重要な役割

多く発揮していました。

特に作者の想像で書かれている科学技術は、

その科学技術の発見に至った根拠や技術的な説明

は非常に納得できるような内容で、

読んでいてとてもわくわくしました。

興味ある分野に、コンピューターサイエンス、

天文学やナノマテリアル技術、量子力学がある方は、

本当に楽しめること間違いなしです。

 

 

 

 

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 技術の発展に対する理解も深まる

 

『三体』では、3つの太陽を持つ星を舞台

にしたVRゲームの『三体』が物語において

重要な位置を占めます。

VRゲーム「三体」は、

舞台となる星の科学技術の発展を、

現代の知識を用いながら進めていくゲームです。

そのゲームには、地動説や天動説を巡る場面では

ガリレオやコペルニクス、

コンピューターシミュレーションを巡って

ノイマン、その他にもニュートンや墨子、

アインシュタインが登場し、それぞれが発見し、

発展させた科学技術が紹介されています。

特に印象に残っている場面は、

ノイマンがコンピューターシミュレーションによって、

3つの太陽の動きを計算しようとする場面です。

ここでは、現代は半導体の電子の移動によって

行われていることを、人力で再現しています。

この場面の描写によって、

コンピューターサイエンスに対する理解が深まり、

ノイマンの功績がどれほど素晴らしいもの

かを実感しました。

その他の歴史的な偉人の行動についても

非常に分かりやすくストーリー仕立てで

書かれているため、本当に勉強になりました。

 

 

 

 

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衝撃のトリック

 

『三体』はミステリー要素を含み、

『三体』という小説の評価を高めていると思います。

それは、主人公の一人である汪淼の目に

カウントダウンしている数字が見えることです。

このトリックのネタバレはここでは言いませんが、

とても驚かされたとともに、

この発想ができる作者に対して尊敬の念を抱きました。

トリックは本当に最後まで分からずに、

読んでいる時に何度も考えていたのですが、

自分には到底分からないことでした。

トリック自体が非科学的なことですので、

もちろんSFの要素は含みます。

このトリックは技術的に未来に起こる可能性のあること

を描写しているので、

将来の技術発展が読んでいて、

楽しみになってきました。

トリックを探っていく過程で、

人間関係のトラブルや信頼関係、

恋愛など様々な要素も登場するので、

SF好きだけでなく、ミステリー好きなどの

様々な小説が好きな方も十分に楽しむ

ことができると思います。

 

劉 慈欣(著), 立原 透耶(監修), 大森 望(翻訳), 光吉 さくら(翻訳), ワン チャイ(翻訳)

 

 

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