外山滋比古『思考の整理学』要約と感想!東大京大生のおすすめ本

 

今回ご紹介する一冊は、

外山 滋比古(とやま しげひこ)

『思考の整理学』です。

 

1986年の刊行から

35年という長い間

読まれてきた

売上累計225万部

超える大ベストセラーです。

 

時代を超えた

バイブルとも称され、

著者自らの体験に則り

「思考」について

 

様々な独自の見解を

打ち出すことで

考えることの楽しさを

満喫させてくれる本です。

 

著者はあとがきで

このように言っています。

 

「だいたい、思考とか、思考の整理について、かんたんに方法を教えることは困難であると思っている。したがって、この本も、技術や方法を読者に提供しようという意図はもっていない。いわゆるハウツウものにならないようにしたつもりである。」

 

つまり著者が

望んでいるのは、

この本に書かれている

思考の整理法を

ただ単に真似て

終わることではなく、

 

この本で他の人の型に

触れることで

「ものを考えるということは

どういうことか」

「自分はどういう考え方を

しているのか」

を考えるきっかけを

読者に与えること

なのです。

 

ここでは、

様々な思考の整理法が

取り上げられている中で

 

個人的に興味深かった

3つのキーワード

をご紹介していきます。

 

 

 

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外山滋比古『思考の整理学』【寝させる】

 

大学生協文庫年間ランキング2年連続1位! 2018年1月~2019年12月 (大学生協事業連合調べ)

歴代の東大生・京大生が根強く支持する異例のベスト&ロングセラー!
刊行から34年で122刷・245万部突破!

「もっと若い時に読んでいれば……」
そう思わずにはいられませんでした。
――松本大介さん

自分の頭で考え、自力で飛翔するためのヒントが詰まった学術エッセイ。
アイディアが軽やかに離陸し、思考がのびのびと大空を駆けるには?
自らの体験に即し、独自の思考のエッセンスを明快に開陳する、恰好の入門書。
考えることの楽しさを満喫させてくれる一冊。

 

「いや。くよくよすることはないさ。

明日の朝、7時には解決しているよ。」

 

これは、

ウォルター・スコット

というイギリスの有名な

小説家の言葉です。

 

いまここで議論するより、

ひと晩寝て、

目を覚ましてみれば、

自然に、

落ち着くところへ

落ち着いている、

 

という意味の言葉なのですが、

一見あきらめの言葉のようにも

聞こえますが、

 

「分かる、分かる」と

妙に納得してしまう人も

少なくないのでは

ないでしょうか。

 

著者はこの本の中で、

昔ながらの

ことわざや著名な人の

過去の言葉を引用し、

 

思考をあえて

【寝させる】ことの大切さを

読者に訴えています。

 

科学的な根拠はないものの、

問題から答が出るまで

には時間がかかり、

 

その間ずっと

考え続けていては

かえってよろしくなく、

 

しばらくそっとしておくことで

考えが凝固する瞬間が

あるのだと言います。

 

それには夜寝ている

時間がいいので

あろうということです。

 

早く煮えないか、

早く煮えないか、

とたえずナベのフタを

とっていては、

 

いつまでたっても

煮えないように、

 

ずっと一つのことを

わき目もふらず

考え続けるのは

逆効果であるため、

 

あえて無意識の時間を作って

意識を超えたところに

問題を置き、

 

自然な時間の流れに

任せてみる。

 

今まさに悩み続けている人は、

そのような

【寝させる】技術を

試してみては

いかがでしょうか。

 

 

 

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外山滋比古『思考の整理学』【忘れる】

 

私たちは子供のときから、

忘れてはいけない、

忘れてはいけない、

と教えられ、

忘れたと言っては

叱られてきました。

 

そのせいもあって、

忘れることに恐怖心を

抱き続けている人

が多いのでは

ないでしょうか。

 

果たして本当に忘れることは

悪なのでしょうか。

 

そして、コンピューターが

ここまで発展した

現代でも変わらない

教えなのでしょうか。

 

著者はこの投げかけに、

正面からNOを突きつけます。

 

一度覚えた知識を忘れずに

どんどん蓄積していく、

 

これが昔の教育でしたが、

現代ではそれは

コンピューターに

とって代わっていることは、

明白です。

 

つまり現代では

いわゆる倉庫の役割

を果たす頭は

価値がないのです。

 

コンピューターにはできない、

人間ならではの「創造」、

つまり新しいことを

考え出す工場、

 

これにこそ現代は

価値がある、

著者はこの本で

そう言っています。

 

この内容は、

まさに今の有識者の多くが

訴えている内容であり、

 

それが35年前のこの本にも

書いてあることが

まず驚きです。

 

新しいことを

考え出す工場には

余計なものが

入っていては

作業効率が悪く、

 

それを処分して

広々としたスペースを

とる必要がある、

 

いわゆるこの工場の

整理に当たるのが

人間でいう忘却と

いうことです。

 

まずは、忘れること

への偏見を改めましょう。

 

そして、自分の頭の中が

爆発しないように

整理をしていき、

 

新陳代謝を促し、

頭を良く働かせ、

創造活動を活性化させる、

 

そのためには私たちは

【忘れる努力】

必要なのです。

 

 

 

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外山滋比古『思考の整理学』【書いてみる】

 

著者は、卒業論文などで

もう少し想を練らなくては

書き出すことはできない、

とぐずぐずし、

 

結果締め切りに

追われ焦りだす生徒に対して、

 

「とにかく書いてごらんなさい」

と助言をすること

にしているそうです。

 

この「とにかく書いてみること」

には、

どのような意味が

あるのでしょうか。

 

著者はこれを以下のような

内容で解説しています。

 

「頭の中で、あれこれ考えていても、いっこうに筋道が立たず、混沌としたままである。まだまだ書けないと
思っているときでも、もう書けると自分に言い聞かす。とにかく書き出すと、書いているうちに、頭の中に筋道が立ってくる。そして、もつれた糸のかたまりを、一本の糸を糸口にして、少しずつ解きほぐしていくように、だんだん考えていることがはっきりする。さらには、あらかじめ考えてもいなかったことが、書いているうちにふと頭に浮かんでくることもある。」

 

皆様もこのような経験が

あるのではないでしょうか。

 

この書評を書いている私も

まさにこの【書いてみる】

試しながら

ようやくまとめる

ことができました。

 

 

 

 

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