安宅和人『イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」』要約と書評!

 

10年前の2010年に25万部のベストセラーになった

『イシューからはじめよ―

知的生産の「シンプルな本質」』

続編ともいえる『シン・二ホン』

今年出版され、

今また注目を集めるようになりました。

著者は誰もが知る

外資系コンサルタントマッキンゼーに務め、

イェール大学で脳神経科学の博士号を取得し、

そして現在ヤフー株式会社のCSOでもある

安宅和人(あたかかずと)氏です。

私自身この『イシューからはじめよ』

を拝読するまで著者の名前は知りませんでしたが、

経歴だけを見るに最強のビジネスマンと

言っても過言ではないですね。

『イシューからはじめよ』は、

その最強ビジネスマンが悩める

ビジネスマンに贈る1冊。

その生産性を上げたい

価値ある仕事がしたい

思っている人は必読の書です。

 

 

スポンサーリンク

 

 

「犬の道」から外れよ

 

★ロジカルシンキング・問題解決の決定版!
★AI×データ時代の必携書。支持され続けて20万部突破!

やるべきことは、100分の1になる!

コンサルタント、研究者、マーケター、プランナー……
生み出す変化で稼ぐ、プロフェッショナルのための思考術
「脳科学×マッキンゼー×ヤフー」
トリプルキャリアが生み出した究極の問題設定&解決法

〈圧倒的に生産性の高い人〉に共通する問題設定&解決法
「イシュー」とは、「2つ以上の集団の間で決着のついていない問題」であり「根本に関わる、もしくは白黒がはっきりしていない問題」の両方の条件を満たすもの。
あなたが「問題だ」と思っていることは、そのほとんどが、「いま、この局面でケリをつけるべき問題=イシュー」ではない。
本当に価値のある仕事をしたいなら、本当に世の中に変化を興したいなら、この「イシュー」を見極めることが最初のステップになる。

 

「質より量」という事が昨今のビジネス書で

多く見受けられるようになったと思います。

行動と、スピードの重要性が

全面に出されるのが今のトレンドですね。

行動とスピードを以て量をこなすことで、

成長出来るという内容の本、

私もよく読みます。

本の趣旨はそういう事ではないのでしょうが、

多くの読者は目の前の仕事を兎に角こなしまくればいい

という考えに至ると思います。

事実私もそうでした。

その積み重ねが成長につながるのだと。

しかし、安宅氏はそれを「犬の道」と称し、

一刻も早くそのスタイルからは

脱却すべきだと言います。

なぜなら、それは生産性が非常に低く

価値の低い成果しか生み出さない。

仮に「犬の道」スタイルである程度まで出世したり、

成果を出したりしても、

再現性はありません。

そして、他人に教える際も

その根性論でしか物事を伝えられない。

「根性論に逃げるな」と本の中で言われています。

労働時間主義のサラリーマンでは、

価値のある成果を出せないのです。

 

 

スポンサーリンク

 

 

やるべき事は、今の100分の1になりえる

 

生産性という言葉を聞いたことがあると思います。

いきなりその意味を聞かれると、

すぐには答えられない方も多いでしょうが、

本著ではどれくらいの時間・作業を投下して、

どの程度の価値を生み出せたかという事になります。

更に突き詰めて、その価値とは何なのか。

丁寧な仕事?誰もやっていない仕事?

この2つのどちらでもありません。

質の高い問いに対して、

質の高い解を出すこと。

これが価値です。

イシューとはこの問いの事であり、

問いの質の程度をイシュー度と呼んでいます。

少し抽象的なのでもう少し具体化すると、

イシューとは自分の置かれた局面で、

白黒はっきりすべき問題です。

その問題に対して、

出てきた良い答えが価値なのです。

ゆえに、何よりもまず、

何がイシューの度合いが高いのかを

見極めなければなりません。

直面する数ある問題を「犬の道」

片っ端から片づけるのではなく、

見極める事が重要です。

そうすれば、あなたの仕事は10分の1にも

100分の1にもなり、

その生産性は格段に向上する事になります。

 

 

スポンサーリンク

 

 

悩むのではなく、考えよ

 

高いイシュー度を持つ問題の条件として、

本質的な選択肢であること、

深い仮説があること、

そして答えを出せるという事が挙げられています。

最後の3つ目の答えを出せるという事につながる、

「悩むのではなく、考えよ」

という教示がこの本の中では最も印象的でした。

この本は社会に出て数年のビジネスマンや、

研究者向けの本だと思います。

ある程度の経験がなければ、

中々腑に落ちない点も多々あるでしょう。

私自身、3回読んでみましたが、

ビジネスでの実践経験が乏しいせいなのか、

理解が及ばない点が少なくありません。

そんな中で、

「悩むのではなく、考えよ」とは

この本の内容を統括してくれうような言葉でした。

悩むとは、答えの出ない問題にずるずると頭を使う事であり、

考えるとは答えの出る問いへのアプローチです。

安宅氏が生きてきたビジネス及び研究は、

結果ありきの世界です。

すなわち、それまでの過程など評価の対象には

ならないという事ですね。

どんなつらい苦しい「犬の道」を通ってきても、

結果が伴わなければ無価値に等しいのです。

だから答えの出ない、つまりイシュー度の低い問題に

悩むのではなく、答えの出るイシュー度の高い問題に

取り組むべきであるということです。

人生は短い。

イシュー度の低い問題に悩んでいる暇はありません。

イシューを見極め、やるべきことを減らし、

本当に価値ある成果を生み出すことがビジネス・研究において

最重要課題です。

「イシューからはじめよ」

社会人として、

数年おきに視点を変えて読んでみたい本

の一つになりました。

また数年後に読んで自分がどんな感想を持つのか、

非常に楽しみです。

 

 

 

この記事を読んだ方はこちらもオススメです↓

 

 

 

スポンサーリンク

 

 

おすすめの記事