小松左京『復活の日』コロナ禍で注目の小説!あらすじと感想や映画版は?

 

小松左京といえば、

日本SF界の巨匠とも言うべき存在で、

2011年に亡くなるまで、

数多くの作品を世に送りだしてきました。

そんな彼の『日本沈没』にならぶ

代表作がこの『復活の日』です。

2020年の初頭から、

新型コロナウイルスが世界各地で猛威を振るい、

世界規模で大きな影響を与えました。

この作品はそんな世界的パンデミックを描いた作品で、

フィクションとは言えども、

とてもリアリティに溢れています。

小松左京のSF小説『復活の日』

とその映画化作品が、

今再び、多くの人々の心をとらえている所以が

そこにあるからでしょう。

そして、この作品の魅力は練りこまれた設定や

ストーリーだけにはとどまりません。

読者に対して、さらには、

人類の今後の未来に対しての、

作者の熱いメッセージが込められているのです。

満州事変の年に生まれ、

戦争を経験した作者の思いや考えは、

深く、洗練されていて、現代にも通ずるものがあります。

今から半世紀も前に書かれた作品でありながら、

この作品は現代社会を生きていく上で

糧となる示唆に富んでいるのです。

 

 

 

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『復活の日』あらすじ

 

人類の滅亡と復活を描いた、傑作SF小説!

吹雪のアルプス山中で遭難機が発見された。傍には引き裂かれたジェラルミン製トランクの破片。中には、感染後70時間以内に生体の70%に急性心筋梗塞を引き起こし、残りも全身マヒで死に至らしめるMM菌があった。春になり雪が解け始めると、ヨーロッパを走行中の俳優が心臓麻痺で突然死するなど、各地で奇妙な死亡事故が報告され始める――。人類滅亡の日を目前に、残された人間が選択する道とは。著者渾身のSF長編。

 

 

東西冷戦下にあって、各国の思惑が渦巻き、

水面下での諜報、兵器開発が熾烈を極める

1970年代がこの物語の舞台です。

そんな中で開発されたのがMM菌と呼ばれる、

宇宙で採取された細菌をもとに開発された生物兵器でした。

この細菌は宇宙空間という厳しい環境下

で生きていたこともあって、

その特性も大変恐ろしいものだったのです。

しかし、そのMM菌も強力な兵器を欲する軍部や、

政府首脳にしてみれば魅力的なものでしかありませんでした。

かくして、MM菌はイギリスから空路で

トルコへと運ばれるのですが、その道中、

飛行機がアルプス山脈に墜落してしまいます。

ジュラルミンケースの中に厳重に保管されていた

MM菌を入れた小瓶は、

それによって粉々に割れてしまうのです。

そしてアルプス山脈のある北半球にも春が訪れ、

雪も解け始めます。

すると、健康だった人が急に心筋梗塞で亡くなるケース

が報告されるようになり、

それは瞬く間に全世界へと広がっていきました。

そして人類は、

少しずつ滅亡へと近づいていくのです。

 

 

 

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作品のリアリティ

 

SFには必ず、「架空の設定」が登場するわけですが、

この作品の設定はこれでもかというくらいに

緻密に作りこまれています。

本作で重要なMM菌の性質は作中で段々と

明らかにされているのですが、

非常に専門的な知識によって、

かなり細かいところまで決められています。

後世の医科大学の教授が、

その性質について本格的に考察するほどにです。

さらには、政治的な思惑や、軍、

政府の要職にある人物の発言も、

まるでノンフィクション小説のようにリアリティに富んでいます。

それは、作者が持っていたり収集したりした、

深く広範な知識がものを言っているのでしょう。

また、パンデミックが起こったあとの世界の惨状も、

こと細かに、いかにも起こりそうなように書かれています。

読み進めていて、思わず、

新型コロナウイルス下の世界

比べずにはいられませんでした。

医療崩壊や、都市封鎖

現実で実際に起こったことを、

作者はまるで予言するかのように書いているのです。

SFという非現実の世界でありながら、

こうもリアリティを持たせることは、

作者の卓越した才覚がなせる技なのでしょう。

 

 

 

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作者のメッセージ

 

この作品の書かれた時代は、

東西冷戦の真っただ中で、

核兵器の恐ろしさというものを感じる

機会が多い時代でした。

よって、核兵器に対する強いメッセージが、

この作品には込められています。

現代にいたるまで、核は地上から根絶されていませんが、

核問題を考える上でも、

この作品は一読に値するかもしれません。

そして、未知の感染症の猛威

そして絶滅という未来に立ち向かう人類の姿には、

胸に熱いものを感じます。

もし全人類が団結することができたら、

いや、団結はできなくても

最低限平和は維持できたら……。

この作品は、そんな考えを私たちに思い起させます。

一度読んでみるだけで、

世界の見方が少しでも変わったとしたら、

小松左京はその目的を果たせた

ということになるのでしょう。

 

 

 

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『復活の日』映画版

 

小松左京『復活の日』は、

映画化されています。

1980年6月28日に公開され、

角川春樹事務所とTBSが共同製作し、

東宝が配給しました。

深作欣二監督のSFスペクタクルとなっています。

俳優の草刈正雄さんや、

オリヴィア・ハッセーさんらが出演しています。

英題は“Virus”

まさに、現状のコロナ禍を彷彿とさせるでは

ないですか!

40年前に公開された映画が、

今再び熱を帯びるとは誰が想像できたでしょうか。

 

草刈正雄 (出演), オリビア・ハッセー (出演), 深作欣二 (監督)

 

 

 

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