ヤマダマコト『月の女神に、希望の歌を』小説あらすじと感想!新潟が舞台のタイムリープミステリ×恋愛

 

今回ご紹介する一冊は、

ヤマダ マコト

『月の女神に、希望の歌を』

です。

 

著者ヤマダマコトは新潟県出身、

この『月の女神に、希望の歌を』

新潟を舞台に描かれています。

著書には『山彦 上・中・下』

『金色天化』

『勇魚神 第1部~3部』などを発表しており、

夢中になって一気読みしてしまう人が

いるなど電子書籍発信でありながら、

人気があります。

著者は主に電子書籍で発表、

新潟を舞台にしたエンタメ小説のレーベル

「新潟文楽工房」を立ち上げ活動し、

著者の小説で地域の活性化も

目指しているとのことです。

作品はファンタジー要素が高いものも

ありますが、

地方発信でありながらとても良質な

作品を書かれています。

読みたくなったら電子書籍ですぐ検索して

手軽に読むことができますので

気になる方はぜひ読んでみることを

お勧めします。

一気に読んでしまうこと

間違いなしの作品です。

 

 

 

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思いあう心は時空さえ超える

ヤマダ マコト(著), なかしま なぎさ(イラスト)

 

「平成5年7月27日、私、坂口真由は、井浦洋平と一緒にオオミズアオを見ました」
それはひとつの発見だった。記憶はときに写真を超えるのだということを、僕は初めて理解した。
あの瞬間が、僕と彼女の心が一番接近した瞬間だったかもしれない。

電鉄が営業を終え駅が閉じた翌日、中学2年生だった洋平と真由の2人は、村を震撼させた通り魔事件に巻き込まれる。
それから14年。
新潟市に編入したかつての故郷に帰郷してきた洋平は、起こるはずのない奇跡と遭遇する。
再び始まる不審者騒動と殺人事件。繰り返される運命。流転する魂。
14年の時を経て動き出した事件の真相は? 2人は最後に何を見るのか?
平成の地方集落を舞台に描くミステリ&ラブストーリー。

 

 

「僕よりも、ずっと先の未来を生きていく本宮美憂さんへ」

 

当時中学2年生だった主人公の井浦洋平

と坂田真由は通り魔事件

巻き込まれてしまいます。

辛い記憶から逃げるように

地元をでて暮らしていた洋平は

14年後に新潟市に帰郷します。

そして起こるはずのない奇跡に遭遇します。

洋平は真由を助けられなかったことを

ずっと後悔していました。

そして再び不審者騒動や殺人事件が起こります。

あの時のように運命が繰り返されて

主人公の運命にも関わってきます。

果たして主人公は今度こそ大切な人を

守ることができるのでしょうか。

冒頭の言葉を読んで一瞬なんのことか

わからず読み進めていくことになります。

悲惨な事件で命を落としてしまう真由と

一緒に事件に巻き込まれ、

真由を助けることができなかった

洋平の思いが切なく迫ってきます。

月日を経て新潟に戻った洋平を

奇跡が待ち受けます。

小学5年に出会い、

中学生になりひかれあうふたりが

また出会い別れる。

このふたりの物語は時空を超えた

ラブストーリーでありミステリーでも

あるといえるのではないでしょうか。

 

 

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繰り返される運命に翻弄される

 

洋平たちは現世で

また出会うことができますが、

また14年前のような不審死騒動や殺人事件に

巻き込まれてしまいます。

奇跡の出会いを経て見せる洋平の戸惑い

などは自分に置き換えてみると

リアルに感じることができます。

また大切な人に会いたいと強く望めば

願いが叶うかもしれないと

思わせてくれるような気がします。

物語の中でふたりは月夜の夜に

オオミズアオをみます。

その時洋平はカメラを持っていないことを

残念に思いますが真由は

目に焼き付けて忘れないと言います。

 

「平成5年7月27日、私、坂口真由は、井浦洋平と一緒にオオミズアオを見ました」

 

この真由の言葉が時を経て

出会った二人に大きな意味をもたらします。

そしてまた事件に巻き込まれて

運命が大きく動いていきます。

著者は新潟出身ということで

新潟の町並みが物語の中で

再現されています。

新潟を訪れたことがある人は

さらに楽しめ、

そうでない人はまだ見ぬ土地に

思いをはせながら

読み進めることができます。

 

 

 

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輪廻転生はあるのか否か

 

この物語を読み終えて

頭に浮かんだ言葉は『輪廻転生』

という言葉でした。

生と死と幸せと不幸は生きていくうえで

必ず訪れることです。

そのことが繰り替えされているからこそ

人との出会いは奇跡と呼べるのでは

ないのかなと思いました。

奇跡の中でも親しい人や大切な人との

出会いは奇跡中の奇跡と

いっていいのかもしれません。

この本の主人公たちは

輪廻転生を繰り返してしまうのですが、

今度こそはと願わずにはいられません。

結末はハッピーエンドなのか、

そうでないのか感じ方は

さまざまだと思います。

人は出会いと別れを繰り返して

生きていきます。

たくさんの出会いの中で

大切な人とと出会った奇跡を

感じることができたら、

もしかしたら輪廻転生は

あるのかもしれない、

と不思議とそう思わせてくれる本でした。

ファンタジー要素が強い本ですが、

物語はとても読みやすくわかりやすい

のでタイムリープ系の物語を読んでみたい人

にはファンタジーを読む

きっかけになるのではないかと思います。

 

ヤマダ マコト(著), なかしま なぎさ(イラスト)

 

 

 

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