『下町ロケット ゴースト』は
池井戸潤さんの
下町ロケットシリーズ第三弾の書籍になります。
第一弾では宇宙、
第二弾では医療のテーマを扱い、
第三弾のゴーストでは農業を扱っています。
テレビドラマが放送されたこともあり、
多くの方がご存知ではないでしょうか?
この作品でも池井戸潤作品ならではの、
スカッとする様な悪役の成敗劇があります。
このスカッとする感覚を味わいたい為に、
下町ロケットなどの池井戸潤さんの作品を
読み漁った覚えがありました。
また、主人公が真っ直ぐに信念を
貫き通す姿勢も池井戸潤作品の特徴だと思います。
これほど人との繋がりや、
正義を貫き通す人の元で働きたいなと
読んでいて何回も思いました。
それでは、あらすじに沿って
簡単に解説します。
目次
窮地に立たされる佃製作所
宇宙(そら)から大地へ。
いま、佃製作所の新たな戦いの幕が上がる!2015年に放映されたドラマ「下町ロケット」(TBS日曜劇場)の大ヒットも記憶に新しい、「池井戸潤、絶対の代表作」に待望のシリーズ第三弾が登場!
倒産の危機や幾多の困難を、社長の佃航平や社員たちの、熱き思いと諦めない姿勢で切り抜けてきた大田区の町工場「佃製作所」。
しかし、またしても佃製作所は予期せぬトラブルにより窮地に陥っていく。
いまや佃製作所のシンボルとなったロケットエンジン用バルブシステムの納入先である帝国重工の業績悪化、主要取引先からの非情な通告、そして、番頭・殿村に訪れた危機――。
そんな絶体絶命のピンチを切り抜けるため、佃が下した意外な決断とは・・・・・・。大きな挫折を味わってもなお、前に進もうとする者たちの不屈の闘志とプライドが胸を打つ! 大人気シリーズ第三弾!!
下町ロケットの第一弾と第二弾で、
佃製作所はロケット用のバルブや心臓弁の開発
で経営危機を乗り越えました。
しかし、第三弾のゴーストでは、
帝国重工のロケット開発の中止や
バルブを卸していたメーカーからの
取引中止などの事態が生じ、
再び経営危機に陥ってしまいます。
佃製作所の経営危機には、
時代の流れや大企業の思惑、
一見どうしようもない様な策略などがあります。
この危機的状況に対して、
主人公の佃航平をはじめ佃製作所の社員が
前向きに立ち向かっていきます。
この前向きさは、
本来はどうしようもなく
挫けそうな状況に対して、
強い正義感のもと、
正面から策略などに挑んで行くところや、
どうしようもなさそうな状況でも
希望を見つけて切り開こうと努力する姿勢
で描かれています。
そんな姿勢に心が打たれると同時に、
私も見習いたいと思いました。
また、ここまでひたむきに頑張っている人は
報われて欲しい、
悪い人は上手くいかないで欲しいと
熱望している自分がいることを
読んでいて実感していました。
新規分野への挑戦
そんな窮地に立たされた佃製作所ですが、
取引が停止された取引先の状況の分析から、
新しい分野への新規挑戦が必要だと判断し、
新しい開発を始めます。
その新規テーマが
トランスミッションの開発でした。
トランスミッションは変速機とも呼ばれ、
トルクを向きや大きさを変えて
別の軸へ伝える機構です。
このトランスミッションで
佃製作所が得意としている
バルブ機構が使用されており、
佃製作所の高い技術力を持って
参入を始めました。
開発を任されたのは、
第二弾のガウディ計画で
心臓弁の開発を任された2人の技術者です。
この2人の技術者が試行錯誤しながら、
必死に開発に取り組む姿勢が描かれています。
この開発の様子を見ていれば、
ものづくりへの情熱や思いが伝わってきて、
モノづくりの楽しさややりがいを理解でき、
私もモノづくりを仕事にできればいいなと
思う様になりました。
そして、佃製作所が開発したバルブの取引が
上手くいったときは、
読んでいて私自身とてもうれしく感じました。
悪役の成敗、そして後編へ続く!
この『下町ロケット ゴースト』でも
池井戸潤さんの成敗劇が見られます。
悪役の弁護士とその弁護士に協力した企業
が起こした特許侵害についての裁判です。
今回悪役のターゲットにされた会社は
佃製作所ではなく、
佃製作所が新しく開発したバルブを卸した
ギアゴーストという会社です。
窮地に陥ったギアゴーストが
佃製作所に助けを求めるという展開になります。
そこで佃航平は、
下町ロケットの第一弾からその手腕で
佃製作所をピンチから救い続けている
神谷弁護士を紹介します。
その場面では、主人公の佃航平は人情を選び、
佃製作所にだけ利益が出るような方法を取らずに
ギアゴーストに対しても救いの手を差し伸べます。
この佃航平の人情にはとても感動し、
こんな立派な人になりたいと思いました。
裁判は、神谷弁護士の見事な手腕で勝利し、
めでたしめでたしで終わると思いました。
しかし、物語の終了間際でギアゴーストの
予想外の裏切りが判明し、
後半の「ヤタガラス」編に続くことになります。
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