東野圭吾『マスカレード・ナイト(集英社文庫)』あらすじと感想!映画化の噂も?

 

今回ご紹介する一冊は、

東野圭吾

『マスカレード・ナイト』

です。

 

『マスカレード・ホテル』

『マスカレード・イブ』に続く、

シリーズ第三弾です。

 

2020年9月に文庫化されましたので、

これまでに読んだことのない方も

手に取りやすくなったと思います。

 

1作目は2019年に木村拓哉さんの

主演で映画化されたことでも

人気になりました。

 

そして本作品も今後、

映画化されるのではないか

との噂もあります。

 

ぜひ今のうちに、

原作をチェックしておきましょう。

 

 

 

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東野圭吾『マスカレード・ナイト』 ホテルを舞台にした潜入捜査と恋愛ドラマ

 

 

敵も化けている。決して騙されるな。
若い女性の他殺体が発見。警視庁に届く一通の密告状。犯人は、コルテシア東京のカウントダウン・パーティに現れる!?

練馬のマンションの一室で若い女性の他殺体が発見された。ホテル・コルテシア東京のカウントダウン・パーティに犯人が現れるという密告状が警視庁に届く。新田浩介は潜入捜査のため、再びフロントに立つ。コンシェルジュに抜擢された山岸尚美はお客様への対応に追われていた。華麗なる仮面舞踏会が迫るなか、顔も分からない犯人を捕まえることができるのか!? ホテル最大の危機に名コンビが挑む。

 

 

警察にある日届いた密告状。

 

そこには都内ホテルの

カウントダウンパーティに

殺人事件の犯人が現れる、

というものでした。

 

実はそのホテルは以前にも

事件に関係していたことがあり、

警察官がコンシェルジュとなって

潜入捜査を行い事件を解決した

実績がありました。

 

そこで今回もまた、

潜入捜査を行って、

ホテルを守りつつ犯人逮捕を

目指すことになりました。

 

ホテルのコンシェルジュにとって

「できません」は禁句。

 

お客様の要望には

極力応えないといけません。

 

言われた通りにやれば良いわけではなく、

お客様の要望の根底にある想いを

汲み取って実現させていきます。

 

そんなコンシェルジュの仕事は

付け焼刃で出来るものではありません。

 

潜入捜査を担当する警察官は

以前の捜査の際に先輩コンシェルジュ

から様々なことを学び、

基本的なことはひととおり

出来るようになっています。

 

ですが久しぶりの本物コンシェルジュ

との関わりに、

捜査に直接関係のあることだけ

ではなく捜査のヒントになるような

気付きを得ていきます。

 

やっかいなお願いごとを頼んでくる

男性と女性。

 

何か実態の伴わない事情を

演じる女性。

 

隠したい事実を背負って

やってくる夫婦。

 

高級ホテルのコンシェルジュ相手だけに

見せてくる込み入り具合は、

どれもこれも捜査の目を

かいくぐるための演技に見えてきますが、

だからといってあからさまに

犯人扱いして取り調べを行うわけ

にもいきません。

 

捜査状況は前に進んでいるようで、

ゴールの見えないもどかしさに

警察側もホテル側も焦りを感じつつ、

カウントダウンパーティ当日を迎えます。

 

予告どおり動く犯人と

警察・ホテルとの戦いは、

年明けとともにフィナーレを迎えます。

 

 

 

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東野圭吾『マスカレード・ナイト』 伏線も多く読み応えあり

 

本書のような作品は、

やはり「誰が犯人なの?」と予想しながら

読む方が多いと思いますが、

そんな方の期待にしっかり

応えてくれる作品だと感じました。

 

前項でも書きましたが、

ホテルのコンシェルジュに

相談に来る人たちはみんな、

これでもかというほどやっかいな

お願い事をしてきます。

 

いかにも何かを隠していそうな

怪しさ満点の人がいたり、

一見ふつうの人に見えて、

時おり矛盾する行動を見せたり。

 

登場人物全員が

「この人が犯人なのか?」

と思わせるような描かれ方をしており、

読んでいて気を抜ける部分が

ほとんどなかったように思います。

 

登場人物の事情をエモーショナルに描き、

この人なら殺人を犯すのに

充分な理由があると思わせ

同情すらしたくなるような様は、

さすがは東野圭吾作品だなと思いました。

 

 

 

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東野圭吾『マスカレード・ナイト』 ホテルマンの表と裏が楽しめる

 

どうしても殺人事件まわりに

気を取られがちですが、

ホテルマンを描くストーリー

としても楽しめます。

 

ノーと言わない、妥協しない

コンシェルジュの真摯さや、

見えている事実から宿泊客ひとりひとりの

事情を瞬時に察してベ

ストな対応をするフロントマンの

頭の回転の速さ。

 

なかなか高級ホテルに

泊まることのない一般人の私には

未知の世界でもあり、

面白く読めました。

 

また自分自身がどんなに辛くても

お客様には笑顔かつ全力で接していたり、

逆に笑顔でそつなく接していても

実は本音では全然違うことを感じていたり、

ホテルマンの表の顔と裏の顔を

も楽しめたように感じます。

 

昔からホテルマンを描く小説やドラマは多く、

ヒット作もたくさん生まれています。

 

こうした「人間の表と裏」は

見ていてリアルで楽しく、ま

た共感できることも多いのだろう

と思いました。

 

 

 

 

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