今回ご紹介する一冊は、
宮口 幸治(みやぐち こうじ)著
『ケーキの切れない非行少年たち』
です。
目次
宮口幸治『ケーキの切れない非行少年たち』児童精神科医とは?
児童精神科医である筆者は、多くの非行少年たちと出会う中で、「反省以前の子ども」が沢山いるという事実に気づく。少年院には、認知力が弱く、「ケーキを等分に切る」ことすら出来ない非行少年が大勢いたが、問題の根深さは普通の学校でも同じなのだ。人口の十数%いるとされる「境界知能」の人々に焦点を当て、困っている彼らを学校・社会生活で困らないように導く超実践的なメソッドを公開する。
児童に精神科医ということに驚きました。
昨今コロナウイルスの影響で
学校に行けない子供がストレスを
抱えてしまうことがあるということは
テレビで見ました。
そういった子供が発育課程で影響が
出ないようにするのですが、
いまいちピンとイメージすることが
できませんでした。
その状態で、本書が有名になったことから
手に取ってみました。
少年院の中では環境が特殊かもしれませんが、
児童精神科とは、
子供のトラウマや病気ではない病気
を治すというのが目的の病院です。
また、「ADHD」や「アスペルガー」などの
治療や向き合い方を教える場所のようです。
ですが、軽度の場合は少しおかしな子というまま、
子供は成長してしまうのです。
もっと、児童精神科が普及すれば
現状は解決するのでしょうか。
宮口幸治『ケーキの切れない非行少年たち』「ケーキが切れない」とは?
みなさんはホールケーキを
同じ大きさに切ることができますか?
宮本さんが少年院での勤務をしていた経験
から本書を書きました。
その中であることに気づきました。
それが、反省をしていない子供がいる
ということです。
そして彼らは認知能力が「低い」のだそうです。
それは軽度な障害に近いもので
親や学校に理解されないことで
非行に走ってしまうケースがあるそうです。
認知能力が低いことから、
自分のやってしまった罪に気づけない
ということです。
難しい言い回しですが、
例えば誰かに暴行をしてしまった
少年がいるとして、
少年院に入ったとします。
ですが、少年はなぜ捕まってしまったのか
理解できないということです。
当然、反省させ公正させるという理由で
少年法があり、少年院に入れられるのですから、
まず反省すらしていないというのでは
また繰り返してしまうかもしれませんね。
そして、認知度が低いということは
空間把握ができず、
ケーキを均等には切り分けられないのだそうです。
私は最初タイトルの意味が分かりませんでした。
ピザやショートケーキのように
三角形にして切ればいいのではないか
と思いました。
ですが、少年院に入った一部の少年たちは
それができないのだそうです。
本の帯にどのようにそういった子供たちが
ケーキを切り別けるのか絵が載っていました。
丸いホールケーキを横に切って
分けているのです。
これでは均等とは言えませんよね。
宮口幸治『ケーキの切れない非行少年たち』どう向き合うのか?
本書は問題を提起し、
現状を説明した後で、
解決策を紹介しております。
問題提起では先ほどのように
少年院にいる少年たちの抱えている
ケーキが切れないという
空間認識能力の欠如を提起しています。
そして、そうした非行に走る少年たちが
なぜケーキが3等分にできないかという
認知能力が「低い」という現状を説明しました。
そして、精神科医としてこれから、
その少年たちとどのように向き合い、
非行に走らないようにみていくという
解決方法を本書で書いています。
現代の子供たちに関わってくる問題です。
貧困や孤独、虐待など子供が非行に走る原因
は無数にあります。
それは少年院の中だけでなく、
学校など子供同士で関わる中でも
いじめが発生してしまうのですから、
大人として社会の現状を
見る必要があると思う本です。
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