岸見一郎『嫌われる勇気―自己啓発の源流「アドラー」の教え』内容の要約や感想!大ベストセラー本

 

岸見一郎・古賀史健著の

『嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教えは、

2013年12月に店頭に並び始めましたが、2020年5月現在、

今だその人気は衰えていません。

本屋でも、目立つ所に配置されていますね。

それだけその本の内容が、多くの人の心を打つことになっているのでしょう。

正直、多くの人が読んでいるのようなベストセラー本は

手に取る事があまり多くはないのですが、

2020年に入ってやっと読んでみました。

本を繰り返し読むことはあまりない私ですが、

この本は違いましたね。

ただ、「面白いから何度も読んでみたい!」

という類のものではないんです。

納得出来るところもすごくある、

しかし、納得できないところも多い。

納得できない所を理解したいがために、そしてその部分が納得出来れば、

自分の人生がもっと自由に、幸せになるのではないかと思うのです。

 

 

 

スポンサーリンク

 

 

哲人と青年による対話篇

 

「あの人」の期待を満たすために生きてはいけない――
【対人関係の悩み、人生の悩みを100%消し去る〝勇気〟の対話篇】

世界的にはフロイト、ユングと並ぶ心理学界の三大巨匠とされながら、日本国内では無名に近い存在のアルフレッド・アドラー。
「トラウマ」の存在を否定したうえで、「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」と断言し、
対人関係を改善していくための具体的な方策を提示していくアドラー心理学は、
現代の日本にこそ必要な思想だと思われます。

本書では平易かつドラマチックにアドラーの教えを伝えるため、
哲学者と青年の対話篇形式によってその思想を解き明かしていきます。
著者は日本におけるアドラー心理学の第一人者(日本アドラー心理学会顧問)で、アドラーの著作も多数翻訳している岸見一郎氏と、
臨場感あふれるインタビュー原稿を得意とするライターの古賀史健氏。
対人関係に悩み、人生に悩むすべての人に贈る、「まったくあたらしい古典」です。

 

 

タイトルに「アドラーの教え」とあります。

アドラーとは、フロイト、ユングと共に世界三大心理学者

一角を担う人物です。

原案の岸見一郎氏は、この「嫌われる勇気」以前にも多くのアドラーに

関する著作があるのですが、

やはり哲人と青年の対話篇という分かりやすい形式が

多くの人の心を掴むところになったのでしょう。

悩み多き青年が哲人のもとを何度も訪ね、

哲人の説くアドラー心理学に反発をしながらも、

何とかして理解をしていこうとして話は進んでいきます。

多くの読者はアドラー心理学に関してほとんど知らないでしょうから、

この青年に感情移入して読むことになると思います。

ただ、「さすがに言いすぎじゃないか。。?」と思うくらい

哲人が説くアドラー心理学に青年は反発します。

「その持論を撤回していただきたい!」「暴論だ!」とまで言うのです。

「人は変れる」「世界はシンプル」「誰もが幸せになれる」

哲人が説くこれらの言説を、青年は理想論、暴論だと受け入れません。

 

 

スポンサーリンク

 

 

全ての悩みは対人関係から生まれる

 

「嫌われる勇気」は全体を通して、

人が如何に「幸福」にたどり着けるのかを示唆しています。

かつて私の予備校時代の講師が幸せとは何かを教示してくださったのですが、

「幸せとは何かが分からないと、絶対に幸せにはなれない」と言っており、

その点この本では明確に幸福の定義と、

そこにいきつくまでの道筋がきちんと述べられていましたね。

哲人は、全ての悩みは対人関係から生まれると明確に述べています。

社会人も引きこもりも、対人関係から逃れることは絶対に出来ない。

身長の高さも、どれくらいお金をもっているかも、他人との比較です。

すなわち対人関係

会社に行きたくなくなるのも、仕事自体が嫌という人は少ないと思います。

上司やお客さんに怒られて叱責されたり、仕事が出来ないやつと冷たい目で

他人から見られるのが嫌なのです。すなわち対人関係です。

鬱病や登校拒否は、全て対人関係が引き起こす現代の病なのだということですね。

では如何にしてこの対人関係からの悩みから解き放たれるか、

哲人は承認欲求を否定することをその手段としています。

青年はこの本で多々哲人に反発します。

今までの常識とはアンチテーゼ的な解釈の仕方が語られるので無理もありませんが、

青年が一番反発したであろう箇所はこの承認欲求に関する箇所です。

人は誰しも他人から褒められたい、叱られたくない、

認められたいという欲求があります。

 

 

スポンサーリンク

 

 

他人の人生を生きるな!

 

モハメド・アリもスティーブ・ジョブスも同様の事を言っています。

「他人の人生を生きるな。」よく聞く言葉です。

これすなわちどういう事なのかを、哲人は説明してくれています。

つまり、他人の賞賛・批判に我関せず、他者の評価を気にせず、

嫌われる事も疎まず、自分の生き方を貫くことなのだと。

承認欲求の完全な否定ですね。所謂「嫌われる勇気」が必要なのです。

そして、一切の条件を付けずに他者を信頼する。

信用と信頼の違いも書いてあり、なるほどと思いました。

見返り、すなわち承認を他人に求めず、他者貢献を行う。

自分が他者に貢献していると実感し

共同体の中で自分の価値を見出すことが出来る

これがすなわち「幸福」です。

幸福感とは、共同体への貢献感なのだということですね。

ただ、理論としては理解できるのですが、

いざこの本に書いてある内容を実践するとなると、

かなり難しいと思います。

この本を読んだ後でも、やはり上司から褒められると嬉しいし、

指摘されると気分が落ち込みます。

同僚の休みの日にその分の仕事をやると、

感謝の一言が欲しいと思ってしまうのです。

承認欲求こそが人間の進化を作ってきたのではないかとも思います。

製造業、サービス業、IT業など対象となる誰かに認められたいが

故に進化してきた面も少なからずあるでしょう。

その点では、私もこの青年と同じ考えに立っているのかもしれません。

やはり他人は気になります。おそらく、さらに社会経験を積めば、

この本の見方も変わってくるのではないでしょうか。

アドラー心理学の理解には、

長い期間がかかるというのも納得です。

「嫌われる勇気」

時を置いて、繰り返し読んで頂きたい1冊ですね。

 

 

 

 

スポンサーリンク

 

 

 

おすすめの記事