堀新一郎『STARTUP 優れた起業家は何を考えどう行動したか』要約と感想!起業家のためのノウハウ共有

 

今回ご紹介する一冊は、

堀新一郎 他

『STARTUP 優れた起業家は何を考え、

どう行動したか』

です。

 

起業に関する会社設立・登記のハウツー本は

存在するものの、

どうやったら成功にたどり着けるか

詳しく解説している本は見たことがない

と感じた著者が、

スタートアップに関する

「体系的な知識」と「豊富な事例」が

両方揃った本を届けたいという

想いのもと生まれた本です。

特に、豊富な事例というのが

この本の最大の特徴でして、

メルカリやラクスルなど

今や世間でも幅広く名の知れている企業

をはじめとした、

16社ものスタートアップ企業

の事例が紹介されているのです。

さらにその事例というのは、

インターネットで調べれば

誰でも手に入るような情報ではなく、

著者自身が独自で行ったインタビューを

まとめたものであることが

この本を読む価値があることを

教えてくれます。

実は私も起業を考えているうちの

一人なのですが、

この本を読んでスタートアップの

「リアル」を肌で感じることができました。

非常に貴重な本と出会えた喜びを

感じることができた反面、

自分の覚悟の甘さも同時に痛感させられました。

どのような部分で自分の甘さを感じたかを

3つのポイントに分けて

紹介していきたいと思います。

同じように将来起業を考えている皆様の

「起業への一歩を踏み出す勇気」

に繋がっていくことを望みます。

 

 

 

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起業のアイディアは、待っていても見つからない

 

投資家(VC)が起業家から聞き出し、 経営学者と体系化した「成功の原則」を初公開!
17人の起業家たちへの直接インタビューから作成した26のケーススタディを収録。

体系化された「知識」と、生々しい「実践」の往復によって、起業の定石が見えてくる。

今まで、起業のノウハウは一部のベンチャーキャピタル(VC)と起業家の間でのみ共有されていた。
本書は、「そのノウハウをこれからの起業家のために共有したい」という著者の提案に賛同してくれた先輩起業家たちの協力によって生まれた「次世代起業家のためのバイブル」だ。

登場する起業家(順不同・敬称略・現在は退任している場合も含む)
赤川隼一 (Mirrativ)
赤坂優(Pairs)
有安伸宏(サイタ)
庵原保文(Yappli)
梅田優祐 (SPEEDA)
倉富佑也(ココン)
山田進太郎・小泉文明(メルカリ)
佐藤裕介(hey、フリークアウト)
鶴岡裕太 (BASE)
中川綾太郎 (MERY)
福島良典 (グノシー)
古川健介(nanapi)
堀井翔太(フリル)
堀江裕介 (クラシル)
松本恭攝 (ラクスル)
南壮一郎 (ビジョナル)

 

第一の私自身の甘さとして、

起業のアイディアは

どこかのタイミングで自然と見つかるもの

だと考えていたことでした。

もちろん何の準備もなく、

ただそのタイミングを待っていた

わけではありません。

ある程度分野を絞り、

その分野のニュースや関連する本など

を常にチェックし、

気になったことはその都度調べ、

その中で最も興味の湧くことが見つかれば

それこそが起業につながる

チャンスだと捉えていました。

しかし、この本で紹介されている

16社の代表者はこのような私の浅はかな考えを

見事に覆してくれました。

例えば、Fablicの堀井氏は

自分が気になったサービスを

利用している女子大生に

直接インタビューをすることで、

「なぜそのサービスを利用しているか」や

「何か困っていることや不満がないか」などを

自分の目や耳で確かめアイディアの着想

に繋げたのです。

また、DECOPICの松本氏は、

女性向けのサービスを作ると決めてから、

女性について徹底的に勉強したといいます。

男性でありながら付け爪を付けて

スマホを操作してみたり、

ひたすら女性誌を見て勉強したりと、

女性について理解をすることから

始めたそうです。

これらから分かることは、

私のように待ちの姿勢で情報を得ていても

アイディアの着想には繋がらず、

自ら情報を拾いにいく、

かつ自分しか得られない情報を

いかにつかむことができるかが

重要であるということです。

 

 

 

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起業家に原体験は必須ではない

続いて第二の私自身の甘さとして、

とある別の本で読んだ

「起業家には課題意識を生み出す

原体験が必要である」

という内容を真に受けていたことでした。

その本には、

課題意識がないとその体験が自分事にはならず、

結局は中途半端なアイディアしか生まれない

と書いてありました。

それを読んだ私は、

まずは興味のある分野をみつけ、

その分野にある程度携わってから

そこでの原体験を経て

起業のアイディアの着想に繋げようと

勝手なイメージを抱いてしまっていました。

ところがこの本では、

原体験は必須ではなく、

原体験がなくても成功している人は

山ほどいるというのです。

加えて、その原体験の代わりとなるものが

「自らが戦う事業領域において、

誰よりも詳しくなるまで情報収集をすること」

だというのです。

そして、16社のインタビューを行った結果、

このことは全員が共通して言っていたこと

だと強調しています。

前述しました

「自分しか得られない情報を自ら拾いにいくこと」

に加えて、

誰よりもその情報について詳しくなるまで

徹底的に深掘りしていくこと、

これこそが起業のアイディアにつながる

必須の作業ということです。

この本で紹介されているのは、

例えば自分の興味がある分野について、

海外ではどのようなサービスがあるのかを

調査するために自分で海外に行って調べつくしたり、

気になった会社の代表に

自らアポイントを取って

直接インタビューしに行ったりと、

皆様の行動力に驚かされるばかりです。

 

 

 

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頭ばかりで考えていてはいけない

 

最後の第三の私自身の甘さは、

覚悟と勇気と行動力の足りなさでした。

起業したいという想いの強さは

負けない自信があったのですが、

この本の事例を読んで

その自信が見事に恥ずかしさに変わっていきました。

ビズリーチの南氏は、

自分の転職活動で感じた大きな不便さに

チャンスを見出し、

自ら起業することを決心したそうです。

そこから今に至るまでの経緯が驚きでした。

アイディアを検証するために、

アメリカで気になる企業の創業者に

自らコンタクトを取り話しを聞きにいったり、

スタートアップの仲間を集めるために

自身で作成した事業計画を片手に

人材業界や企業の人事部に携わる知人に会って

ひたすら構想を語り続けたりと

必死に走り回ったそうです。

さらには声をかけたのは数か月で数百人にも

のぼったものの、

誰一人賛同もしてくれなかったとのことです。

それでも諦めずに動き回り続けた結果、

ある一人の人物と出会い、

その出会いが結果的に今の成功に繋がったのです。

また、今や有名なメルカリの小泉氏は、

華麗な栄光のストーリーばかりが目立ちますが、

これまた数々の過去の挫折や苦労が

この本には書かれています。

例えば、創業から5か月もの時間をかけて

リリースに踏み切ったにも関わらず、

初日のダウンロード数はたったの60件と

予想をはるかに下回る散々な結果

であったとのことです。

それでも諦めずに地道なマーケティングや

チャネルの分析の結果、

今の社会現象レベルの成功に至っているということです。

このように最初からうまくいくことはほとんどゼロに近く、

そして「なぜだろう」

「どうしたら成功するのだろう」

と頭で考えているだけではなく、

覚悟と勇気と行動力を持って様々試すことで、

そこから得られる気づきや発見が、

のちの成功に繋がっていくのだと

思い知らされました。

 

 

 

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