今回ご紹介する一冊は、
細川亮一 著
『ハイデガー入門』です。
哲学においてさまざまな考え方がありますが、
私にとってハイデガーの考える
“存在論”と“死”についての考え方は
まったく新しいものでした。
まさかこれが50年以上も前の人が
考えたものだとは思えないような考え方でした。
ハイデガーについて分かりやすく、
また他の入門書とは違った細川亮一さんの
個性的な論調で書かれている本です。
また、ハイデガーとナチスとの関連についても
述べられています。
ハイデガー入門として少し難しいですが、
読んでほしい一冊です。
目次
二〇世紀哲学における最大の巨人ハイデガー
半世紀以上にわたり、彼の思想があらゆる知の領域に及ぼしてきた圧倒的な影響はいうまでもない。大いなる成功と絶望的な無理解の断層に屹立する今世紀最も重要な哲学書『存在と時間』。その本当の狙いとは何か?本書は、難解といわれるハイデガーの思考の核心を読み解き、プラトン、アリストテレス以来西洋哲学が探究しつづけた「存在への問い」に迫るとともに、彼が哲学者としてナチズムのなかに見たものの深層に光をあてる。ハイデガー哲学の魅力の源泉を理解するための一冊。
著者・細川亮一さんとは?
まずは著者の細川亮一さんについて紹介しましょう。
日本の哲学者で九州大学名誉教授をされております。
著書にはハイデガーについての著書が多い方です。
また、この『ハイデガー入門』では
独特の切り口と個性的な解説で展開していきます。
はじめにハイデガーの「存在と時間」について
はじめさまざまな切り口で解説していきます。
ハイデガーとナチスについての話もあります。
ハイデガーについて
マルティン・ハイデガーは
ドイツの哲学者です。
1889年に生まれた方なので
比較的現代の哲学者といえます。
やはり哲学と言うとプラトンやアリストテレスなどの
古代ローマのイメージですが、
ハイデガーや有名なニーチェなどは
大体100年ぐらい前の人のことです。
哲学の世界では現代の括りになります。
ハイデガーはキリスト教神学をはじめ研究していましたが、
存在論について研究するようになりました。
ハイデガーはそうした連綿と受け継がれてきた
哲学的思考に影響を受けた哲学者です。
具体的には、フッサールの現象学や、
ライプニッツなどのドイツ観念論、
ニーチェやキルケゴールの実存主義的考えから
影響を受けて“存在論”を展開した人になります。
ハイデガーの話で個人的に好きなのが、
アイヒマン裁判で有名なハンナ・アーレントと
既婚のハイデガーが不倫していたという話が
なんだか面白くて好きです。
存在論とは
さて、ハイデガーの考える存在論とは
どのようなものだったのでしょうか。
分かりやすく、
また興味を持ってもらえるように
「存在論」について説明したいと思います。
「ある」とはなんでしょうか。
これは長い間哲学で論じられてきた問題です。
ハイデガーはこの“存在論”を現象学的に考えました。
ハイデガーは、
この問題を独自の言葉を用いて説明した本が『存在と時間』、
『形而上学とは何か』という有名な著書です。
人間は“存在”していることにおいて
常に自分を「了解」しています。
つまり、人間は自分が“存在”しているということを
認識できる存在なのです。
例えば、自分が「今ここにいる」ということ
が分かるようにです。
この世界は人間の認識によって、
すべてのものが位置付けられていると考えます。
そして“死”についても考えた哲学者です。
“死”とは人間の存在としての終わりを意味します。
普段人間は自分が死ぬということを実感して生きていません。
“死”を思い浮かべる時に、
自分ではない誰かが死ぬとしか考えないのです。
しかし、人間はいつか死んでしまいます。
いつか訪れる“死”に向き合うことで、
今以上に自分らしい生き方を選択して生きることが
できると考えることができるのです。
少し説明が難しかったでしょうか。
ですが、この『ハイデガー入門』を読むことで
よりハイデガーの考えたことが学べると思います。
この記事を読んでいただいて、
興味を持ってこの『ハイデガー入門』を
読むきっかけになれば幸いです。
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