『ティローン州のある名家の物語』(著者:ジョゼフ・シェリダン・レ・ファニュ)

 

『吸血鬼カーミラ』で知られる怪奇幻想の巨匠
約半世紀ぶりとなる日本オリジナル傑作選

ナポレオン戦争直後、パリへの途上で謎めいた美貌の伯爵夫人と出会った英国人青年が奇怪な犯罪と冒険に巻き込まれていく過程が、息もつかせぬサスペンスの連続のうちに語られる中篇「ドラゴン・ヴォランの部屋」。悪魔と取引した男の凄惨な最期を迫真の筆で描く「ロバート・アーダ卿の運命」。森から現れた黒衣の男に見初められた村娘の運命は……民間伝承の妖精譚に取材した「ローラ・シルヴァー・ベル」ほか全5篇を収録。M・R・ジェイムズ、セイヤーズが絶賛する〈謎と恐怖の巨匠〉レ・ファニュの傑作選。

 

筆者の偏った好みのせいで、

この五選、

アルジャナン・ブラックウッドも

アーサー・マッケンも登場しない、

歪なものになりそうです。

 

少しはまともにするべく、

ここは大御所のレ・ファニュ

登場を願いましょう。

 

シェリダン・レ・ファニュは

ジェイムズよりも更に前、

十九世紀の中頃に活躍した作家で、

名前からも分かるように

フランス系の祖先を持ち、

本人はアイルランドで生まれました。

 

ですから厳密には英国五選に

入れるのはおかしいことかも知れません。

 

長編も多く邦訳されていますが、

短編での代表作は

『緑茶』『吸血鬼カミーラ』

『白き手の怪』などが挙げられるでしょう。

 

ここでは2017年に

創元推理文庫から出た

傑作集『ドラゴン・ヴォランの部屋』から

『ティローン州のある名家の物語』

を選びました

(残念なことにタイトル作はファルスです)。

 

さすがに古い作品なので、

今読んで怖いかと問われると

少し難しいものがありますが、

 

「古城に囚われし乙女を襲う妖しの物語」

というゴシックロマン

そのままのお話ですので、

その古色を楽しんで

いただけると思います。

 

 

 

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『奥の部屋』(著者:ロバート・エイクマン)

ロバート エイクマン (著), Robert Aickman (原著), 今本 渉 (翻訳)

 

不気味な雰囲気、謎めいた象徴、魂の奥処をゆさぶる深い戦慄。幽霊不在の時代における新しい恐怖を描く、エイクマンの傑作集。

 

 

最後は迷ったのですが、

ロバート・エイクマンにしましょう。

 

エイクマンは六十年代に

入ってから活躍した作家ですが、

自作をホラーとは見なさず、

また英語で怪談を意味する

ゴーストストーリーも

気に入らなくて、

ストレンジストーリー

と呼んでいたそうです。

 

いわゆるニューロティック・ホラーを

デ・ラ・メア辺りを思わせる、

古い怪談の語法で書いたような、

とでも表現しておきましょうか。

 

エイクマンの短編と言えば

『鳴り響く鐘の町』が有名ですが、

ここは2017年にちくま文庫から出た

短編集の表題作を採っておきます。

 

幼い頃に、妙なシチュエーションで

買ってもらったドールハウスに、

外からは見ることのできない

部屋があるという、

なんとも収まりの悪い感じが

尾を引くお話で、怖いと言うより、

その不穏な感じが最後まで解消されずに、

いつまでも続きます。

 

 

 

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いいわけを一つまみ

 

とにかく読んで怖い話という

基準で選んでみました。

 

途中でも触れましたが、

いろんな都合があって

ブラックウッドやマッケン、

デ・ラ・メアなんかを

入れられなかったのは残念です。

 

作家単位で選んだので、

アンソロジーでよく知られた

名作があっても、

まとめた紹介が進んでない作家は

採れませんでした。

 

女性作家が採れなかったのも

そのせいですね。

 

今回ざっくり調べてみたんですが、

英国・女流・怪談ホラー作家

というくくりだと、

ぱっと思いつくのは

ダフネ・デュ・モーリア

くらいでしょうか。

 

シンシア・アスキスや

ローズマリー・ティンパリー辺りでも

まとまった紹介は

されてないんですね。

残念なことです。

 

 

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