乙一『暗いところで待ち合わせ』表紙が怖いけど実は温かい小説!名言集も

 

乙一(おついち)という、

作家をご存知でしょうか?

 

私の中ではとにかく

多才な作家さんで、

若くして才能を

開花させたイメージです。

 

「天才」と呼ばれるのも納得、

16歳で執筆したデビュー作が

ジャンプ小説大賞を受賞しました。

「GOTH リストカット事件」では

本格ミステリ大賞を受賞しています。

 

乙一さんの守備範囲は

めちゃくちゃ広く、

ミステリー小説のみならず、

ファンタジー、ホラーなど

ジャンルの壁を超えた作品

を世に送り出しています。

 

これほどまでにすごい作家

でありながら、

「では乙一の作風や得意と

するジャンルは?」

 

なんて聞かれると、

一向に思いつかないという

なんとも不思議な存在

なのであります。

 

それも、天才と呼ばれる

ワケかもしれません。

 

乙一さんの作品は文章が

とても読みやすくて、

スラスラ読めちゃいます。

 

どこか冷めたような独特の

世界観も味わえますよ!

 

今回は、

乙一さんの

『暗いところで待ち合わせ』

ご紹介します。

私も最近読みまして、

大好きな作品の一つとなりました。

 

表紙が怖い絵なので

敬遠していたのですが、

なんのなんの、

とても心温まる素敵な

お話なんです。

きっと恋愛がしたくなりますよ。

 

 

 

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乙一『暗いところで待ち合わせ』あらすじ

 

 

駅のホームで起きた殺人事件が、寂しい二人を引き合わせた。犯人として追われるアキヒロは、ミチルの家へ逃げ込み、居間の隅にうずくまる。他人の気配に怯えるミチル。奇妙な同棲生活が始まった―。書き下ろし小説

 

 

3年前の自動車事故が原因で、

視力を失ってしまい

盲目で独りひっそりと

暮らしているミチル。

 

彼女と社会の接点は、

親友の二葉カズエが

たまに来てくれて

一週間分の食料を買い込むだけ。

 

独りで外に出るのが怖くて、

家のコタツでまるで死んだように

うずくまって、何もせず、

毎日寝て過ごしている。

 

その家に、殺人容疑で

追われているアキヒロが

逃げ込んで身を隠すと

いうストーリー。

お互いに「孤独」で似た物同士。

アキヒロは職場の

人間関係に悩んでいました。

 

静寂が支配する中で、

奇妙な同居生活が始まります。

 

 

 

 

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乙一『暗いところで待ち合わせ』私以外の誰かが部屋の中にいる・・・

 

盲目のミチルは、

アキヒロの存在に気付きます。

 

普通ですよ!?

自分の部屋の中に見知らぬ

誰かがいるって相当怖いですよね?

 

しかも女性で目が見えないのです。

殺人者かもしれないのですよ?

それなのに、

ミチルはアキヒロを

追い出したりしません。

 

会話はないのにお互いの存在

を徐々に認めていく過程が

なんだかキュンと

してしまうんです。

 

アキヒロには

優しさがありました。

盲目のミチルがわざと

ストーブの火を大きくして

寝てしまった時も、

危ないのでさりげなく火を弱めたり、

ミチルがガラスを割ってしまい、

床に落ちた破片を踏むと危ないから

片付けてあげたりします。

 

その行為をしてしまえば、

自分が隠れていることを

気付かれてしまう

恐れがあるのに、

それでも放っておけないんです。

 

ミチルはアキヒロを受け入れ、

二人分の食事を作るようになります。

 

会話はしなくて、

そっと二人分の料理を

テーブルに置くのです。

 

アキヒロもそっと椅子に座って、

食べ始めます。

’’その存在に気がついているのに

知らないフリ’’をする。

 

この奇妙な同居生活に

なんとも言えない

気持ちになりました。

 

お互いに干渉はしないのに、

言葉すら交わさないのに、

信頼し合っている

 

その関係性がなんだか

羨ましくなりました。

言葉っていらないのかな・・・

 

結末は、殺人事件が解決し、

この奇妙な二人の関係も

解決しますよ^^

 

 

 

 

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乙一『暗いところで待ち合わせ』名言集

 

乙一さんの書く小説には、

心に響く名言が

たくさん出てきます。

 

今回は、

いところで待ち合わせ』

に出てきた名言を

まとめてみました!

 

 

きみを元気づけたい。でも、その方法がわからないんだ……。

支える人がそばにいれば、きっと大丈夫だと思うから。

台所の床に立ちすくんだまま覚った。一人で生きていけるというのは、嘘だった。

「ここまでの道、大変だったでしょう」「一人だったら、三回は死んでた」「道に迷ったりしなかった?」「一人だったら、迷っていたかも」「寂しくなかった?」 「全然、寂しくなかったわ、一人じゃなかったから」

そもそも何のためにみんなは生きているのだろう。仕事、家族、趣味、何か目標があって生活しているのだろうか。なんのために人生はあるというのだ。幸福な家庭をつくるという、ただそれだけのために人生を捧げているのだろうか。

一人きりで生きれば孤独さえなくなると、そう考えたのは間違いだった。ただ、自分の孤独にさえ気づかなくなるだけだった。

はたして自分のいていい場所はどこなのだろうかと、考えたこともあった。しかし必要だったのは場所ではなかった。必要だったのは、自分の存在を許す人間だったのだと思う。

 

どの言葉も、

愛に溢れた言葉だと思いませんか?

 

「人は孤独では生きられない」

この本のテーマを素敵な名言

で表しています。

 

絶妙な設定が素敵な愛を生む、

心温まる作品をどうぞお手に

取って読んでみてください。

 

 

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