加納朋子『カーテンコール!』感想とあらすじ!おすすめ本

 

今回ご紹介する一冊は、

加納 朋子(かのう ともこ)

『カーテンコール!』です。

 

著者は、ミステリー、

ファンタジー、SFなど、

幅広い作品を執筆している

作家さんです。

 

どの作風も、

どこか温かみのある

優しい雰囲気で、

根強いファンが多くいます。

 

たとえホラーやミステリーでも、

読後感が心地よく、

不思議な気持ちに

なるのだとか。

 

著者は、

人気のミステリー作家・貫井徳郎

さんの奥様でもあります。

 

本作『カーテンコール!』は、

心や体に問題を抱えた

女子大生たちが主役の物語です。

 

彼女たちが抱える問題は

深刻で痛々しいもの

ばかりです。

 

それなのに、

物語の展開はどこか穏やかで、

鬱々としているのに

ポップな印象です。

 

一人一人の悩みに寄り添い、

彼女たちすべての人生が

とても尊いものとして

光っています。

 

人生の素晴らしさも苦しさも、

まとめて教えてくれる

物語です。

 

 

 

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加納朋子『カーテンコール!』 落ちこぼれ女子大生たち

 

 

閉校が決まった私立萌木女学園。単位不足の生徒たちをなんとか卒業させるべく、半年間の特別補講合宿が始まった。集まったのは、個性豊かな“落ちこぼれ”たち。

会話下手の桃花、寝坊魔の朝子、病弱な夕美、
腐女子の真実、食いしん坊の千帆、拒食症の茉莉子、
ライターを目指す夏鈴、優等生の菜々子、
そして、自傷行為を止められない玲奈。

寝食を共にする寮生活の中で、彼女たちが抱えていたコンプレックスや、学業不振に陥った意外な原因が明らかになっていく。
生きるのに不器用な女の子たちと、その成長に励まされる青春連作短編集。(解説・岩田徹)

 

 

舞台は、経営状態の

悪化により廃校を

余儀なくされた

女子大・萌木(もえぎ)女学園。

 

大学側は、学生たちの卒業

に向けて充分な配慮を

していたにもかかわらず、

単位を落として卒業できない

学生たちがいました。

 

その数は、

ざっと数えて10人ほど。

 

彼女たちは、揃いも揃って

〝ワケあり〟ばかりでした。

 

遅刻魔、拒食症、

トランスジェンダー、

自傷癖などなど。

 

思っていたより大変そうな

顔ぶれです。

 

どこも欠点の見当たらない

リア充女子もいるけれど、

そんな彼女もやっぱりワケあり。

 

2人部屋に割り振られ、

半年間他人と過ごす

窮屈な生活。

 

外出禁止、

食事は用意されたものだけ、

通信機器も使用できない

軟禁状態です。

 

最初は不満だらけの彼女

たちでしたが、

少しずつ自分の悩みを

他人に見せられる

ようになります。

 

憂鬱だった留年生活も、

案外ムダではないかも

しれない…?

 

 

 

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加納朋子『カーテンコール!』 キーマンは理事長

 

気楽な隠居生活を送るはずが、

ポンコツ女学生たちに

台無しにされてしまった理事長。

 

このおじいちゃん理事長が、

彼女たちを立ち直らせる

ための重要な存在です。

 

部屋割りのペアは、

彼女たちの性格や悩みに応じて、

良き相手と組まれている

様子です。

 

食事は理事長の妻と娘が

管理して、

理事長一家の愛情あ

ふれる寮生活。

 

鬱々としている

彼女たちの心に

寄り添ってくれます。

 

厳しくもなく、

でも優しすぎず、

実に淡々と、

現実と向き合ってくれます。

まさに人生の達人です。

 

どうしてこんなに、

理事長は悩める女子たちを

見放さないのか?

 

たぶん理事長がいないと、

悩みの中でグルグル

回っているだけの物語

になっていたでしょう。

 

そんな理事長にも、

隠された過去がありました。

 

理事長の女子たちへ

捧げる想いがラストで

明らかになり、

読者の胸を熱くしてくれます。

 

 

 

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加納朋子『カーテンコール!』 悩んでいるみんなが愛しい!

 

「自分を殺す」

 

コミュ障に悩む女子の一人が、

周囲に認められるために、

自分自身をなくして、

人に好かれる自分を

演じようとします。

 

自分を殺すというフレーズが、

胸にグサッと刺さりました。

 

少し人と違うだけで、

世の中の目は厳しくて、

変わり者扱いされて

しまいます。

 

学生の場合は、

イジメに発展することも

あります。

 

つらい経験をして、

トラウマを抱えたまま

大人になっている人も

たくさんいるのです。

 

でも本当の自分を

殺して生きるのは、

本当に正しいのでしょうか。

 

大学4年生という、

22歳の大人だけど、

大人になりきれていない

微妙な年齢。

 

そこから急に社会に出て、

上手くやれなければ、

ダメなヤツ扱いされて

弾かれてしまう。

 

悩みが無いほうが

おかしいくらいです。

 

誰かのちょっとした言葉で、

ボロボロに傷つく人もいます。

 

体に力が入らず、

生きるパワーが湧いて

こない人もいます。

 

遅刻魔でダメ人間扱い

されている人も、

実は病気が原因だったり

するかもしれません。

 

人間には必ず、他

人からはわからない悩みが

存在しているのです。

 

きっと、どんなに満たされて

いるように見える人でも、

必ず悩みはある。

 

物語に登場する

悩める女子たちは、

自分が苦しんだ分、

人の悩みにも

寄り添うことができます。

 

悩みを抱える彼女たちは、人

間らしくてとても愛しい

存在です。

 

悩みがあるのは、

悪いことじゃない。

 

でもときどき、

だれかに分けて

心を軽くするのも大事!

 

悩みとの上手な向き合い方

を考えるきっかけに

なると思います。

 

読み終えた後に心が軽く、

温かくなる一冊です。

 

 

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