今回ご紹介する一冊は、
岡本太郎 著
『自分の中に毒を持て』です。
岡本太郎は
1911年生まれの日本を代表する
芸術家です。
29年に渡仏し、
30年代のパリで抽象芸術や
シュルレアリスム運動に参画します。
パリ大学でマルセル・モースに
民族学を学び、
ジョルジュ・バタイユらと
活動をともにします。
40年に帰国。
戦後前衛芸術運動を展開し、
問題作を次々と社会に送り出します。
52年に『縄文土器論』を発表。
70年大阪万博で「太陽の塔」を
制作します。
「芸術は爆発だ」の発言でも有名です。
本書は亡くなる三年前に
書かれたものです。
冒頭に
「いのちを賭けて運命と対決するのだ。そのとき、切実にぶつかるのは己自身だ。
己が最大の味方であり、また敵なのである」
とあります。
全身全霊で生きた岡本太郎の、
燃えるように熱い言葉の塊が
この本には詰まっています。
目次
岡本太郎『自分の中に毒を持て』今を生きる。そして闘う
長年愛されてきたロングセラーが、満を持しての新装刊。 文字が大きく読みやすくなり、カラー口絵付きで、パワーアップして生まれ変わりました!“才能なんて勝手にしやがれだ” “だめ人間なら、そのマイナスに賭けてみろ”岡本太郎の遺した作品と言葉は、いまでも私たちに鋭く問いかけています。 瞬間を生き抜く、岡本太郎のパッションは、強い力をもって私たちの生命にズシンと響くのです。さあ、あなたも歓喜と驚きに満ちた人生をつかみとってください。
「人生に挑み、本当に生きるには瞬間瞬間に新しく生まれ変わって運命をひらくのだ」
と氏は言います。
人は生きていく中で財産や、
知識を蓄えていきます。
それとともに自在さを失い
身動きがとれなくなります。
そうではなく日常のなかで、
これは違うなと感じたら、
そうではない方向に
パッと身をひらいて一歩でも前に進む。
過去は捨てて、
新しいものを創り出すことが
大事です。
これは難しいことです。
常に自分と闘うことが必要になります。
社会にも妥協してはいけません。
激しく挑みつづけても、
世の中はなかなか変わりません。
しかし、自分自身は変わります。
人間は磨かれます。
結果が良くなくても、
自分は筋を貫いたんだと思えば、
これほど爽やかなことはない。
人生というのはそういう厳しさを
もって生きるからこそ
面白いと言います。
岡本太郎『自分の中に毒を持て』生きることは爆発だ!
惰性で生きるのではなく、
信念を持って
「この道を選ぶと大変かもしれない。
けれど自分はこれがやりたい」
と思ったら迷わずにその道に行く。
失敗してもいい。
不成功を恐れるなと氏は言います。
失敗したら、
まず「自分はダメな人間だ」と
平気で認めること。
その上でダメなりに
堂々とチャレンジして
生き続けることが大切です。
何よりも「やろう」と思った気持ち、
自分の夢に向かって自分が
どれだけ挑戦したか、
努力したかに意味があるのです。
「芸術は爆発だ」という氏の言葉は
とても有名です。
ただ、爆発という言葉は
ドカンと大きな音が響く爆発
とは違います。
この言葉に込められた意味それは、
全身全霊が宇宙に向かって
無条件にパーッとひらくこと。
それが「爆発」だと言います。
とにかく、不器用でもいいから
堂々と突き進むこと。
そして、どれだけ気持ちを込めたか
ということが大切なことです。
岡本太郎『自分の中に毒を持て』己を殺す決意で生きる
「強烈に生きることは常に死を前提にしている。死という最も厳しい運命と直面して、はじめていのちが奮い立つのだ」
と岡本太郎は言います。
世の中で自分を貫こうとしたら、
生きがいに賭けようとすれば、
必ず危険はともないます。
そのとき「死」が現れます。
惰性的にすごせば
死の危険は遠ざかります。
けれど生きがいはなくなります。
今日では多くの人が
不完全燃焼で生きています。
そうではなく、
その瞬間にベストをつくすこと。
輝くことも、
また惨めであってもいいのです。
燃えて生きること。
本書の端々から、
読者に投げかけられる魂が
込められた言葉の数々。
読んでいると心が揺さぶられます。
書かれていることを実行するのは、
非常に厳しいことです。
しかし、岡本太郎自身も
一日一日を全力で、
時にはもがきながら
必死で生きたのだと思います。
その積み重ねが
不屈の精神力を創ったのです。
そう思うと勇気が湧いてきます。
自分も全力で生きて爆発したい。
そんな気持ちになります。
少しずつでも
「本当を追求し生きる」姿勢
を身につけるために、
生涯読み続けたい一冊です。
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